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あなたと喋っているような

今年の5月に、初めて自分の名前で本を出させていただきました。
無名の自費出版なのに、張り切りすぎて最初から二冊(笑)

写真がメインである『朝ごはんのやり直し』は
私のXの朝ごはん投稿をmg.編集長のかわかみなおこ氏がフィーチャーし、編集・デザインをしてくれたおかげで完成した本。

もう一冊は、mg.さつまいも号に掲載する小説のためにイラストレーター・五嶋奈津美氏が手掛けた扉絵がとてつもなく素敵で、
これが表紙の短編小説集を絶対世に送り出そうと一念発起、こつこつ書いた6篇の短い連作を集めた『平らかな食卓』です。

どちらも私の想像をはるかに上回るたくさんの方々の手に渡り、Xやインスタなどで読んでくださった感想まで頂戴し、感謝の気持ちでいっぱいです。みなさまありがとうございました。

今回noteに書こうと思った一つはご購入いただいた方々への感謝と、
本来ならば私の目にしか触れない、二つの感想を紹介したかったからです。

高校時代の友人で、今でもお互いの誕生日と箱根駅伝の時にだけ連絡を取るという、仲がいいのか何なのかわからないけれど信頼している友人がいて、彼女が私の知らないところで『平らかな食卓』を、mg.の通販サイトから予約購入してくれていたのです。
昨日は彼女の誕生日で、お祝いのメッセージとともに毎年必ず健康診断に行くように!とLINEすると、照れくさそうなありがとうと合わせて、『平らかな食卓』を読んだ感想が送られてきました。


「ヤナイの文章を読んでいると、
ヤナイと喋っているような気になる。
うまく言えないけど、
ヤナイが書いてるー!って感じがする」


このあと語彙力なさすぎてごめんって言ってましたけど、
なんだかこの感想、とーーっても実感が込められているように思えてうれしくて。これまで私の書いた小説なんて読んだことがないのに、10年近く電話でも話していないのに、それなのに今の私が書く文章が、私と話しているみたいだなんて。どこを読んでそう思ったのかもっと聞いてみたい。このような感想をもらったのは初めてでした。

ほかにもう一人、
読書の好きなママ友(この言い方はあまり好きではないけれど)がいて、
ふだん私は小説を書いてるとか、ライターをしているとか、子供の繋がりで知り合った人には言っていないのですが、
この人になら話してもいいなと思えて、自分の本ができたから良かったら読んでみてねと、
『朝ごはん』と『平らかな』を一冊ずつプレゼントしたのです。

すると、その日の夜、早速『朝ごはん』の感想を送ってきてくれて、
まさかの「自分も最近朝ごはんをやり直してるの~!」なんて言うからびっくりして、気持ちもたくさん共感してくれて。
『平らかな食卓』にも感想をもらい、
うれしい言葉の羅列だったのだけど、なかでも、
「これが読めて、ゆきちゃんと友達でラッキーとすら思った。いい気分になる本だった」
との一文が「書き続けていこう」という気持ちをさらに強くさせてくれました。

「読後感のいい文章を書けよ」と言われて仕事をしてきたことが、そしてそれが、私の体質にも合っているということが、だんだんとはっきりしてきたように思います。

いい時間を届けたい。私がしたいのは、いつもそれだけのことかもしれないけれど、それだけのために、頭を悩ませ、手を尽くして書くのが、また、私なのだと思います。

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