ギリシャ神話の秘密ー生命誕生の書

ギリシャ神話は、生体の構造や機能の話として読む事ができる。

最高神ゼウスの浮気も、妻ヘーラの嫉妬も、全て生体の様々な話に置き換えて読めば、納得ができる。

まず、神々の誕生は、生命の誕生を意味する。

混沌カオスは、未分化な細胞の塊。

カオスから生まれるのが、

愛と欲望エロース
奈落タルタロス
大地ガイア
暗黒エレポス
夜ニュクス

エロースの本質は、鉄。細胞の分化作用に影響する。

鉄は、酸素の運搬に必須な成分であるが、文明の発達を牽引した物資でもある。
まさに、人類の愛と欲望の象徴であろう。

ガイアは単身で

天ウラノス
海ポントス
山ウーレアー

を生む。

大地ガイアは、外側の細胞層

奈落タルタロスは、陥没した原腸

つまりガイアは外胚葉にあたる。

エレポスとニュクスは環境因子と推測される。    光が無い場所でこの分化が行われる。

外胚葉と原腸の作用から、外胚葉ー神経胚が形成。

神経胚ー天ウラノス
中胚葉ー海ポントス
内胚葉ー山ウーレアー

神経胚はさらに特定の細胞を作り出す。

神経管細胞は、中枢神経系
神経堤細胞は、末梢および腸神経系。

母ガイアと子のウラノスやポントスが結ばれるのは
ここに理由がある。

外胚葉と神経管細胞や神経堤細胞は作用しあって
各種器官を形成していくからである。

天ウラノスは、外胚葉由来の中枢神経、末梢神経、腸神経系
海ポントスは、外胚葉と中胚葉由来の様々な組織

ガイアとウラノスから生まれるのは
大地農耕クロノス
大地レアー
掟テミス
記憶ムネーモシュネー
天極コイオス
光明ポイペー
クレイオス
光明太陽ヒューペリオーン
海水テイアー
大洋神オーケアノス
テーテュス
イーアペトス

外胚葉からできる全ての器官は、隣接する二つの組織の層(上皮と間葉)からできる。

ゆえに、大地豊穣クロノス(間葉)、大地レアー(上皮)は兄弟婚する。

クロノスとレアーは兄弟婚により
最高神ゼウス、
冥府神ハーデース、
海神ポセイドン、
炉の女神ヘスティア
大地豊穣神デメーテール
ヘーラ
を生む。

もうわかると思うが、神経系の機能、器官形成である。

最高神ゼウスは、間脳
冥府神ハーデースは、左脳
海神ポセイドンは、末梢神経系
炉の女神ヘスティアは、体温維持
大地神デメーテールは、腸神経系
ヘーラは松果体

ゼウスとヘーラから腺下垂体前葉がでて
出産と産婦の女神エイレイテュイアー乳腺刺激ホルモン
鍛治神ヘーパイストスー成長ホルモン
軍神アレースー副腎皮質刺激ホルモン
青春の女神ヘーベーは中葉からでるメラトニン
が生まれる。

実は下垂体前葉からは性腺刺激ホルモンもでているが、この2人からは生まれない。
なぜか。

ヘーパイストスが愛と美の女神アフロディーテと結びつくことに理由がある。
前葉からでる性腺刺激ホルモン。
女性ホルモンであるエストロゲン、プロゲステロン
男性ホルモンであるテストステロン
の分泌に関与する。

これらは二次性徴を促すホルモン。

アフロディーテの出自は、

ウラノスの男性器にまとわりついた泡から生まれ、

その美しさでゼウスの養女となる。養女です!

つまり、性腺刺激ホルモンが下垂体前葉のメンバーに加わるのは成長ホルモンにより成長した思春期。

二次性徴と密接に関与する。

また、アフロディーテは、軍神アレースと不倫関係にあるが、これはステロイドに由来するホルモンであるためであろう。

個人的にもっとも興味深いのが、デメーテールである。デメーテールは娘のペルセポネーを冥府神ハーデースにさらわれる。
デメーテールは腸神経系にあたり、ゼウスとの間にペルセポネーを生む。ペルセポネーと言う名前は冥府の名前で地上での名前はコレー。

ペルセポネーが象徴するのが、感覚、右脳。

コレーが象徴するのは知覚、色素(光の感知)だから。
どちらも感じることを象徴している。

ハーデースは冥府の王、理性、意識領域を司る。
判断する場所であり、記憶の取捨選択を仕事にしている。故にペルセポネーと対になる。

腸はまことに不思議な器官である。

腸内細菌達は、人間の感情を左右する神経伝達物質を作り出す。腸は第二の脳とも言われる。故にゼウスとデメーテールは結びつく。

デメーテールは海神ポセイドンとの間に、馬アレイオーンをもうける。

ギリシャ神話において
馬は
運搬手段ー主にアミノ酸を象徴する。

アレイオーンは、アミノ酸由来の神経伝達物質。

腸から吸収されたタンパク質ーアミノ酸により生成される。

※羊は柔毛で吸収機能にあたる。

ちなみに半人半馬のケイローンは、
クロノスの息子で、アポロン、アルテミスらに医学、武術、狩猟などを教える。

ケイローンは不死身であったが、不死身の能力をプロメテウスに譲って死を選ぶ。
後述するが、プロメテウスは、

プロテインータンパク質を指す。

人類が体内でエネルギー源とする成分。

アミノ酸の中で、グルタミン酸はアンモニア代謝に関与するが、アミノ酸代謝により生じたアンモニアは肝臓で解毒される。
つまり、肝臓に囚われていたプロメテウスの代謝の役割をケイローン(グルタミン酸)が代わってあげた。

グルタミン酸には神経伝達物質としての役割があり、記憶を司るアポロン、情報キャッチする機能が狩猟と表現されている。

体内で合成可能なため、半人半馬とされるのだろう。

様々な機能が関連しあっているため、相関図は複雑である。

だがこれまでギリシャ神話の意味不明だと感じていた部分がすっきり読めるだけでなく、
まだ明らかにされていない人体の秘密すらも読みとけるだろう。

次回、天を支えるアトラスの秘密に迫ります。

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