オープンDの音色を追って 50 ~ボーカルの故郷・岡崎のこと など~
(約5分で読めます)
日々の中で、GAROとは直接関係がなくても「おっ!」と思うことはあるものです。
官房長官のLet It Be
先日「林官房長官 東日本大震災のチャリティ公演で『Let It Be』熱唱」というニュースを見ました。
「Let It Be」(そのままで良い)というフレーズが繰り返される曲を被災地のために歌うのはいかがなものか、という論調でした。
阪神・淡路大震災で被災した経験から言うと、そんなには気にしなくていいと思います。
被災者は目の前にやるべきことが山積みなので、おそらくチャリティ公演を見聞きする余裕はありません。
それよりも私が気になったのは、「文藝春秋」2月号でのコメントと今回の件とに一貫性があったことです。
林芳正官房長官は「私の昭和歌謡ベスト3」アンケートに『学生街の喫茶店』をあげ、次のように答えていました。
『学生街の喫茶店』の入ったアルバム『GARO2』は、B面が全曲洋楽の日本語詞版になっています。
『Let it be』は山上路夫の訳詞でボーカルが歌っており、ベースを弾いているのは岸部修(現・岸部一徳)です。
林官房長官がGAROを好きだというのは本当だと思いました。
岡崎のこと
家で晩御飯を食べていると、テレビで『鉄道ひとり旅』という番組が始まりました。
見るともなく見ていると、列車の行先に聞き覚えのある地名が。
その回は「愛知環状鉄道編」でした。
つまり、ボーカルの故郷の鉄道が紹介されていたのです。
列車の行先表示は「岡崎行」。
二両だけの普通列車が走っていました。
他の列車も映りましたが、長くても四両。
周辺の風景を含めてものどかな感じの鉄道でした。
途中で紹介された中岡崎駅は、名鉄の岡崎公園前駅と隣接しています。
駅の近くに「八丁蔵通り」があり、地場産業である八丁味噌の工場が並んでいました。
通りには味噌の香りが漂っているそうです。
スーパーでよく見る八丁味噌・カクキューの工場もありました。
ボーカルは『水戸黄門』第43部第10話『父と呼ばれて…』/岡崎(2011年9月12日)に出演しています。
味噌煮込みうどんを食べる人の役だったとか。
ボーカルは岡崎市民栄誉賞を授与されており、同市民会館で「大野真澄presents ミュージックカンファレンスOKAZAKI」をこれまでに7回開催しています。
ラジオ出演の際、よくボーカルから語られる「岡崎」を見ることができて良かったです。
加橋かつみのこと
GAROについて調べていると、周辺の情報も気になります。
なので、グループサウンズ(GS)についても情報を収集しました。
GSブームが鎮静化した後に結成されたGAROですが、「GARO」の名づけ親はザ・タイガースのマネージャー・中井國二。GAROに曲を提供した作家たち(山上路夫、村井邦彦、すぎやまこういちetc.)もGSからスライドしてきています。
マークはGS御用達のブティック『ベビードール』で衣裳を作っていましたね。
ネットを徘徊していると、ザ・タイガースのトッポ、加橋かつみのライヴレポートを見つけました。
ザ・タイガースのメンバーは今でもそれぞれに音楽活動をしているそうで、いちばん意外だったのはドラムのピー・瞳みのるが自分のバンドを率いて旺盛にライヴをしていたことです。
ザ・タイガース解散後は芸能界を引退して学校の先生になったと聞いていましたし、1982年に『十年ロマンス』を出したときにも不参加だったので、てっきりもう音楽はやらないものだと思っていました。
教職を辞し、2011年頃から芸能活動を再開していた模様です。
加橋かつみのライヴは今年2月。ちょうどトミーの誕生日のことでした。
ゲストでポール岡田が出ています。『HAIR』のトライブですね。ということは、存命であればマークも出ていた可能性がある?
マークのblogを見ると、ずいぶん親しくしていたようですから。
マーク from GAROにも加橋かつみは参加しています。
加橋かつみのアルバム『パリⅡ』(1972)には
『水色の世界』(作詞作曲・堀内護)
『この広い世界』(『涙はいらない』の別ver.
作詞・加橋かつみ 作曲・堀内護)
『ある夏の日に』(作詞・加橋かつみ 作曲・日高富明)
『貴方がいなくなった』(作詞・加橋かつみ 作曲・堀内護)
が収録されています。
ライヴレポートによれば、ギターソロで指が吊っていたけれども、素晴らしい歌声は健在だったそうです。
声がいいんですよね。
『廃墟の鳩』は「この声でなければならない」と思うほどです。
ボーカルが以前のラジオ出演で「名曲遺産」にあげていたビージーズの『Holiday』。
「ザ・タイガースを観に行ったとき、加橋かつみがソロでこれを歌っていた」ということでしたので、聴いてみたいなぁ、いいだろうなぁ、と思いました。
で、捜したところ、ありました。
「大好きで四年間くらい歌っている」とのことなので、ザ・タイガース以降、ソロ時代のものかもしれません。
歌詞が難解で不思議な歌です。
普通に歌ってもエコーがかかったようによく響く声が素晴らしいですね。
本家に匹敵すると思います。
(つづく)
(本文敬称略)
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