卵巣嚢腫の手術をした話#4
卵巣嚢腫と診断されるまで、わたしは婦人科に行ったことがありませんでした。
5年くらい前に、WordPressでブログを書いていた時に卵巣嚢腫の話を書いたんです。
すると、見ず知らずの方が、「自分も卵巣嚢腫と診断されて不安でたまらない」というコメントを頂きまきた。
でもわたしの失態で、Wordpressの更新をしたらブログごと消えちゃって……。
そういった婦人科系の悩みを持っている方や、自分も受診しようか悩んでいる方に、わたしがどういった経緯で診断されて手術したのかを一つのケースとして参考にしていただければ幸いです。
なぜ今まであまり大っぴらに話したり言わなかったのかというと、当時教員だったことと結婚したばかりだった、というのがあったからかもしれません。
もちろん術後に休まなければならないから、職場には話していたんですけれど。
婦人科に行ったこと自体もこのときが初めてで、若かった上に手術のことを話すのは少し躊躇いがあったから大っぴらには話さなかったのかもしれません。
わたしが卵巣嚢腫と診断されたのは、2011年の秋、24歳の時でした。
何か兆候があったのかといえば、思い返せばそうかも?くらいの些細な事で、それが兆候と呼べるかはわかりません。
体調の変化があったのは以下の通り。
・体重が減少気味
・疲れやすかった(ただ疲れていただけかも)
体重はこの時、BMIでいうと18.5とかそのあたり。平均して19とか20だったので痩せたときには「やったー!」と思ってました。
体重減少が、卵巣嚢腫が直接的な原因かはわかりません。
「おかしい」と確信したのは、2011年の11月のある朝、トイレに行くと便器の中が真っ赤になるほど下血。
生理かな、とは全く悩まないほどの鮮血と量で、その日のうちに家の近くの婦人科に行ってみることにしました。
婦人科を受診したことはそれまでなく、出産を経験した今ではなんてことないんですが、内診台に上がるのは抵抗もありました。
エコーでの診察中に先生が「腫瘍があるね。うちでは手術できないから紹介状を書くね。」ってものすごい気を遣って言ってくれたのがわかって、内診台に上がるのが恥ずかしいとか言ってる場合じゃないな、と思った気がします。
それで大きな病院を受診すると、「多分良性だろうけど悪性の可能性もあるし切ってみないとわからない、卵巣嚢腫だね」と。
わたしに限らず卵巣嚢腫って切ってみないと良性か悪性か分からないと聞きました。
腫瘍ができているのは左卵巣で、大きさは3センチ。
手術は開腹手術ではなく、術後の回復も早い腹腔鏡下卵巣嚢腫切除術に。
おヘソとおヘソの下の2箇所を切開するもので、今でもその傷跡は残っています。
ちなみに当時は別の病院ではありますが、腹腔鏡の手術で事故があったので両親はかなり心配していました。
今回は腫瘍が小さめなので、卵巣は温存して腫瘍のみ切除するが、実際に手術して予想より大きい場合は卵巣ごと切除するとの説明もありました。
24歳、今まで手術を受けてきたことは6歳の時に先天性耳ろう孔の手術を受けただけで、記憶にないも等しい。
全身麻酔で、しかも切って悪性だったらどうしよう、わたしは大丈夫なんだろうか、と不安な毎日を過ごした気がします。
とはいえ全身麻酔をすれば、気づけば既に病室。
目覚めた途端、腹部にかなりの痛みがありました。
実際にワーワーと言っていたらしく、気も立っていて。当たり散らしていました。
術後は特に精神的に不安定だったんです。もうわたしに何も言わないでくれー!みたいな。
手術は夕方に終わったのですが、翌朝まで痛みがあり、その痛みの波が来るたびに看護師さんが痛み止めの注射?を打ってくれました。
痛い、と思ったら呼んで看護師さんの顔を見ながら痛いが和らいで眠って、また痛みで起きる、の繰り返しです。
痛みで朦朧としていたので、これは現実なのか夢なのか分からないまま痛み止めを打ってもらいました。
結果としては腫瘍は良性で、ただ3センチと言われていた腫瘍はそれ以上に大きかったらしく、わたしの両親や夫はその切除したものを見たらしいのですが(わたしも見たかった…)、
「崩れたたこ焼きに髪の毛がぴょんぴょんと出ているようなもの」
だったとのこと。
腫瘍のみの切除でしたが、再発した場合は卵巣ごと切除。
片方の卵巣を切除しても妊娠は可能で、妊娠の可能性が低くなるわけではない、しかし妊娠を希望なら早めに考えたほうが良い、とのことでした。
術後は2日目か3日目くらいから歩くように言われて、廊下をトボトボと歩きました。
シャワーも同時期からできましたが、小さくはあるものの3箇所も傷跡があって、しかもおヘソは血溜まりになっているから見る勇気もないまま…。
1週間で退院後、仕事は1週間のお休みを頂き、ちょっと家事をしてしんどくなったら横になってという生活でした。
仕事に復帰する時には、服装に悩み、ネットで買ったワンピースと冬だったのでお腹を圧迫しないタイツを履いて出勤。
今思えば、妊婦用のタイツとかズボンとか買えばよかったと思いますが、当時はそういったものがどこにあるのかよく知らず、お腹を締め付けない服を選んで着てました。
仕事は教壇に立って指揮したり、ピアノを弾いたりしなければならないわけで、最初の1週間は冷や汗が出てしまい倒れてしまいそうに。
痛みはあまりなかったと思いますが、体力が落ちていて気が遠くなるような気分の悪さがありました。
なので授業内容を少し変えて、座学を多めにして鑑賞や音楽理論をしました。
病院には術後の経過を診てもらったあと、最低でも半年に1回は卵巣の定期検診を受けるように言われています。
実際に婦人科では手術歴を話すと、体がん検診や頸がん検診もできればやったほうがいいと言われますし、去年初めて乳がん検診に行った時にも、卵巣嚢腫の病歴があるなら定期的に検診をしたほうが良いと言われました。
5年以内に再発の可能性はあると言われて、卵巣嚢腫の手術から今年で10年。
流産もあったものの、術後から第一子を授かるまでは5年かかりました。
いまは2人の子供の真っ最中。
自分のためだけでなく家族のために、これからも定期検診を受けていきたいと思ってます。