佐野恒平/さのこうへい

雪割納豆の製造・㈱ゆきんこ 代表取締役 雪割納豆について、山形・置賜地域を中心に納豆や発酵文化・食品について紹介します 番外編は魚についても書いていきます。 山形県米沢市出身、東北芸術工科大学芸術学部芸術学科(歴産)卒業。

佐野恒平/さのこうへい

雪割納豆の製造・㈱ゆきんこ 代表取締役 雪割納豆について、山形・置賜地域を中心に納豆や発酵文化・食品について紹介します 番外編は魚についても書いていきます。 山形県米沢市出身、東北芸術工科大学芸術学部芸術学科(歴産)卒業。

最近の記事

魚のあれこれ②第1回米沢魚市場開放デー!沢山の来場ありがとうございました。正直びっくりするお客さん!

本日は2回目の魚のあれこれ、約半年ぶりの投稿になる。令和6年10月5日(土)に第1回米沢魚市場開放デーを開催した。以前は米沢卸売団地祭として開催していたものだ。新型コロナウイルス感染症でイベントを中止にして、5年ぶりの開催となった。中止以前は、令和元年の9月末に第17回米沢卸売団地祭として長きに渡り米沢卸売団地として年に1回開催してきた。コロナ禍を挟み、卸売団地全体として開催が難しくなり、米沢魚市場(3社)とお隣の米沢青果市場(1社)の協力の元、午前10時から12時までの2時

    • 雪割納豆のあれこれ㉙大豆

      本日は、雪割納豆の主原料、大豆のお話。ゆきんこの所在する米沢も、9月下旬に入り、周辺の田んぼでは稲刈りが始まっている。朝晩と気温が下がり、過ごしやす時期になってきた。つい先日までの猛暑はどこへ行ったのか、朝晩は長袖が必要なるほど肌寒い。本格的な収穫の秋を迎えようとしている。お米の収穫がひと段落すれば、大豆の収穫も始まる。お米も大豆も1年に1回の大切な収穫の時期となる。この時ばかりは、雨がいらないと言ってよいのかもしれない。秋晴れが続くことを期待したい。 雪割納豆の大豆は、国産

      • 雪割納豆のあれこれ㉘お米のお話

        本日は雪割納豆の大切な原料の1つ、お米について。世間では令和の米騒動となり、品薄のニュースが飛び交っている。昨年の猛暑によるお米(1等米)の不作や、南海トラフト地震注意報による買い込み、インバウンド需要などなど一時的にお米が不足する状況が見られる。ここ米沢でもスーパーの売場などでも品薄感もみられる。そろそろ稲刈りが始まりそうなので、徐々に新米の流通が始まり、通常に戻っていくだろう。私の心配ごととしては、短期的な米不足よりも、農家さんの高齢化と後継者不足などの担い手の減少の方が

        • 雪割納豆のあれこれ㉗雪割納豆の風景・第1話

          雪割納豆,いや五斗納豆の過去にどのような風景があったのだろうか。 そんなことを想像しながら今日は書いてみたい。 「また明日、じゃあねぇ」 「ただいまぁ」 「おかえり。明日から稲かりだから、学校やすんでいいからな」 「・・・ぅん」 今年も、この季節がやってきた。明日から田んぼだ、、、 ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ 「だいたい片付いたから、来週から学校いっていいぞ」 「ぅん」 ・・・・ 「おはよう、ゆきくん、稲刈り終わったんだねぇ」 「おはよう、ゆきちゃ

          雪割納豆のあれこれ㉖バリエーションルート、西栗子山。

          本日は8月16日(金)、今年も猛暑が続いている。お盆を過ぎると、暑さが和らぎ、朝晩の気温の寒暖差が感じられる季節になるものの、近年はそのような事も言えない状況が続いている。今年はどうなるのであろうか。この季節、雪割納豆の原料である、お米と大豆の収穫が気になってくるのも事実、ちまたでは米不足が聞こえているが、置賜盆地の安定的な収穫を願うばかりである。8月14日、お盆休みを利用して、米沢(山形)と福島の県境にあたる、西栗子山周辺の山々を登ってきた(趣味)。山形百名山に数えられる山

