どうやったら維持できるのか?
さて。どうやったら残していけるのか。
古い住宅街にある築100年の古民家。
私は当時、未就学児を抱えながら洋服の仕立てをフリーでしていた。財力は全く期待出来ない。
今思っても無謀としか言いようのない。
とにかく父を説得し続けて、どうにか数年の猶予をもらった。
まずはどうにかならないものかと、たくさん人に話した。妄想だけで、よくもまぁ周りに話をしたと思う。
ただただ古民家の事だけを信じて人に話をした。
大工さんや建築関係の方にも見てもらった。
良い材料を使っているねぇ。
素晴らしい仕事だねぇ。
もう今じゃあ出来ないよ。
残した方が良いと思うよ。
………他人だから言える事だけどね。
と口を揃えて言う。
維持が大変なのだ。
普通の家でも大変な事なのに、
古民家で住宅街にあり、住まないで残したい。
しかもそのまま貸す事なく。
加えてお金は無い。
そんな夢みたいな話を人にした。
きっと聞いた人はちょっと大丈夫?って思ったに違いない。私だって人から聞いたらそう思う。
でも、なんとかなるに違いない。と勝手に思った。
しかし、何からやっていいかわからない。
古民家なのでどこがダメでどれだけ直したら大丈夫なのかもわからない。
誰を頼ればよいのかわからない。
家の中も40年以上暮らした家族の荷物で山のよう。
もうわからない事ばかり。
まずは、荷物をどうにかしないといかん。
とは思っていたので、引き続きコツコツ片付けた。家を一軒分。片付けだけで、終わりが見えない。
実家の片付けをした事がある人は
あぁ〜わかる〜〜
と思うのではないだろうか?とにかくむちゃくちゃ大変なのだ。まだ実家がある人は覚悟しておいた方が良い!
ちょうどその頃、本業の洋服の仕立ての仕事で、
家づくりの会社の社長をしているお友達のお姉様のお宅にいく事があった。
お姉様の会社は、湘南の代表的な注文住宅の会社。すばらしく素敵な家だ。そして、日々の生活を丁寧にされている方で、憧れる美しい人だ。
仕立てた洋服を納品しつつ、古民家の話をした。
新しい家を建てる仕事をしている人に、古い家を維持したいと思っているけど、どこからやれば良いのか悩んでいる…という話。これもめちゃくちゃだと思う。
しかし、美しく素敵なお姉様は、私の話をうんざりする事なく最後まで聞いてくれた。
家を大事に思う気持ちも、残された物を思う気持ちもわかるよ。大事な事だと思う。と話してくれた。
そして、この人達に相談してみたらどうかな?
と、ある会社を紹介してもらえた。
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