霜越 万樹子

作中の人物はすべて仮名です。 波乱万丈な旅の思い出に、自由気ままな脚色を加えたものになります。

霜越 万樹子

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【海外旅行記】ラマダン(断食月)中のテヘランの夜

イスラームの暦(ヒジュラ暦)において、日の出から日の入りまで断食をする特別な月・ラマダーン。 私がテヘランを訪れたのは、このラマダンの真ん中ごろであった。一人旅を心配したイラン人の友達紹介で、薬学部で学ぶ女の子・ザハラちゃんと会う予定になっていた。 彼女が断食中であることを考慮して、断食明けの食事・イフタールを一緒に食べようということになった。 待ち合わせ場所は、テヘラン北部のタジュリシュ。活気があって、ごちゃごちゃしていて、渋谷みたいな町だ。 指定されたレストランの

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      テヘランへ向かう深夜のバスの中で絶望していた。 財布とパスポートともに旅行中の三種の神器と呼ばれるケータイが、私の手の中で凍り付いたように動かなくなったのである。 その真っ暗な画面は、すっぴんで眼鏡の私の顔を映したまま何も言わない。光らない。鳴らない。 充電はされていたはず。全ての宿の予約はオンライン上で行ったし、航空券のチケットはEメールに添付されていたし、翻訳アプリも入れていたし、地図もダウンロードしてあったし、現地の友達や日本の家族とのやりとりにもケータイが必要な