          雪割納豆のあれこれ㉖バリエーションルート、西栗子山。

          雪割納豆のあれこれ㉕現代の納豆文化誌・福井編

          本日は、スーパーの売場から現代の納豆文化を考察する。昨日の週末、妻の実家である福井県越前市(旧武生市)にいっていた。北陸新幹線の敦賀開通に伴い、越前たけふ駅も新幹線の新しい駅として開業し、初めて降り立った。所定の時間まで少し時間があり、福井の納豆見学の為、近くのスーパーによってみた。雪割納豆のあれこれ㉓で前述した通り、スーパーの売場は、その土地の納豆文化を伺い知る事ができる貴重な場だ。事前情報として、福井県の納豆製造メーカーは1社(間違っていたらごめんなさい、山形県は少なくな

          雪割納豆のあれこれ㉕現代の納豆文化誌・福井編

          雪割納豆のあれこれ㉔ごと納豆の起源!を探る、大きな謎⁈

          本日のお話は、「ごと納豆」の起源について。雪割納豆の歴史・文化を語るうえで、最大の謎になる。これまで「雪割納豆のあれこれ」でお話したとおり、雪割納豆は、ごと納豆を商品化したことは周知のとおりだ。私自身、引き継いで10年、ごと納豆や雪割納豆について様々な資料を収集し、調べてきた。郷土資料や地元の大学資料など、少なからず様々な立場の方が雪割納豆やごと納豆についての記録している。ただ1つ言えることは、歴史的な資料(文献や古文書)にはごと納豆の文字は見当たらない。昭和40年以降の納豆

          雪割納豆のあれこれ㉔ごと納豆の起源!を探る、大きな謎⁈

          雪割納豆のあれこれ㉓塩こうじ納豆!雪割納豆の仲間たち!

          本日は塩こうじ納豆のお話。スーパーマーケットの納豆売場を思い浮かべていただきたい。納豆売場には、ナショナルブランド(タカノフーズさん【おかめ納豆】・ミツカンさん【金のつぶ・くめ納豆】・あずま食品さん)など、いわゆる大手メーカーさんが、そして地域の大手メーカーさん(東北地方の場合、ヤマダフーズさんなど)、そして地場の納豆製造者さんの商品が、陳列されている。スーパーマーケットの納豆売場は、納豆業界のシェアや現在のトレンドを読み取るに最適なのだ。また、その地場の納豆屋さんも必ず品揃

          雪割納豆のあれこれ㉓塩こうじ納豆!雪割納豆の仲間たち!

          雪割納豆のあれこれ㉒お米と米糀のお話!地域の仲間と共に!

          6月も終盤、6月にしては暑い日が続いています。田んぼの稲も少しづつ成長し、空の青・田んぼの緑と初夏の風景を感じる置賜盆地です。梅雨入りが遅いので、雨が降らず、田畑は喉が渇いているように感じます。そろそろ恵の雨を期待したいです(本日は降ってます!)。本日は雪割納豆の原料のお米と米糀についてお話いたします。反復ですが、雪割納豆の原料は、大豆・お米(米糀)・塩・納豆菌がです。主原料は大豆とお米。そのお米と糀のお話になります。 雪割納豆は自社でひきわり納豆をこしらえ、その後、米糀を混

          雪割納豆のあれこれ㉒お米と米糀のお話!地域の仲間と共に!

          雪割納豆のあれこれ㉑ゆきんこの設立と雪割納豆の継承!

          2014年4月、株式会社ゆきんこを設立した。今年で11年目になる。ゆきんこの設立の第1の目的は雪割納豆の継承になる。当初、株式会社ゆきんこにしようか、雪割納豆株式会社にしようか、多少考えたが、ゆきんこに決めた。 ゆきんこの信念  ①「雪国の食文化と子供たちの未来のために」 地域の伝統発酵食品である「雪割納豆」の製造をスタートに、雪国地域の伝統食文化の継承と子供たちの豊かな食文化を育むために活動する ②「old is new」=「考古造新」 古きを考え、新しきを造る。地域の歴

          雪割納豆のあれこれ㉑ゆきんこの設立と雪割納豆の継承!

          雪割納豆のあれこれ⑳まるよねさんの功績。手前ごと納豆から専門化に!

