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オープンDの音色を追って 81 ~GAROのさよならコンサート~

(約6分で読めます)
 やっと秋らしくなってきました。
 秋といえば毎年恒例『どこまでも駆けてゆきたい』を聴く季節です。
『学生街の喫茶店』も枯れ葉が舞っている描写があるので、秋か冬ですね。

 先日、GAROの解散コンサートのラジオ番組を聴きました。
 FM東京(現TOKYO FM)で放送された『さよならガロ、さよならグレープ』(1976.4.30)です。
 グレープ解散もGAROと同じような時期だったのですね。
 さだまさしはマークから譲り受けたギターを持っているはずです。

 この『さよならガロ』では、かまやつひろしがコメントを寄せています。

 はじめね、僕が日比谷の野音やなんかでロックコンサートに出てる頃、ちょうどアメリカからね、クロスビースティルナッシュ(※)ってのが入ってきて。ああいうコーラスグループないかなーと思ってたんですよね。あったら一緒にやりたいなーと思って。
 そしたら、いちばん最初に会ったのがね大野真澄くんてボーカル。まだその時点ではGAROってのはできてなかったんですけど、彼(ボーカル)と会ったら「トミーとマークが二人でコーラスやってて、けっこういいよ」なんて話を聞いたんですね。それで一回聴きに行ったんです。それで、その二人にプラス大野くんが入って、三人組で、とにかくハーモニーがすごく好きだったんで、彼らのハーモニーが。それで「面白いグループだな」と思って、一緒にやろうかなっつって、よくコンサート一緒にやってたんですよ。
 そのうちに、なんかレコーディングして、喫茶店がどうのこうのって歌がヒットして、それでまぁスターになっちゃったんですけどね。僕はGAROっていうのはやっぱし最初の方が好きなんです。

※クロスビースティルナッシュは発言のまま 

 GAROの解散コンサートは1976年3月20日に神田共立講堂で行われました。

 開演前のインタビュー

マーク「なんかもうただ一生懸命やるってだけですね。なんか全然何も考える余裕がないって感じ。
 けっこうなんかみんな声が調子いいんで、楽しい感じでね。終わらせたいなと思って」

ボーカル「いや~、もう、そうね。なんとなく寂しい感じもするけど、まぁ、新しい、それぞれ一つの区切りと、それから旅立ちと、二つ。
 感無量って言ったらおかしいんだけど、まぁ一生懸命やりたいと思っています」

トミー「えー、もうドキドキしちゃってますね。そうですね。頑張りますから」

 コンサートのトークは、お詫びから始まりました。

ボーカル「どうも。こん、ばんは、になってしまいました。今日はちょっと故障とかそういうのがいろいろありましてですね、開演時間が大幅に押してしまいましたこと、せっかくこういう解散のコンサートなんですけどもお詫びをしておきます。ごめんなさいね」

 幕間の観客インタビューには、ファンに混じって山田パンダが。GAROとは親しいそうです。
 南こうせつは『涙はいらない』をカバーしていますし、かぐや姫はGAROが好きなのでしょう。

南こうせつ FOLK SONG

 GAROが解散したのは、前年の12月25日。
 このコンサートまでには約3ケ月のブランクがあります。
 その間にマークとトミーはそれぞれ新しいグループを作ってGARO以降の活動を始めていました。

 ボーカルがラストアルバム『三叉路』から『青春の旅路』を歌うと、そのあとトミーは新バンド「ファイヤー」を率いて『ヘビー・ローラー』を歌います。トミーいわく「僕の気持ちを歌った曲」です。「今度野音に出る」とも言っていて、意欲的な再出発です。
 マークは新グループ「バースデイ」で『さいごの手紙』。
 マークはGAROの5年間に悲しいことや悔しいことがいっぱいあったと言っていました。
 ……傍目にはわからないことがあるものですね。
 村井邦彦もALFA MUSIC LIVE(2015)で「後に、スターになったことがあまり幸せではなかったと聞きました」とマークの写真に語りかけていました。これには、GAROからオリジナル曲を取り上げた側が言うかな、とは思いました。

ALFA MUSIC LIVE

 三人が組むきっかけになったCSN&Yのカバーももちろん披露したわけですが、十八番の『組曲青い目のジュディ』では珍しく途中でミスをしています。普段とは違う緊張感が見えました。
 そして『Find the Cost of Freedom』をもって、コンサートは終わります。

 

 終演後のインタビュー


ボーカル
「なんかこうやっぱり終わった感じがしないんだよね。まだなんかこう仕事があるみたいな感じはしますね。
 ホントに長い間応援してくれてありがとう。それから今度また三人バラバラになっちゃうけども、各々おのおの三人頑張っていきますから、また各々またこれから先も、終わりっつんじゃなくて一つの旅立ちみたいな感じでそれぞれ応援してもらえたら嬉しいと思います。
 ホントに最終的には5年間応援してくれてありがとうっていうこれしかないですね」

マーク「なんかもういやなんとも言えない気持ちです。ホントになんか5年間て言うとね、さっきも言ったんですけど一見長いようでね、僕たちにとってはすごくなんか短かったような気がして、もう今日が最後のステージかななんてなんか信じられない感じでね。
 でも、これからまた一人一人旅立つんだし、またそれぞれ充分にトミーもボーカルもね、力を発揮していくと思うんです。
 だから、これで終わった、ある意味じゃ終わったわけじゃないんで、これから出発なんで、また、よろしくお願いします」

トミー「また、でもみんな友だちだからね。また歌ったりね一緒にできますからね。
 これで一応GAROは締めますけど、でもまた三人でね、まったりできますからねなんとなく。
 ホント今までみなさんデビューんときからね、応援してくれてホントにどうもありがとうございました。
 ……口下手だからな。
 それじゃあ、あの、さよなら!」

 トミーのトークってあまり印象がありません。御本人のおっしゃる通り口数が少ないというのもあるのでしょう。
 ギターのことなら無限に話せると思うんですが。

(つづく)
(文中敬称略)

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