着物のリメイク|母からの贈り物。
今日の東京は夏のような暑さでした。
いよいよ夏?
いえ、その前に梅雨ですね。
先月のこと、母から荷物が届きました。
開けてみたら……
絹51枚?ウール?綿?
何かな、と思うでしょう?
手作りのブックカバー55枚!
幾つか取り出してみました。
どれも着物や反物を使ったものです。
母の実家は呉服店でした。
子供の頃、長い休みの時には、よく遊びに行きました。
独特の香りがするのですよね。
絹の香りなのか、樟脳の香りなのか。
祖父はいつもピシッと背筋が伸びていて、何時間でも正座していました。
反物を取り出して、さーっと広げて、それをまたトントン、くるっくるっと回して元に戻すのがかっこよくて。
真似したくて、でも触っちゃいけないと言われて。
私が小さい頃は、母は家で和裁をしていました。
外に働きに行くよりいいわよ、と祖母に教えてもらったそうです。
手先が器用な母は、和裁はもちろん洋裁もお手の物で、子供の頃は妹とお揃いのワンピースなどをよく作ってくれていました。
お稽古バッグももちろん手作り、凝った刺繍入りでした。
ピアノのお稽古バッグは、表はガラスの靴のシンデレラ。キラキラビーズも付いていました。
お友達のお母様方には、「ゆきこちゃん、いいわねえ」と言われたものの、私は「みんなと一緒の(ビニールの)ヤマハのバッグがいいな」と心の中で思っていたのです。
今思うと、アカン子よねえ。
そんな母は、以前から着物を洋服にリメイクしたりしていましたが、コロナで外出も出来ず暇だから、と最初はマスク作り、マスクが入手できるようになって、また着物リメイクが加速したようです。
ブックカバーにハマった模様。
たくさん作ったからと連絡があり、じゃあ来年の料理教室20周年の時に生徒さんにプレゼントしてもいいかな、と話していたのですが、早々に送られてきたのでした。母らしい。
手縫いですね。
外側と内側の組み合わせ、あれがいいかな、それともこれかな、とあれこれ取り合わせたのでしょうね。
広げているのは、以前、作ってくれたコートの残り布。
下段の白いのは、スカートになった白大島の残り布。
他にも、見たことあるなあ、という布。
ああ、ブックカバーになっちゃったのね、と思わなくもないですが、着なくなってしまったものは、そのまま置いておくより、生まれ変わって利用されるなら、その方がいいですよね。
でも今や、文庫本にブックカバーかけて読んでいる人、どれだけいるのかな?
コロナで通勤中に本を読むこともなくなったとか。
そもそも、移動中に見るのは本じゃなくてスマホかもしれない。
そんな今だから、あえて家で文庫本にカバーかけて読むって、いいんじゃないかな、と思ったり。
麻のコートも入っていました。
くるみボタンをループに引っ掛けるようになっています。
先日、外出の時に着て出かけましたが、軽くて涼しい。
いい大人になっても、まだまだ親にやってもらうこと、多いなあ。
ありがたいことですね。
なかなか帰省できずにいますが、元気に過ごしてくれているようで、ほっとしています。