          書き始めて3ヵ月、今回で節目の20話目となる。本日は、雪割納豆の誕生の立役者、そして前製造会社・まるよね食品工業さんの功績についてお話をしたい。(誕生秘話については雪割納豆のあれこれ③をお読みいただきたい) なんと言っても、1番の功績は「ごと納豆」を「雪割納豆」して商品化をしたことになる。それまで雪割納豆の元となる「ごと納豆」は各農家や家庭で、必要な分を、必要な時に、作れる分だけ、と言う事になる。地域の食文化として、昔から食べられている物、各々の「ごと納豆」が存在した訳だ。言

          雪割納豆のあれこれ⑳まるよねさんの功績。手前ごと納豆から専門化に!

          雪割納豆のあれこれ⑲納豆汁(雪割納豆入り)最高の肉汁!

          本日は納豆汁について。納豆汁と言えば、東北地方の郷土料理、特に秋田県や山形県の内陸部の食べ物という印象をお持ち方が多いのでは。また、季節的には冬のイメージが。11月から2月いっぱい、地元山形では、量販店や小売店で季節的に品揃えされる。そして温かくなる3月ぐらいから売場から姿を消していく。また、俳句では納豆汁は冬の季語として使われる。やはり、寒さの厳しい、東北そして冬のイメージです! 納豆汁は、納豆のとろみで冷めにくく、寒い冬に体を温める汁物として各家庭でつくり、食べられてきま

          雪割納豆のあれこれ⑲納豆汁(雪割納豆入り)最高の肉汁!

          雪割納豆のあれこれ⑱山形県納豆組合に初参加!

          先日、5月25日(土)に最上町瀬見温泉にて、第73期・山形県納豆組合・通常総会が開催された。ゆきんこ設立、11年目で初参加となった。言い換えれば、これまで組合には所属していないという事である。現理事長の高畠納豆の加藤社長にお願いをして参加の運びとなった。そして、この度の総会で組合員のみなさんの承認を頂き、晴れて山形県納豆組合の会員になったのである。山形県納豆組合の設立は昭和28年(1953年)、設立当初の加盟数は存じないが、「納豆沿革史」の発刊された昭和50年の組合企業数は3

          雪割納豆のあれこれ⑱山形県納豆組合に初参加!

          雪割納豆のあれこれ⑰納豆の消費量は典型的な東高西低!いったいなぜ?

          総務省の家計調査から、都道府県別納豆消費ランキング(県庁所在地と政令指定都市)が毎年発表されている。福島市や盛岡市・水戸市などが1位を争っている。この調査で注目したいことは、北海道・東北・関東と全国的に見て、典型的な東高西低型で、北日本が圧倒的に高いことである。昔から、関西人や西の人は納豆が嫌いと言われることがあるが、嫌いの一言で終わるようなお話では勿体ない(笑)。長い長い歴史と文化が大きく食文化に関係していると考えたい。そこで、本日はいったいなぜ東高西低なのかある1つ資料か

          雪割納豆のあれこれ⑰納豆の消費量は典型的な東高西低!いったいなぜ?

          雪割納豆のあれこれ⑯お客様から聞かれる2つの質問!

          本日は2つの質問について。1つ目は、「雪割納豆は常温で配送できますか?」お答えとしては、「商品特性上お勧め致しません。また弊社としては常温発送はお断りしております」。心情的には出来ます(笑)。では詳しくご説明いたします。第15話でお話した通り、雪割納豆は発酵を止めておりません。納豆菌と麹菌は発酵し続けています。ただ雪割納豆は3つの方法で微生物の活動を抑制しています。1つは塩による塩分濃度、2つ目は完成した納豆を袋(ビニール)に詰めて、真空包装を施し空気を無くす事、3つ目は、低

          雪割納豆のあれこれ⑯お客様から聞かれる2つの質問!

          雪割納豆のあれこれ⑮雪割納豆いつでも発酵中!

          雪割納豆は、いつでも発酵中!という事で、雪割納豆は発酵し続けています。言い方を変えれば、発酵を止めていないという事です。スーパーマーケットの売場を思い浮かべてください。納豆は冷蔵ケース、お味噌は常温棚、お醤油は常温棚、同じ発酵食品でも温度帯の扱いが違っています(全部ではありません、ほとんど。お味噌もお醤油も冷蔵商品はもちろんあります。お醤油はなかなか見ないけど)なぜ温度帯に違いがあるのか、1番の要因は発酵を止めているか、止めていないか。2番目は塩分濃度になります。納豆は発酵し

          雪割納豆のあれこれ⑮雪割納豆いつでも発酵中!