わたしのダーリンは男爵様#28
この記事を開いたあなた、ラノベ小説かなにかだと思っただろうか。
大変申し訳ないが、ラブロマンスとはかけ離れた話になるので、期待された方はそっ閉じしてほしい。
わたしの夫が男爵だったという実話である。
正直に言って、大変くだらない内容になっているので、今日は忙しいって人は引き返してほしい。
「実は男爵の爵位を持っている」と初めて夫が言っときには、「あーはいはい。」という返事をした。
夫は冗談を言うようなタイプではない。
かなり真面目で融通の効かない理系男子(オヤジ)だ。
ちなみに理学部を卒業しているが、本を読むのがかなり早く、美しい文章を書く人である。
わたしの文章についても、非常に厳しい意見をする。
「あなたの文章力でよくお金をもらえるよね。」
と。辛辣ぅぅぅ。
モラハラではない、愛だと思ってる。10年も一緒にいるのだから、こんな発言のひとつやふたつ、なんてことはない。
そんな夫なので、男爵の爵位の話を聞いたときには冗談ではなく「なにか裏があるな。」と思った。
シーランド公国の爵位
そもそも爵位とはなにか?
爵位とは貴族の段階別を示す称号のことで、中世ヨーロッパなどの王位制を敷いていた国の上流貴族が名乗ってた名誉称号だ。
位が高い順から、公爵、侯爵、伯爵、子爵、男爵となっている。
そんな爵位を販売しているのが、シーランド公国だ。以下、リンクをご紹介しておく。
シーランド公国は、北海の南端に浮かぶ構造物を領土と主張する立憲君主制の自称国家だ。
ここではシーランド公国の独立を支援するという形で貴族の爵位を販売している。つまり夫はこの爵位を、およそ10年以上前に購入し…いや、爵位を賜ったらしい。
ウェブサイトを読んでいくと、「シーランドストアに移動」というボタンがある。
シーランドストア…!売る気満々…!
ボタンを押すと、
「世界中に発送。 すべての価格は 税込みです。」
の表示が。親切。
夫になぜ爵位を購入したのか聞いてみたら、「面白そうだったから」の一言だけ。
身分証明証ももらったらしいが、爵位を賜って2回引っ越しているので、行方知れずだ。
爵位によって価格も変わるので、夫は一番お手頃な男爵を買ったのだろう。
話のネタにできるのだから公爵でも買っておいてくれたら…!と、残念な気持ちだ。
だってわたしは公爵夫人ではなく男爵夫人ではないか。この歴然とした差。
しかし、購入したのは10年以上も前の話で、夫の記憶によると当時は公爵の爵位の販売はしていなかったらしい。
男爵は現在£29.99で販売しているらしいので、日本円にすると約4,500円くらいだろうか。まあ許せる額だ。
公爵となると£499.99なので約76000円くらいか?
独身時代に買っていたのなら笑い話になる額だが、いま欲しいと言われたら確実におまえは正気かと夫をぶん殴ると思う。
ちなみにシーランドストアでは、シャツやキーホルダーといったグッズや切手も販売されている。
爵位が欲しくてたまらない!という方、または公爵夫人になりたい!という方も、シーランドストアならその夢、叶えられそうですわよ。