優秀なALT
しくじった!
授業途中で突然気がついた。
今日がこのALT(外国人の英語の先生)の今年度最後のうちでの勤務日じゃない?
“Is this your last day of this year?”
恐る恐る聞いたら、Yesだって。
うわぁ。しまったー。今朝、職員朝礼もあったのに、挨拶してもらい忘れた。
子どもたちにも伝えてない。何より私が忘れていたのが最低。
「でも来年も来るよね」と聞いたら「来年は違う市で勤務するよ」って。
6年生もショックだ。中学校で教えてもらえると思っていたのに。
ALTにも年限があるらしい。
あまりにもいい先生なので、教育委員会の指導主事の先生にも「絶対この先生は市として離しちゃダメ。市として雇って欲しい」と言ってたのに。ああ残念すぎる。
本当に優秀な先生だった。
一つ提案すると、それに対してプランをいつも複数提示してくれる。
子どもに提示する視覚資料もいつも楽しく分かりやすい。
気分にムラがなく、常に落ち着いていて優しく明るい。
私のざっくりしたアイデアを聞いて、穴があればさりげなく質問という形で補完し、深めてくれる。
日本語が話せて書けて読めるので、先生たちとも子どもたちともコミュニケーションに支障がない。英語で言って伝わっていないと感じたらすぐに言い換えができ、必要ならばどんどん日本語も使う。
「お手本動画を使って」と伝えると、何パターンか撮影して選ばせてくれる。
日本語が読めるので、子どものふりかえりにコメントを書いてくれる。(そんなALT、他に今までいなかった)
教えることに関して感度が高く、私が「ここで入ってきて欲しい」と思うところドンピシャで入ってくれる。
英語だけでなく、ほかの言語へのリスペクトもあるので、そのような話もよくしてくれた。
また、私と違うキャラだったのもとても良かった。
“I like sports. I like basketball.’ なんて言う私と反対に、「スポーツは苦手」と言う。英語の先生っていわゆる「陽キャ」っぽい人が多い気がするが、いい意味でそうではない感じを出していた。「運動苦手」「お絵描きしとくのが好き」みたいな、おとなしめの子たちも安心して「そうそう。ダンス難しいもんね」と言える雰囲気を出してくれた。
契約としてはなかった業務も「大丈夫、やるよ」「やってて楽しいよ」と快く引き受けてくれて、助かったことだらけ。
退勤前に職員室にいる先生たちの前で挨拶してもらった。「本当にありがとうございました」って言ってくれたけれど、それはこちらのセリフだよ。
今日彼が帰る前にかわいい紅茶セットとお手紙をそっと私に渡してくれた。私は、、、もちろん忘れていたので何も用意しておらず、恥ずかしい。
お手紙を読むと、誠実で優しい彼の言葉がぎっしり。
職員室で読んでいて涙が出て出てきたので、こりゃまずいと自分の教室に上がって読んだ。
無理ばかりお願いしていたのに、感謝の言葉がいっぱい。こちらこそだよ。
私もお手紙書こう。
そして、子どもたちにもお手紙書いてもらおう。
3月までは中学校にいるから、中学校に持って行こう。
うっかりものの私で、大事な最後の日を忘れてしまって申し訳ない。
でも、本当にありがとう。
あなたと働けて本当によかった。
ありがとう。