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【海外旅行記】ラマダン(断食月)中のテヘランの夜
イスラームの暦(ヒジュラ暦)において、日の出から日の入りまで断食をする特別な月・ラマダーン。
私がテヘランを訪れたのは、このラマダンの真ん中ごろであった。一人旅を心配したイラン人の友達紹介で、薬学部で学ぶ女の子・ザハラちゃんと会う予定になっていた。
彼女が断食中であることを考慮して、断食明けの食事・イフタールを一緒に食べようということになった。
待ち合わせ場所は、テヘラン北部のタジュリシュ。活気があって、ごちゃごちゃしていて、渋谷みたいな町だ。
指定されたレストランの前に現れたのは、黒いマント(チャドル)をかぶった、優しい笑顔の女の子。一目で、この子とはすぐに仲良くなれると確信した。
予約してくれていたレストランに入ると、ほぼ満席。きらびやかで、座っただけでワクワクしてしまう。誰もが、断食明けの一口を待ちわびている。
とは言っても、いきなり重たいものを食べるのは禁物。
まずは、温かいお茶とお水、軽食から食べ始める。
このくるくるとしたお菓子はジャレビ。インドでも有名。
お腹が落ち着いてきたところで、ザハラちゃんおススメの料理が次々と運ばれてくる。
ヤギの頭に衣をつけたもの~レモンを添えて~
バーガリーパラヴ(ソラマメご飯)、ナスの煮物
みんな大好きドーガ。一言で言うと、しょっぱい飲むヨーグルト。トルコでも有名で、あちらではアイランと呼ばれている。
お腹がいっぱいになったところで、ザハラちゃんの提案で、イマームザーデに行くことに。イマームザーデとはイスラム教シーア派の聖廟である。
宗教施設であるこの場所に入るためには、体のラインを完全に隠さなくてはならない。入り口で大きなシーツのような布を借りる。
こんな感じ。小学生のハロウィンみたいだ。(失礼。)
敷地内では、食べ物を持ち込み、レジャーシートを広げて、ピクニックしている家族も多い。ラマダン中のお決まりの光景だそうだ。
メインであるこの建物の入り口は、モスク同様男女に分かれている。ここに入る前は、アッラー(神)や預言者、イマームたちにに許可をとる必要がある。
許可の取り方は簡単。入り口に書かれているこの文章をブツブツ読むだけ。アラビア語で書かれているためなんとなく読める。
内部は撮影しなかったが、外部同様にキラキラした装飾が施された広い空間に、大きな絨毯がひかれている。そこでは女性たちが座っていておしゃべりをしたり、コーランを読んだり、礼拝をしたりと、思い思いの時間を過ごしている。子供たちはじっとしていられないので、そこら中を駆け巡っているが誰も気に留める様子はない。
ザハラちゃんが礼拝するというので、私はコーランをめくりながら時間を過ごした。
のんびりしすぎてしまい、気がついたら終電の五分前。慌てて別れを告げ、再会を誓い、電車に飛び乗った。(イランにいても、日本にいてもあまり変わらない私…)
この夜は、私にとって忘れがたい夜となった。