ギリシャ神話 アポロンと免疫

ギリシャ神話に登場するアポロン。
交感神経や記憶との関連性については既に述べた。

アポロンは羊飼いの守護神、医術の神ともされる。
この理由は、アポロンのもつ記憶が、免疫記憶とも関係するためである。

ギリシャ神話において、羊は消化するものを象徴している。つまり腸との結びつきが非常に強い。

免疫記憶。

免疫は、一度感染した病原体に再度感染した時に、初回よりも迅速に病原体を攻撃する「免疫記憶」という機能を持ってる。

病原体などの異物を攻撃するために活躍した、感染の記憶がある細胞の一部が「記憶細胞」として生き続け、同じ異物が再び侵入した際に迅速に反応する。

一度かかった感染症には二度かからない、または、感染症にかかっても軽い症状で済むのは、免疫記憶の機能があるから。

さらに免疫寛容と呼ばれるシステムがある。

免疫系は自己のMHC分子に抗原提示された自己の抗原ペプチドを認識しないようになっており、これを自己寛容という。

ところが免疫寛容が破綻して自己抗原に対して免疫反応を示すことが原因となる疾病があり、これが自己免疫疾患である。

全ての抗原に対する免疫反応の欠如あるいは抑制状態は免疫不全と呼ばれ、免疫寛容とは異なる病的状態である。

この話が、息子アスクレーピオスの母である妻コローニスを殺す話となっている。


アポロンは伝令鳥の鴉の嘘を信じ、妻を殺したが、後悔して胎内にいた息子アスクレーピオスを取り出し、ケイローンに預けた。

間違った認識によって免疫反応ー抗原抗体反応が起こる。

母コロニーは自己抗原、アスクレーピオスは抗体ー免疫グロブリンにあたる。

故に、アスクレーピオスは医術に長けたケイローンに託された。

アスクレーピオス

優れた医術の技で死者すら蘇らせ、後に神の座についた。医神として医学の象徴的存在となっている。

死者をも蘇らせたアスクレーピオスは、冥府王ハーデースが、生老病死の秩序を乱すとゼウスに訴えたため、殺された。死後は功績を評価して、へびつかい座になった。

さて、免疫グロブリンの話が少しズレたのには理由がある。

アポロンは記憶に関係するが

記憶は、必要な記憶、不必要な記憶と整理されている。

冥府は、不必要とされた記憶の貯蔵場所      

ハーデースは、記憶の取捨選択を行う領域。消したくなるような記憶ートラウマ。

自らを守るために、傷ついた記憶を消そうとします。脳波のθ波は、ニューロン間の結び付きを弱め、記憶に残らないようにします。失敗体験です。しかし、意識の奥に閉じ込められただけで、記憶には残っている。

この不快な記憶、自らを守る為に忘れさられた記憶が、死者と表現されている。アスクレーピオスがしたのは、「トラウマ(心的外傷)」を目覚めさせること。

このトラウマの表出のメカニズムにアスクレーピオスが関与するとはどういうことか。

ケイローンと深く関わる。ケイローンは不死身であったが、ヘラクレスの放った毒矢で膝を射られ、苦痛から不死身をプロメテウスに譲り、死んだ。ケイローンとは何を象徴するのか。

非必須アミノ酸

アミノ酸はタンパク質を合成するものです。またアミノ酸は神経伝達物質にもなる。ケイローンは20種類のアミノ酸の内、体内で合成できる非必須アミノ酸に相当。不死身とは体内で合成できる能力を指す。

アミノ酸は体内で様々な働きをします。アミノ酸が様々なタンパク質を合成します。酵素タンパク質、調節タンパク質、防御タンパク質など。身体の機能を調整します。故に医術に関わる。

さて、ケイローンが非必須アミノ酸とします。アスクレーピオスは「グルタミン酸」です。

グルタミン酸は昆布やチーズ、緑茶に大量に含まれるアミノ酸の一種です。神経伝達物質の一つでもあり、記憶・学習など脳高次機能に重要な役割がある。

情報の処理に関係する。思い出したくない記憶を思さないように脳は様々な機能を持った。意識(ハーデース)がその情報の取捨選択を行う。その機能を超えたのがフラッシュバックなどの無意識領域とのチャンネル。まだ未解明の領域ですが、グルタミン酸が大きく関与しているのではないか。                  無意識の領域解明に繋がる話しで、解明されていないので、推測です。

蛇遣い座になったアスクレーピオス。蛇遣い座にはケベルライ(羊飼いの心臓)と呼ばれる黄色い星があります。

羊飼いは、古代からある職業で、羊の遊牧をしながら山間部を移動します。羊の乳はチーズになる。グルタミン酸です。

アスクレーピオスの死に猛抗議したアポロンは罰せられ、羊飼いとして家畜の世話をさせられたという。

山岳地帯を移動する羊飼いは、強靭な心臓が必要なため、交感神経の力は大いに必要とされたでしょう。

そんなオチまでついたアポロンのお話でした。




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