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117 企業が帳票を保存する意図について

こんにちは!友季子です。
今回は趣味で帳票データの保存を企業がする理由についてまとめてみました。

帳票データを保存する目的

帳票データを保存する目的について、いくつかの観点から考えられる案を以下にまとめます。


1. ビジネスインテリジェンス (BI) データ分析の観点

  • 経営分析のためのデータ蓄積
    帳票データを長期的に蓄積することで、売上推移、費用分析、利益構造の把握、部門ごとの業績比較といった経営指標を時系列で分析できるようにする。

  • データドリブンな意思決定の促進
    帳票データをBIツールで可視化・分析することで、経営層がデータに基づいて迅速かつ効果的な意思決定を行えるようになる。

  • 異常検知や予測分析の基盤
    帳票データをAIや機械学習モデルに活用することで、将来の売上予測やコスト削減のための異常検知が可能となる。

2. 電子帳簿保存法の観点

  • 法令遵守のためのデータ管理
    日本では「電子帳簿保存法」に基づき、一定の基準を満たした形で帳票データを保存することが求められています。帳票データを電子的に保存することで、監査対応や税務調査において必要なデータを即時に提供することが可能となります。

  • 保存コストの削減
    紙での保存が必要なくなり、電子データとして一元管理することで、保存スペースや管理の手間、コストを削減できる。

  • データの検索性とアクセスの効率化
    電子帳簿保存法に対応したデータベースを構築することで、必要な帳票や関連情報を迅速に検索・参照できるようにし、業務の効率化を図る。

3. 内部統制とリスク管理の観点

  • 業務プロセスの透明化とトレーサビリティ
    帳票データを保存することで、取引プロセスの透明性が向上し、不正やエラーの検知、内部監査の際の確認が容易になる。

  • リスク分析・管理の強化
    帳票データを分析することで、取引先の信用リスクや業務上のリスクを定量的に評価し、適切な管理が行えるようにする。

  • 内部監査やコンプライアンス体制の強化
    保存された帳票データを用いて、内部監査や規定に準拠した運営状況の確認を効率的に実施できるようにする。

4. 顧客対応・サポート強化の観点

  • 取引履歴の迅速な参照
    帳票データを保存することで、過去の取引や契約内容の確認が容易になり、顧客からの問い合わせやサポート対応を迅速に行える。

  • 顧客との透明性の確保
    帳票データを正確に管理・保存することで、顧客との信頼関係を築き、ビジネスの透明性と信頼性を強化する。

5. 運用効率化とコスト削減の観点

  • ペーパーレス化と省力化
    帳票データを電子化して保存することで、紙の帳票管理にかかる時間やスペース、印刷コストを削減できる。

  • 一元管理によるアクセスの効率化
    データを電子的に一元管理することで、各部門や担当者がリアルタイムでデータにアクセスでき、効率的に業務を進めることが可能になる。

  • バックアップと災害対策
    電子保存により、データのバックアップや災害対策が容易になり、紙での管理よりもリスクを低減できる。

6. 顧客データの長期的な価値提供

  • 履歴データの活用による付加価値提供
    長期的な帳票データの保存を通じて、顧客の過去の取引データを活用し、関連商品やサービスの提案を行うなど、マーケティング戦略の一環として活用する。

  • 顧客満足度の向上
    顧客からの問い合わせに対し、過去データを即座に提供できることにより、迅速かつ的確な対応が可能となり、顧客満足度の向上を図る。

保存方法

1.クラウドストレージを利用した保存

  • 概要
    クラウドベースのストレージサービス(例:Amazon S3、Google Drive、Microsoft OneDriveなど)を活用して帳票を保存する方法。

  • メリット

    • インターネット環境があればどこからでもアクセスでき、テレワーク環境でも共有が可能。

    • 自動バックアップや多重認証などのセキュリティ対策が備わっているサービスも多い。

  • デメリット

    • サービスの選定やデータ転送時のセキュリティに注意が必要。

    • ストレージ容量やデータ転送量に応じたコストが発生する可能性がある。

スクレイピングした帳票データの保存について、最適な方法を以下に整理します。スクレイピングはデータ量が多くなる可能性があるため、コスト管理やセキュリティ、データの可用性を考慮したクラウドベースのストレージ利用が適しています。

2.最適な保存方法とそのポイント

1. クラウドストレージ + オブジェクトストレージ(例:Amazon S3)

