はじめの一歩
色々人に妄想を話してはいたが、会社に相談するとなると、少し緊張する。
良い家だ。という自信はある。
だが、ここで育ってきただけに愛着以上の物がプロの目を通して本当にあるのだろうか?
私の妄想にうんざりするのではないだろうか?
ドキドキしながら家で待っていると、2人の男性が来た。
真面目そうなパリッとした男性と
半袖にトランクスのモジャっとした頭の男性。
絶対にパリッとした男性が社長さんだとおもったらモジャっとした方が社長さんだったー!
あぁ話しやすそうで良かった…と安心した記憶がある。
この日から、今日までこの会社の何人もの社員の方達にお会いし、今もとてもお世話になっている。
この会社に出会わなければ、続けてこられなかったし、今頃更地になっているか、誰かの新しい家が建っていたと思う。
とにかく2人に妄想を話し思いを伝えた。
今は何を話したか覚えていないけれど、かなり熱くどうにかしたい!と伝えたのだと思う。
ふむふむ。と聞いてくれて、調べたりしながら色々教えてくれた。
私はそこで何かやるのに、土地の用途がある事すらも知らなかった。
運良く、うちは第一種で何か始めるのも大丈夫な
土地だった。
「まずは近所に開く事が大事ですね。」
近所に開く。とは、人の集まるきっかけを作って
まずは近所の人に来て見てもらう事だと言う。
古い住宅街の中、新しい事をいきなりするのは
そこで生活している人にとっては望んでいる事では無い。静かに穏やかに暮らしたい。当たり前だ。
そこは父も1番に心配していた点で、それだけは必ず守らなければならない。と私も思っていたので、この会社以外に私の想いを理解してくれて、頼れる所は無い!と思い、この時のパリッとした男性に事あるごとに連絡し、ストーカーなのでは?くらい離さなかった。
その後、片付けしながら いとこ達と流しそうめんをして人を招いたり、片付けで出た古道具で古道具市を開いたり人が出入りする環境を作った。
この頃 あのパリッとした男性が、
「古民家の使い方会議」のイベントをしましょう!と、提案してくれて、募集をかけたところ和室いっぱいに人が集まり、色々な意見をくれた。
自分の育った家で、大勢の人が家の使い方をあれこれ色々と提案してくれるのは不思議な感じだったのだが、今思うとこの会議で出た意見や、募集したプロジェクトで、今のFOLKが決まっていくので、すごく大事な過程だったと思う。
この時出会った人達は 今もFOLKに何かしらの形で関わってくれている。大切な人達だ。
あの時、昔からそこにあるような 腰越のまちに
浮かない場所にしたい。子供も若い人も高齢者も
みんなが使えるようなそんな場所にして残したい。そんな沢山の人の思いは変わらずにFOLKにあると思う。
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