蠍座アンタレスと草薙の太刀
とにかく蠍座が何かしら歴史の鍵を握っている気がして仕方ない。
万(萬)は、マン、よろず、さそり と読まれる。
数字の意味として用いられるが、もともと虫の象形である。
よろずは46津、白津で月の軌道である白道の港
つまり月の昇降点を指していると思われる。
この昇降点は昇交点をドラゴンヘッド、降交点をドラゴンテイルと呼び、古代から特別視され天体として扱われる事もあった。転生の思想とも関わる。
万は10000であるが、9進法で表現されていると仮定すれば9の4乗つまり6561。
この数字は、月の昇降点が一周する18.6年に合致する。
昇交点では日食、降交点では月食が生ずる。
日食月食には誕生日があり、約60サイクルの食を起こし約1400年の寿命を迎えた後、新たな日食月食として誕生する。
おそらく転生の思想の源だろう。
では、その万に、「さそり」を結びつけた理由は何であったか?
日食月食は月と太陽の引力に影響を与え、地震発生を引き起こす可能性を否定できないといわれている。
蠍座にまつわる神話に、地震との関連を発見した。
ポリネシアの「マウイの釣り針」
マウイは女神から火を盗み、人間に火を用いる方法を教えた英雄。
そのマウイが釣り針で島を釣り上げ、
その時島が激しく暴れたため、それを鎮めようとマウイの兄弟が島を散々切りつけたため、さらに暴れて兄弟の舟を破壊した為、兄弟は死んだ。
マウイは網で島を縛っておとなしくさせた。
この島がニュージーランドの北島だそうだ。
切りつけられた傷跡が山や谷となり、
釣り針は跳ねて星の間に引っかかり蠍座の尾となった。
この島釣り神話は古事記の海幸彦山幸彦との関連を指摘されている。
古事記では塩満珠塩乾珠が登場し、満潮干潮の話だろうから、月の月相とも絡んでもいる
ニュージーランドが太平洋プレートの影響で地震の多発地帯であることも、東日本大地震の数週間前に地震が発生していたことも無関係ではない事のような気がする。
熱田神宮に草薙の太刀が祀られている。
古事記の倭建と美夜受比売。
美夜受比売は月と深く関わっているが、特に月経、月の障りのエピソードを入れ込む所に、月の蝕を表現しているのではないだろうか。月食の際、月は赤くなる。
また、倭建のたどるルートは中央構造線上。
これは食により生ずる地震の発生、その地鎮が目的ではなかったか。
それを鎮めるものが、倭建が美夜受比売に渡す草薙の太刀。
だが、草薙の太刀とは何であろう?
おそらく蠍座アンタレス。
根拠は、神農の赭鞭(しゃべん)ー赤い鞭にある。
中国神話に登場する神農。人々の生活を豊かにするが、医学の祖とも言われ、赭鞭で草を薙ぎ払い様々な薬草を見分けたそうだ。
私はこれを、有効な星(空の草)をアンタレスを基準にして見分けたと解釈した。
アンタレスはベガが北極星だった14000年前には夏至点近くにあり、冬を代表する星であった。
また今よりずっと空高く昇っていた。
アンタレスはアンチタレスー火星に対抗するものという名の通り、その赤々とした輝きは、「火」を象徴するものとして認識されてきた。
蠍座に春分点があったころは、秋を代表する星として実りの象徴となった。
火と豊かさを治めるものとして蠍座アンタレスはあった。
そのアンタレスをトーテムとする一族。
火を操る事に長けた一族。
ヤマタノオロチの尻尾から出てきた草薙の太刀。
製鉄よりもっともっと古い時代から、火を治めてきた。
蠍の尾の返し針はおそらく何かしらの天体の軌道を表現している。跳ね返って空に昇る所を見ると、水星か金星だと推測している。
天体観測に通じ、そうして地震を予知し、荒ぶる神を鎮め、人々に火の恵みを与えてきた一族がいたのだろう。
それが万に込められた意味ではないだろうか。
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