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新卒プロダクトマネージャーという選択肢

ようこそ、数少ない新卒PdMという選択肢へ。

筆者は、PdM または Data Analystという職種で絞って就活をしていました。

日本での新卒PdMは新しくて前例が少なかったり、情報が少なくて就活でとても苦戦しました。

この記事は、これからPdMを目指したいという学生のために新卒PdM就活の情報を共有するために発信します。


1. PdM (Product Manager) とはどういう職種なのか 

Product Managerは機能を作る!とか既存の機能改善をする!と聞きますが、具体的にどのようことをするのでしょうか?

PdMは、「課題を整理する仕事」「プロダクトの改善をする仕事」とよく言われるのですが実際には何をするのでしょうか?

PM(Product Manager)って何やってるのか具体的な案件を見ながら説明してみる課題選定・ゴール設定

この記事によると、

課題選定とゴール設定 → 解決策検討 → 開発 → リリース&検証

というような仕事をすると書いてあります。

もうちょっと詳しく書くと、

プロダクトの理想と乖離している事象を課題として捉え、その課題の原因を仮定し、仮定した原因を元に解決策を提案します。

また、その上流工程だけではなく実際に開発をしてユーザーに届けFBをもらうまでが仕事になっていますね。

と筆者は解釈しています。

ちなみに、Project Managerとよく間違われるらしいのですが、

Product Managerは、このようにプロダクトの開発をする職種です。

Project Managerは、プロジェクトの進行管理などをする職種だそうです。


2. PdMになるにはどのような素質やスキルが求められるのか

まず、先ほどの仕事の一例を見てみると

a. 事象から課題を発見する

b. 課題の選定

c. 課題の原因を仮定する

d. 仮定した原因に対する解決策の検討

e. 開発

f. ユーザーに届ける

g. FBをもらう

という工程があるのがわかります。各工程でどのようなことをするのか、そのためにどのようなスキルが必要なのか見ていきましょう。


a, 事象から課題を発見する

事象から課題を発見するにはまず事象を把握しなければなりません。

事象は多きく分けて、定性的なものと定量的な物があります。

定性的な事象の把握は、ユーザーヒアリングやApp Storeのレビューをみることで把握できます。

なのでスキルとしては、ユーザーの声を聞くや拾うということが必要になると思います。

#ユーザー視点 #ユーザーの課題

定量的な事象の把握は、データなどを元に把握することができます。

なのでスキルとしては、データを加工してみる力データ分析力や比較する際に比較できるのかなどの統計学の基礎的な知識が必要だと思います。

#SQL #Python #統計基礎 #Spreadsheet #定量分析 #探索

次に、課題を発見するには把握した事象のゴールを設定できなければいけません。

このゴール設定には、経営的視点が役に立つのかと思います。プロダクトの各状態や指標がどうならるべきかというのは収益の視点から逆算されることが多いです。

メルカリの収益 = 成約回数 * 成約平均単価 * 手数料

成約平均単価 = 成約した出品物の値段の総和 * 成約した出品物の数

だと仮定して   

成約した出品物の値段の総和を2倍あげることによって、 成約平均単価が2倍になり、結果メルカリの収益が2倍になるというような見方をすると、各指標のゴール設定がしやすいのかなと思いました。

#経営視点 #収益からの逆算

最後に、把握した事象とその事象のゴールの乖離を課題とすることで、課題が発見できます。


b. 課題の選定

a.の手法に従うとたくさんの課題を発見できると思います。

しかし、その出てきた全ての課題を解決するのは労働時間という制約の中では困難です。なので、優先度の高い課題から解決するというアプローチが会社から求められます。

優先度が高い課題とは何なのか?

優先度があるということは、その事象の比較が可能な状態である。

比較が可能な状態とは、比較する軸が明確に定められている状態である。

とすると、軸を定めその軸に沿い課題を比較することで優先度の高い課題が見つかるということです。

例えば、優先度を「いくら収益に貢献できるか」という基準で各課題を比較すると

先ほどの

メルカリの収益 = 成約回数 * 成約平均単価 * 手数料

1000円 = 5回 * 2000円 * 10%

で成約回数5回というところについて見てみるとする。

まず、成約に至るまでの事象をここでさらに分解します。

メルカリを認知した人 (100人)

ダウンロードした人 (50人)

登録した人 (45人)

出品物の検索をした人 (40人)

出品物を選択した人 (35人)

購入画面までに至った人 (30人)

実際に購入した人(5人)

成約回数は、

メルカリを認知した人 * ダウンロード率 * ダウンロードした人の登録率 * 登録した人の検索率 * 検索した人の選択率 * 選択した人の購入画面遷移率 * 購入画面に遷移した人の購入率で構成されています。

この分解した各事象が改善された際に、どれだけ収益に貢献できるかとのを見ていくと「購入画面に遷移した人の購入率」がそのまま本来の30人になることで収益6倍の貢献ができることがわかります。

この計算で各フェーズを計算すると、「購入画面に遷移した人の購入率」の優先度が最も高いということが言えますね。

このように、一連のプロセスを分解し、定量分析やマーケティングなどのスキルを用いることで取り組む課題の優先度をつけることができます。

 他にも、いろんな優先度の付け方があると思いますが割愛させてください

#意思決定軸の作成 #ロジックツリー #ファネル分析 #セグメント分析 #収益換算


c. 課題の原因を仮定する

先ほど発見した「購入画面に遷移した人の購入率」が低い原因を発見する際にはどのようにするのでしょうか?

