時代の移り変わりに思うこと。

去年の夏頃のことだが、ALWAYS三部作を観た。合わせたつもりは別になかったが、偶然にも東京五輪開始直後だったから何だか色々と考えさせられた。同じ東京五輪でも前回の大会とは随分と時代が変わったんだなぁと……

この作品は主人公が存在しない所謂、群像劇というやつだ。だが、逆に言えば登場人物全員が主人公とも取れる。あの時代を知らない自分には昭和のノスタルジックさと人間ドラマを楽しめるとても良い作品だと思うし、作品のレビューも全体的に高評価だった。

が、低評価が決してない訳ではなかった。それらの殆どは、実際にあの時代を生きた方々からの手厳しいご意見だった。それらを読んで私が感じたのは

「自分が体験していないことをリアルに表現し、描くことの難しさ」

だった。中でも特に鋭いなと思ったご意見が「街並みや全体の雰囲気は昭和なのに、人々の持つ雰囲気が現代人」という……かなり鋭い指摘だ。これは実際にその時代を生きていた人にしか分からないだろうなと思う。

今を生きる人間は現代に合わせた生き方をしていく必要がある。だが、昭和生まれの人間にとっては昭和の生き方がある。時代に合わせた生き方をしていくのは大事だが、かつての生き方を決して忘れてはならないと思う。時代に染まり切るのではなく、自分が一番大事だと思う事を見失わず、常に自分の中に持ち続ける。そういう生き方をしていくのが大事だなと。

私は昭和の後半生まれだから前回の東京五輪を生で見た方々に比べたらまだまだだ。それでも昭和→平成→令和と、既に三世代も生きてるのだと思うと何だか色々考えさせられる。

私自身、物心ついた時から音楽が身近にあり、色々な音楽を聞いてきた。その影響からか音楽シーンに最もジェネレーションギャップを感じるのだが、最近はそれがかなり顕著になっている気がする。

実は2年ほど前まで某男性アイドルオタクをしていたのだが、結婚を機に辞めた。それからはあまり見なくなったのが、今でも某音楽番組(毎週金曜に放送してるやつ)を見る度に自分が時代に置いていかれてるような感じがするのだ。

私の世代はCDやラジオ、USENからカセットテープに音源を録音していた世代だから、インターネットで全て完結してしまう現代の音楽シーンにイマイチ付いていけない。批判してる訳ではない。便利な事は十分に分かっている。だが、番組見る度に何かこう……どうしてもモヤモヤした気持ちになるのである。

当たり前だが、現代の流行りの音楽は昔の音楽とは全く違う。だから、正直なところ聞いてみても良さが基本的には分からない。もちろん中には昭和生まれの私にも良いなと思う音楽はあるし、CDを買って聞いたりもするが。

旦那は私よりも上の世代なのだが、現代の音楽に対する複雑な気持ちは更に大きいようだ。ドライブ中に懐メロとか自分達がかつて好きだった音楽とかを流すと、夫婦二人懐かしみながら「あの頃は良かったよね」なんて話したりする。

そんなこんなで最近の音楽番組はあまり見ない。年末の紅白歌合戦は一応録画して見たものの最近の出場歌手が分からず殆ど早送りで終わってしまった。昔は年末といえば紅白歌合戦を家族で見るのが風習だったが今はそれも無くなりつつある。

時代に合わせた生き方はもちろん必要だ。だが、自分が受け入れられないものを無理に受け入れたり、合わせる必要はないと思っている。生活に必要なら仕方ないだろうがそうでもないし。

時代は移り変わっていく。それは当たり前のことだ。だが、私はその移り変わっていく中で古き良き時代の様々なものがひっそりと忘れられていってしまうことを、とても残念に思うのである。

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