オープンDの音色を追って 44 ~高見澤俊彦の小説にマークとトミー?~
(約4分で読めます)
新年早々の地震。そして今週は阪神・淡路大震災から29年。
私は実家が兵庫県で、震災で半壊したので、それを機に上京しました。
ですからこの時期は寒さが厳しいのもあって調子が悪いです。
それは仕方のないこととあきらめています。
命があったのに不平を言ってはいけません。
そんなとき、嬉しい出来事がありました。
トミーのアルバムの配信が開始されたのです。
『シークレット ゾーン(+4)』[2014Remaster]。
待った甲斐がありました。
CDの再販等がないのであれば、LPを買ってデータに変換してくれるサービスに出そうと思っていたのです。しかし、そもそもLPが見つかりませんし、たまにネットに出ていてもたいへん高価なので二の足を踏んでいました。
喜びいさんで早速購入。
落ち着いて聴きたいので、万難を排してあとで再生することにします。
最初の曲はマークがオープンチューニングで間奏を弾いたという『グッバイ オリビア』です。
この演奏をしたエピソードは、上記マークのblogの「今週の一曲 128」にあります。
「オール讀物」2024年1月号
年末に文芸雑誌「オール讀物」2024年1月号を買いました。
高見澤俊彦の短編小説『偏屈王』が目当てです。
SNSで「トミーというニックネームのミュージシャンが登場している」との情報を得たので、GARO物件なのかと思い、入手しました。
結果的にはGAROには直接関係はありませんでした。
しかし、音楽やギターのことに関しては詳しく書かれていましたし、主人公がレスポールを愛用するギタリストなので、間接的GARO物件ととらえて良いかと思います。
主人公は56歳のベテランスタジオミュージシャン・葛巻亮司。
彼を取り巻く登場人物の一人が、同年代のロック歌手・富川護。通称トミー。年中タンクトップの筋肉バカという設定です。名まえはトミー+マークですが、筋肉バカという点ではGAROの誰にも一致していません。
以下、この小説を読んで初めて知ったことをピックアップしてみます。
・アンプやエフェクター類を預かる役割の人の呼称は「ギターテク」。
・58年のレスポール・カスタム(黒)の愛称は「ブラック・ビューティー」。
・ブラック・ビューティーは、軽い(ヴィンテージギターのサイトを見たところ、本体は約4.4kg)。
・ミュージシャンの手配をする仕事を「インペグ」という。
・インペグ専門の事務所がある。
・スタジアムライヴの場合、フィールドに客を入れずスタンドのみを客席として使用すると、球場使用料が安くなる。
中でも長年芸能界にいる人の実感として書かれているな、と感じたのは以下の文言です。
……なるほど、と思いますよね。有名な人たちは日々些細なことで炎上しかねない生活ですものね。
この『偏屈王』は「特撮家族」という連作の一部のようです。
物語としては完結していますから、これ一本だけ読んでも大丈夫です。
『特撮家族』は昨年文藝春秋社から単行本が出ており、オーディオブックもあって、なんと著者本人が本文345ページを再生時間11時間17分かけて朗読しているとのことです。
それをツアー開催中に1日5時間×8日間収録したというのですから、一流ミュージシャンの体力集中力は桁外れです!
私は特撮が好きなので『特撮家族』にもすごく興味はあるのですが、今はTHE ALFEEまで追う余裕がありません。
そうそう、特撮といえば今月から『牙狼〈GARO〉』新シリーズのテレビ放送が始まりました。また検索ワードがややこしくなります(笑)。
GAROについて調べようとするとどうしても「牙狼」とマンガ雑誌の「ガロ」が出てきてしまうんですよね。それはそれでいいんですが……。
(つづく)
(文中敬称略)
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