  • 概要
    スクレイピングしたデータは、主に非構造化データ(画像、PDF、HTMLなど)や構造化データ(CSV、JSON)であるため、Amazon S3のようなオブジェクトストレージが適している。

  • 特徴

    • 拡張性:データ量に応じて柔軟に容量を拡張できるため、スクレイピングで取得するデータが急増しても対応可能。

    • コスト効率:データ使用量に応じた課金体系のため、保存容量や頻繁なアクセスが少ない場合、コストを抑えられる。

    • アーカイブ機能:古いデータやアクセス頻度の低いデータはAmazon Glacierなどに移行することで、低コストで保存可能。

3. セキュリティ対策とアクセス管理

  • アクセス権限の制御
    クラウドストレージではアクセス制御が重要です。IAM(Identity and Access Management)ポリシーを活用し、社内のアクセス権限を細かく設定することで、必要な担当者だけがデータにアクセスできるようにする。

  • 暗号化
    データ転送時にはSSL/TLSを使用し、保存データにはサーバーサイド暗号化(SSE)を適用することで、外部からの不正アクセスリスクを軽減できる。

4.自動バックアップとリカバリ

  • バージョニング
    Amazon S3のバージョニング機能を活用し、ファイルが更新された場合にも過去のバージョンを保持することで、データの損失リスクを低減します。

  • レプリケーション
    必要に応じて、別リージョンへのレプリケーションを設定し、災害やサーバー障害に備えたデータのバックアップ体制を整えることも効果的です。

5.コスト管理

  • ストレージクラスの選択
    アクセス頻度に応じたストレージクラスを選ぶと、コストの最適化が可能です。

    • 標準ストレージ:頻繁にアクセスがある場合。

    • インテリジェントティアリング:アクセス頻度に応じて自動でストレージクラスを変更するため、コスト削減につながります。

    • アーカイブ(Amazon S3 Glacier):長期保存用に、アクセス頻度の低いデータを保存する際の低コストの選択肢です。

  • データ転送コストの管理
    データの取り出しや転送には追加費用がかかるため、アクセス頻度やデータの取得方法を予め計画し、コストを把握することが重要です。


6.その他の選択肢

データベースの併用

  • スクレイピングデータが構造化されている場合は、データベース(例:Amazon RDS、NoSQLのDynamoDBなど)での保存も検討できます。

  • これにより、データの検索や抽出が迅速に行え、データの活用や分析に役立ちます。

ログやメタデータ管理

  • スクレイピングの履歴やデータの取得元、データ取得日時といったメタデータ(付帯情報)を合わせて保存し、データの整理や追跡ができるようにすると良さそう。


7.調べたまとめ

  • スクレイピングした帳票をAmazon S3のような拡張性の高いクラウドストレージを中心に活用し、セキュリティ、コスト管理、アクセス管理を徹底するのも一つの手。

  • 必要に応じてアーカイブやデータベースを組み合わせることで、コストを抑えつつ効率的なデータ管理が可能だから。

  • スクレイピングデータは増減が激しいため、これらの柔軟な管理方法を組み合わせることが最適ではないかという結論に至りました。

Pythonでデータを扱う際の具体的な技術

1.CSV
pandas

CSVファイルの読み込み・書き込み、データ処理に強力なライブラリ

python<br>import pandas as pd
<br>df = pd.read_csv('example.csv')<br>

2.JSON

Python標準ライブラリで、JSONデータの読み書きに使用

python<br>import json<br>with open('example.json') as file:<br>data = json.load(file)<br>

3.PDF①

PyPDF2
PDFファイルのページ数、内容抽出、結合・分割などに利用

python<br>import PyPDF2<br>with open('example.pdf', 'rb') as file:<br>reader = PyPDF2.PdfFileReader(file)<br>

4.PDF②

pdfplumber
PDFからテキストや表の抽出を容易にするライブラリ

python<br>import pdfplumber<br>with pdfplumber.open('example.pdf') as pdf:<br>page = pdf.pages[0]<br>text = page.extract_text()<br>

5.PDF③


pypdf ※詳細調査中

おまけ

Pythonで非構造化データと構造化データを扱う際の具体的な技術について、データタイプごとに使用される主要なライブラリを表にしてみました。

以上です。
何かあなたのお役にも立てれば幸いです。

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