現場では、その場で開発者が話しあい原因を仮定することが多々見られます。

購入画面に行ったけど、購入しなかった理由は、

・お支払い機能の選択肢が少ない

・配送料を踏まえると、やっぱなしという判断になる

・返品できないという詳細が購入画面でできて、購入を諦める

など、たくさん原因を上げてユーザーにヒアリングして、ユーザーから帰ってきたFBを元に最終的な原因の仮定をします。

ただ、ちゃんとした因果関係の仮定は、その分野でちゃんと勉強しないと難しいです。IT web分野では、Ux researcherという職種の方がこの辺を担当しています。いない場合は、PdMの範囲になる。

なのでスキルとしては、因果関係の仮定やユーザーのインタビューなどが必要になってくると思います。

#因果関係の仮定 #ユーザーインタビュー #インタビュー設計


d. 仮定した原因に対する解決策の検討

「こういう機能を実装しましょう」という時は、仮定した原因を軸に解決策の検討をします。

例えば、ユーザーインタビューの結果、「購入画面に遷移した人の購入率」が低い原因がお支払い機能の選択肢が少ないからだと仮定したとします。

お支払いの機能選択肢が少ないという課題を解決するには、お支払いの機能の選択肢を増やすということで解決できます。

ここでは、論理を重視し論理の飛躍がないように心がけられるようにしています。

次に、お支払いの機能の選択肢はどのようなものがあるのか、洗い出します。

PayPay, Credit Card, 楽天Pay, Line Pay, merpay, Paypalとたくさんあります。

この中で、各解決策の良い点と悪い点を1つずつ考慮し適切な解決策が何なのか整理していきます。

ここでは、

「じゃ、PayPayとか追加しよう」

と具体的なソリューションに飛びつくより、一番最初に抽象的な解決策の提案をするようにします。そうすることで、後に漏れなく具体例が出しやすくなります。

必要とされるスキルとしては、

課題に対する解決策が論理的であるかを確認するロジカルシンキング

可能な限り前通りの課題に対する解決策を洗い出すためのアブストラクトシンキング

一つずつ解決策の良し悪しを判断していくことだと思っています。

(この辺は、自分ができておらず友人に助けてもらっています。

Twitter: @hayate_web)

#抽象的思考 #論理的思考 #一つずつ整理


e. 開発

以上のステップを踏んで初めて開発になります。

PdMが開発の部分を包括するか否かは、その会社によって異なります。

開発のプロセスについて自分はあまり詳しくないのですが、仕様作成→デザイン作成→エンジニアと共有というプロセスで進行します。

余談

自分のサービスの開発(規模が小さいサービス)では、自分がPdMかつバックエンドエンジニアをやっているので仕様作成などせず一緒に開発しているフロントエンドエンジニアの友人とイメージを話して実装します。

ここに関しては、僕は知識と経験が浅いのでどのような工程なのか明確には知らないですがワイヤーフレームを作ったり、フロントのどこのページを扱うのか、バックのどのAPIをいじるのか、そのためにデータベースの変更が必要ならマイグレートするのか、その追加するカラムはどれくらいのバイトサイズを想定しているのかなどのお話をするので開発の知識が必要になってくると思います。

#開発経験 #ワイヤーフレーム #デザイン #情報工学


f. ユーザーに届ける

ユーザーの課題を解決する機能や仕組みを作っても届かなければ、課題は解決されません。

ユーザーに届けるとは、開発で実装した価値をユーザー側が受け取るまでが届けるの意味だと思っています。

機能の実装がされていても、ユーザーが気づかなければ意味がありません。

アプリ内で通知することや、先ほどの課題が原因で利用しなくなってしまったユーザーにEmailなどでインフォームしてあげたり宣伝することでユーザーが認知しその価値を受け取ることで、初めて課題が解決されると思っています。

必要となるスキルは、通知内容の文章作成や、ユーザーの認知を獲得するための手段の洗い出し、宣伝、マーケティングなどになると思います。

#メール術 #文章作成 #認知獲得 #マーケティング #広告


g.FBをもらう

以上のプロセスは、仮定した原因と選択した解決策が正しい場合のみに課題の解決に至るということを忘れてはいけません。

例えば、「購入画面に遷移した人の購入率」の低い原因が、

「購入ボタンがわからなかったから購入に至らなかった」だとしましょう。

この課題に対してお支払いの選択肢を増やしたところで、この離脱は改善されるでしょうか?

