ブルーグレーの空

クーラーを消し、窓を開ける。

肌を刺すような暑さは姿を消し、やんわりとした空気が全身をつつむ。斜め向かいのマンションの廊下にオレンジの灯りがつく。蝉は鳴き疲れたように落ち着きある声に変わっている。バイクや車の発停車音、自転車が走り抜ける音、お隣から聞こえるテレビの音、「待ってー」という子どもの声。夕方というだけで、あらゆる音がどことなく情緒豊かに聞こえる。

ノンアルビールを持ってベランダへ、縁に腰を下ろしふと空を見上げる。2階のベランダから見える空は広いとは言えない。

太陽は落ちても空はまだ明るく、日中の青さが残る。しかし「青い」とも言えない。とはいえまっくらでも、グレーでもない。

"ブルーグレー"

そんな言葉が浮かんだ。なんだかおしゃれだ。青でもなくグレーでもない曖昧な色。青い空がまっくらな空へと姿を変える、ほんのわずかな時間にしか見られない色なのだろう。


ブルーグレーの空に月が浮かぶ。
まるに近い上弦の月。あと3日で満月らしい。

月が自ら発光してないというのは本当だろうか。艶やかな光をまとい、周囲の空へ放っているように見える。月はブルーグレーの空が身に付けたアクセサリーのように、その空をおしゃれに、魅力的に見えさせた。

ふと時刻を見ると18時半。今日の日没は何時だろうと調べてみると「18時26分」と出た。


ちょうど日没時刻の、色っぽい空との出会い。



こちらに参加させていただきました。

Emikoさんはじめまして。参加させていただきありがとうございます。

「描写」って私の中ではすごく課題で、上手な人の描写を読んではああすごいなぁとへこみ。。ただ書かないと上手にはならないと思うので、これをきっかけに描写にチャレンジしてみました。

あまり難しく構えず、目の前にあること(もの)を素直にありのまま「言葉」で表現していけばいいのかなぁ…と思います。

Emikoさんがこう書いてくださっていたので、気張りすぎず、構えず書くことができました。上手に書こうとするよりも、目の前にあること(もの)に心を向けて、どう思うんだろう?何を感じるんだろう?というところが、一番大切ですね。

ありがとうございました。




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