「思い」が乗っていること
「それは、自分に対して響いているのか?」
誰かに向けて発した言葉、書いた文章、考えた企画。
自分でさえ良いと思っていないものが、誰かに届くことはない。
*
企画メシ第5回目の講義は「チームの企画」。今回の講師は主宰の阿部広太郎さん。
前回の講義から今回までにチームで一つ何か企画をし、その企画書を提出するという課題が出ていた。その課題へのフィードバックも含めた、今回の講義。
私たちのチームの企画は、まずは方向性について全員が納得できるようにすることを優先。詰めるのはこれからだ!と思っていたので、だいぶ抽象度が高い状態で企画書を提出。
他のチームの企画を事前に見て驚いた。もう走り出しそうな(いや走り出している?)チームもある。同じ期間でこれだけ詰めて、企画書としての形にできるのはシンプルにすごいなと思った。
とはいえ自分たちのチームも抽象度が高いとはいえ、全員が納得して合意できる方向性を決める、思いを共有することには妥協しなかった(私がというよりチームメンバーの妥協しない精神がすごかった!)ので、そういう意味での不思議な自信はあった。
阿部さんからのフィードバックは、方向性が決まっているのは良いので、その上でもっと具体的な企画を考えてみるのが必要ではないかと。
たとえば旅行に行くとして「北に行こう!」とだけ決めて行く人はいない。その中で「あの場所に行こう」「あのビルを目指そう」と具体的な目的地を設定する=具体的な企画を考えてみることで、「これはよさそう」「これは違う」と次の議論に移行できる。
「仮でもいいからとりあえず決めてみる」という勇気があることで、次のステップへ移行できるのだと思った。
企画書はとりあえず方向性を共有できれば!と提出してしまったので、「もっと言葉を尽くせたのでは」というアドバイスはぐさりと刺さる。読む人のことを考えたか、一つひとつの言葉に自分たち自身が納得しているか。もちろん限られた時間内ではあるが、もう少しできることはあったかもと悔しさも感じた。
「いい!」と思ったチームの企画は、今の時代を捉えた上で「だからこうしたい」「これが必要だ」という企画者の思いが感じられた。思いがあった上で、それを実現する手段にひねりというか「うわぁそれおもしろい!」と思う。
おもしろい手段、アイディアはまぶしく、目がくらむ。でも、それらは何もない状態からいきなり生まれるものじゃない。思いがあってこその、次に手段。「こうしたい」「こうなってほしい」という思いは、今の自分でももっと考えられるし、もっと言葉を尽くせると思った。
*
いいチームとは何か。
阿部さんはこう仰っていた。
負担→充実。
負担から充実へジャンプするためには、何が必要なのだろう。阿部さんのお話を思い出しつつ、自分なりに整理してみる。
1つ目は、チームで取り組んでいるそれ自体がおもしろいこと。「おもしろい!」「やりたい!」と思えているかどうか。おもしろくなさそう、やりたい気持ちになれないという状態で、チームの力は発揮できない。
2つ目は、一人ひとりがチームの一人として尊重されていること。受け入れてもらえると感じるチームの中では、自分の力が発揮しやすい。
3つ目は、一人ひとりがチームのために何ができるか考えていること。自分の得意や好きを活かして、こういう貢献ならできそう…と考えたり、行動したりする。
けどこれは、1つ目と2つ目が満たされている上でのこと。やっていることがおもしろくないし、尊重もされていないのに、チームのために何ができるか…とは考えられない。
やっていることがおもしろくて、お互いに尊重し合えるチームであって、さらにチームの力を高めていくためには、個→チーム に対して貢献するための働きかけも必要になってくる。
*
次の「なんとかしたいの企画」は個人の企画だけれど、「自分とチームを組む」とも考えられる。本当にやりたいことで、おもしろいことであれば気持ちがドライブしていくだろうし、自分の考えやアイディアは否定せずに受け入れてみることをすれば、ワクワクした気持ちで進められる。言うほど簡単ではないかもしれないけど、考えてみたい。
まずは自分といいチームになれれば、その企画を本当にやりたいと思っていれば、他の人を巻き込んでいくことだってできる。
自信がない企画に巻き込むのは忍びないけれど、自信がある企画だったら「一緒にやろうよ」と言える。
「なんとかしたい」を起点に企画を考えた経験は、ほぼない。ふりかえると、いつも誰かの企画に乗っかっていただけ。
乗っかって、広げていく存在ももちろん必要だと思うけど、一から考えてみる、それを形にしてみるという経験をしてみたい。
うまくいかないかもしれない、けど、失敗してもいい。
一つ、何かを企画してみたという経験は、きっと自分の自信になる。
「なんとかしたい」
自分の外と中を行き来しながら、考えてみる。
この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?