また、「購入画面に遷移した人の購入率」の低い原因が、

「お支払い機能の選択肢が少なかったから」だとしても、

お支払い機能のデザインをよりカッコよくすることで解決されるでしょうか?

このような、仮定した原因の間違いや選択した解決策の間違いはユーザーからのFeedBackをもらうことで解決されたか否かがわかります。

これを検証と言います。

検証した結果、改善されていなければもう一度原因と解決策を見直し課題解決に向かわなければなりません。

この検証が行われないと、実際に改善されていないのにも関わらず改善されたと開発チームが思い込んでしまい、結果、

ユーザーの欲しいプロダクトではなく、開発者が作りたいプロダクトを作り込んでしまいユーザーに利用されなくなってしまうため要注意です。

(筆者が起業してプロダクトを作った際に犯した最高の失敗でした。)

検証をするために必要な知識は、検証した際にその検証方法から得られる結果に妥当性のある物か否かの実験方法と検証の結果を知るためのインタビューと定量調査です。

#実験手法 #インタビュー #統計 #検定 #検証


3. 新卒で採用している企業はあるのか

はい、あります。

・リブセンス / PM

・Microsoft / Program Manager

・Line / プランナー (近い職種)

・Mercari / Product Manager

・DeNA / プロダクトマネジメント職

・Recruit / Product growth  (近い職種)

・Retty / プランナー (近い職種)

僕が日本で確認できたところはこれらの企業でした。

他にもあると思われますが、あまり多くはないです。

なぜなら、そもそも以上のようなスキルを新卒で持ち合わせている人が少ないからです。

別にこれらのスキルを持っているから優秀だとかそういうわけではなく、学問を学ぶ場所に通いながら以上のような社会で培うスキルを持っている人がいるはずないからです。

持っているということは、大学で学ぶべき学問をサボってしまった人なのかもしれません。(自己の体験談)

たまたま、偶然の環境でこれらを持ち合わせてる君はこういう職種との相性があってラッキーだね。


4. 面接ではどのようなことを聞かれるのか

必ずと言っていいほどPdMの面接ではこのようなことが聞かれます。

・ユーザー数を2倍にしてくださいと言われました。あなたはどのようにアプローチしますか?

・開発経験はありますか?

・なぜエンジニアではなく、PdMなのか?

・PdMってどういう仕事かわかりますか?

・なぜこのプロダクトのPdMをしたいのか?

・現場でOOというような課題があります、あなたならどう解決しますか?

傾向として多いのが

1, 実務に基づいた面接内容

2, PdMという職種の仕事内容を把握しているのかというチェック

3, なぜこのプロダクトに従事したいのかという明確な体験談や理由

になっていました。


以下面白い余談


筆者は、PdMの面接突破にとても苦労しました。

この中でも実務に基づいた面接の内容は、対策手段がとても少なかったです。

例えば、

「ユーザー数を2倍にしてくださいと言われました。あなたはどのようにアプローチしますか?」

と何度も面接で聞かれたのですが、どのように答えたら良いのかわからず、結果、落ちてしまいした。

こういった質問内容は、就活会議やOne careerなどで事前に知ることができますが、どのように対策したらいいかわかりませんでした。なぜなら、自分の回答の答え合わせができないからです。

回答例がわからないが故に対策ができませんでした。

僕は、この課題をどのようにしたら解決できるのか考えました。

回答例を持っている人物は誰だろう?

面接官はこれを答えることができるはずなので、回答例を持っています。

面接官 = PdMの実務経験がある人

PdMの実務経験がある人は回答例を持っています。

あれ、PdMとして働いている人に聞けばわかるんじゃね?と思いサービスを作ってみました。(完全無料)#慈悲活動 #ボランティア

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PdMを目指していて、実務の経験に基づいた面接内容を事前にPdMとして働いてる人に壁打ちして対策したい方のために作りました。

ぜひ、対策したい際は使ってみてください!


以上までが今回の内容になります。

今回のNoteの評判が良ければ、また今度以下の内容について共有しようと思います。

5. 僕はなぜ新卒でPdMという職種を選んだのか

6. PdM新卒のためにどういうことをしたのか

7. 自分の履歴書(履歴書の書き方)


参考文献

メルカリの元PdM(Twitter: @hik0107, @kyosu_keさん)のNoteや、
Rettyのデータアナリスト(Twitter: @hik0107, @MasaDoN22)のNote

を僕は読んだりしています。

ここにまとめました。

書籍など

#Hacking_Growth #Lean _Startup #世界一優しい問題解決の本 #起業の科学


最後に

読んでくれた未来のPdM新卒同志に乾杯!

もし何か相談したいことがあれば、Matcherでお話お聞きします。

https://matcher.jp/obogs/ba54b2110bc7

それでは、また次回があれば!

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