Yukiko Watanabe: Die Fehlende Melodie (2021/2024)の解説
解説(日本語)
この作品は、二つの異なる時間軸が存在するよう作曲されています。一つは鼻歌のようなもの、そしてもう一つはゲーム性のある和音です。チェロによって演奏される鼻歌のようなものがメロディー、和音は伴奏であるとするならば、所謂「歌と伴奏」という古典的な手法で書かれていますが、その組み合わせは作曲家側からは指定されず、偶然出会ったメロディー(のようなもの)と和音(のようなもの)が重なって、結果的にその和声上で鳴っている歌のように聞こえてくる、という仕組みを利用しています。