親が小さな不安に囚われると・・・><親の強制圧力が子どもをダメにする。
親の強制圧力が子どもをダメにしている、子どもの生きる力を奪っているというのは、何度もこの記事で取り上げてきていますが、なぜこうも親は管理したがるのでしょうか。
親自身もガミガミと強制圧力で管理なんてしたくないし、そんなのしちゃダメって分かっているのに、つい・・というのもよく聞きます。かくいう私自身もそう(^^;
それは、親を陥れる小さな不安がいっぱいあるからなのです。
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小さいときから十分な自由を与えられず、比較され、追い立てられ、評価され、「勉強しないと・・・」「歯を磨かないと・・・」「手を洗わないと・・・」と不安を煽られて育っている現代人は、そうでない状況の中で育っていた昔の人よりも色々なことに対する「不安」が強いような気がします。
そして、その不安は子どもに対しても向けられています。
子どもに対しても、「病気になったらどうしよう」「ケガをしたらどうしよう」「いじめられたらどうしよう」「落ちこぼれたらどうしよう」「友達が出来なかったらどうしよう」という不安を常に感じているお母さんも多いような気がします。
そのため、過剰に子どもの生活や行動に関与しようとします。
何か事故やトラブルが起きる前に、その可能性を排除しようとするのです。
「ケンカして、ケンカがひどくなってきたから止める」というのではなく、「ケンカの気配を察知しただけで子ども同士を切り離す」ということをしている人も多いです。
簡単に「ゴメンナサイ」と言わせるのも同じです。
ちょっとドロンコなどに触れただけで「病気になったらどうしよう」と不安を感じ、子どもに手洗いを強制するお母さんは多いです。
ケガをすることを恐れて、子どもにナイフや、ノコギリや、包丁どころか、ハサミすら使わせないお母さんもいます。
そのような状態で育っている子は幼稚園ぐらいになってもハサミの持ち方を知りません。使い方も知りません。使い方を教えても切れません。
昔の人が「○○とハサミは使いよう」と言ったように、ハサミの使い方は一見簡単に見えますが、実際には意外と難しいからです。
実際、私は簡単に切れるのに何遍やっても切れない小学生もいっぱいいます。買ったばかりのハサミなら切れるのですが、使い方のコツが分からないのでちょっと古くなると切れないのです。
で、すぐに苦手意識が生まれてしまい、「出来ないから先生やって」と持ってきます。
2,3才頃からハサミを使わせていると、何でもかんでも切って遊びます。カーテンや自分の髪の毛も切ってしまいます。この頃の子には苦手意識は生まれないので何にでもチャレンジしようとするのです。
また、使い方も分からないので危ない使い方をしたり、ハサミを持って走ったりもします。だからハサミを取り上げてしまうのでしょうが、こういう「道具の使い方」は「年齢が上がれば自然と分かるようになる」というものではありません。
十分な体験がないまま育てば、幼稚園に上がる年齢になっても、小学生になっても、大人になっても、ハサミが苦手なままになってしまうのです。
ナイフになるともっと危険性が増します。
最近は小学生でもカッターの使い方が分かりません。どっち側が刃なのかすら分からない子も多いです。
切り方も分からないので切れません。それで力ずくで押して切ろうとします。ちなみにカッターはおかしな方向に無理に力を入れれば突然折れます。
平気で、自分の手の方に向かって刃を動かそうとする子も多いです。
形を切り抜くような時には紙の方を動かせばいいのに、紙は動かさずに、無理矢理腕をひねって、無理な体勢で切ろうとします。
結果として非常に危険性が増します。
だから、周囲の大人は余計にカッターを使わせないようにします。
でも、子どもの周りから100%カッターを取り除くことは出来ません。
ちなみにうちの子は3才頃から自由にノコギリも、トンカチも、包丁も使っていました。ケガもしましたが、そーっと自分でバンドエイドを貼っていました。
身体活動に関して言うのなら、見て学び、やって学ぶ環境があれば、3才頃になれば大体のことは出来るようになるのです。
その「からだの使い方」の基本は幼児期に学ぶものなので、幼児期の子どもを「からだを使った遊びや活動」から遠ざけてしまうと、大きくなっても「からだを使った活動」に苦手意識を持つようになってしまう可能性が高いのです。
でもそれは、結果として、子どもの可能性を狭め、危険性を高めてしまうことにもつながってしまうのです。
子どもの周囲から危険なものを取り除き、ケガをしたり、トラブルに巻き込まれないように管理できるのは、子どもがお母さんと一緒にいたがる間だけです。
でも、子どもは成長と共に親の目の届かないところで遊ぶようになります。
その時、「ハサミは危ないから使わない」と、お母さんがいない場でもお母さんの言いつけを守ろうとする子もいます。そのような子はハサミが使えないまま大きくなっていくでしょう。
でも、禁止するお母さんがいないのでハサミにチャレンジする子もいます。その時、使い方を知らないのでケガをする可能性が高くなります。
体験学習を重視する立場としては「ケガをして良かったね」と思うのですが、でも、それもバンドエイドで済むようなケガの場合です。
取り返しのつかないようなケガはやっぱりまずいです。
でも、それまでハサミを使ったことがない子が、側に大人がいない状況で勝手にハサミを使えば大きなケガの可能性が高くなるのは避けられません。
お母さんの「小さなケガを恐れる不安」が、結果として、子どもの「大きなケガの可能性」を高めてしまうのです。
清潔に対する考え方でも同じです。
病気を恐れるあまり、過度に清潔にこだわった生活をさせていると、子どもの免疫力が育たなくなり、将来病気にかかりやすいからだになってしまうのです。
野山を走り回って遊べば当然ケガもします。でも、からだの使い方もうまくなり、いざという時の身の守り方も上手になります。
様々な身体活動に対する可能性も高くなります。
もう10年以上も前から指摘されていることですが、転んでも手が出ず、顔面や頭を直接地面に打ち付けて大けがをしてしまうというような「自分の身を自分で守れない子」が増えてきているのです。
山道のような凸凹道が歩けない子もいます。物理的には歩けるのですが、すぐに転んだり、疲れてしまうのです。
ひどい子になると、顔に向かってボールが飛んできても、目を閉じたり、顔を背けることが出来ずに、眼球をケガしたり、顔面でボールを受けてしまう子もいるようです。
小さな不安にとらわれ、子どもを安全、安心の中に閉じ込めていると、子どもがお母さんから離れて活動するようになるにつれ、子どもは大きな危険性にさらされることになってしまうのです。
でも、最近ではその不安にも耐えられず、子どもが小学生になっても、もっと大きくなっても、さらには大人になっても、子どもを管理、監視しようとするお母さんまで現れてきました。
そして、子どもを管理、監視するのに便利な機械もどんどん発明、発売されています。
(こちらより引用させていただきました。)
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いかがでしょうか。
子どもにとって良かれと思ってすることも、本当は自分の不安発なのでは?と今一度親は踏みとどまる必要があるんだと思います。
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