フィヨルドとサーモンとサウナの旅5〜雨のソグネフィヨルド、フロム鉄道の車窓〜
6月19日。ベルゲンの街からフェリーと鉄道でソグネフィヨルドをまわる。
朝、ベルゲンの港からフェリーに乗り込む。あいにくの雨。かなり降っているが、変わりやすい天気なので晴れることを祈りつつ出発。二階建ての大きめのフェリー。中は暖かい。
平日だが観光客で7割ほど埋まっていた。海から広い河へ入り、雄大なフィヨルドのなかを進む。あまりにも大きな河なので、海を進んでいるような気分だった。
そこそこ雨が降っていて霞むなか、山々から白い滝があちこちに落ちている風景がつづく。
たまに二階のテラスに出て、風景を眺め、晴れてたらもっとすごいんだろうな、と思ったが、年間300日曜以上雨が降るというノルウェーなので仕方ない。
途中、大きめの滝の前では少し停まったりしながら、5時間かけてフロムへ。
白い線に見えるのがすべて滝。緑の山々の間から白い滝があちこちに流れていて美しい。線のように見えるけれど、ひとつひとつが数百〜1000メートル級の山から落ちる滝。スケールがすごかった。
フェリーは、いくつかの小さな町(とも呼べない、2.3軒のところの集落もある)に寄りながら進む。そのたびに、数人ずつ降りていく。
おそらくそこから山々へトレッキングに行くのだろう。こんな滝や池の多い大自然のトレッキング、羨ましいなと思った。
フロムの街に到着。ここでフェリーを降りて、フロム鉄道に乗り換える。
時間が1時間少しあったので、おみやげやさんやパン屋、ミュージアムをふらついた。
パン屋(フロムベーカリー)は焼きたてのパンの匂いが充満していて、あたたかかった。美味しそうなパンがずらっと並んでいて、とても山の中のパン屋と思えない。
遅めのランチに、ハムとチーズのサンドイッチと、チョコレートがゴロゴロ入ったパンを購入。雨が降るのを見ながら食べた。ノルウェーのパンは、日本人の好みに合うと思う。もちもち感や塩気、合わせるチーズやハムの美味しさが日本と似ている気がする。どこのパンも美味しい。
チケットカウンターの近くには、フロム鉄道のオリジナルグッズのお店が。写真を撮っていないが、フロム鉄道のかわいいロゴと、山や川などフロムの景色をモチーフにしたセンスのよいイラストが使われたグッズが並んでいた。水が美味しいからか、透明の水筒のカラーバリエーションが豊富で店内はカラフル。フロムベーカリーのロゴやデザインを使った、キッチンクロスやカッティングボードなどもかわいかった。
フロム鉄道ミュージアムで昔のプレートや広告を見たりしているうちに、フロム鉄道が到着。
停車駅が描かれた車体デザイン。
木と赤いシートがかわいい、「世界の車窓から」に出てきそうな車内。続々と人が乗り込み、発車。発車の頃には雨がやんで、緑と白い滝が美しい風景が流れる。みんなのんびり車窓を楽しんでいた。
少しすると、ショースフォッセン(ショース滝)にて一時停車。10分ほど停車するので、滝の前に降りてダイナミックな滝をそばで眺める。
落差はそこまでではないが、水量がすごい。奥からこちらにゴウゴウと迫ってくるようで圧倒された。
さらに、滝の近くでパフォーマンスが行われたりする。上の写真、滝の右側に小さく写る赤いドレスの女性がそれ。滝もすごいが、急に爆音の音楽と女性が踊り始めて驚いた。
あとで調べて知ったけれど、民話につたえられている山の妖精フルドレを表現しているそう。(ゼルダに出てきそうな名前…)
滝を過ぎて、また山の間を進む。夏至に近いが、積雪している山も。雄大な景色が続く。
フロム鉄道終点のミュルダール駅へ到着。ここから、ベルゲン鉄道に乗り換える。
ベルゲン鉄道からも車窓を楽しみながら、ベルゲンへ向かう。自然や水が美しい風景が続いていた。
セレブ愛用で有名なノルウェーの天然水「VOSS」の名前の駅も通った。駅がかわいい。
ところで、ノルウェーに来てから家々を見ていて気がついたことだが、庭に黒い丸いなにかが置かれている家が多い。なんだろうと思っていたら、トランポリンだと気がついた。(ドバイのおもちゃ屋で売っていたトランポリンを思い出した)
子どもが2〜3人で遊べるくらいのサイズ。結構な割合で庭に置いてある家が見えて、車窓から見える街並みでも、トランポリン探しをしたりして過ごした。
たまに遊んでいる子どもも見えて、10度くらいの寒いなか、パンツ一丁で元気にはしゃぐ子たちがいたり面白い。
しばらくして夜7時頃にベルゲン駅に到着。赤いベルゲン鉄道にさよなら。ネオンサインがかわいい。
ベルゲン最後の夜なので、少し散策。広場では管弦楽団が演奏していた。グリーグの家がある音楽の街らしい光景なのかもしれない。途中、強めの雨がさっと降ったりしたが、雨がっぱを着て演奏していて、雨の国らしいなぁと思った。
ケーブルカーの駅へ。フロイエン山展望台へのチケットを買う。
フロイエン山は300mちょっとの山で、港近くからケーブルカーですぐ展望台に行ける。(もちろん徒歩でも登れる)山の斜面に多くの住宅があり、住民の足にもなっているようだ。
ケーブルカーが来るまでの間、斜面に建つ家々の迷路のような路地を少し散歩した。
ケーブルカーがきたのでフロイエン山展望台へ。
ベルゲンの街、港、島々が見渡せて気持ちがよい。夜9時で、少し日が傾いている。
行ったのは夜だったので、お土産やが営業しているくらいだったが、公園やバーベキュー場があったり、湖やトレッキングなど、色々楽しめるようだ。公園にはノルウェーの妖精、トロールが。ちょっとこわかった。
下山して夕飯へ。
ノルウェー最後の夜なので、まだなにか食べていないものを…といつことで、ブリッゲンにあるノルウェー料理の店にて、バカラオを食べた。
バカラオは、干しタラのトマト煮込み料理。塩気の強い干しタラと、酸味のあるトマト煮込みやオリーブが、ビールやワインとめちゃくちゃ合う。一緒に飲んだのはHansaという、ノルウェーでメジャーなビール。濃いめの料理によく合う。
ノルウェー最後の夜も美味しく満足し、ホテルへ。
明日はベルゲンをあとにして、フィンランドのヘルシンキへ向かう。