写真家、田舎に住む DIY編 #5 自分の書斎を作る
今回のDIYは、大仕事です。部屋を丸ごとリフォームします。
それも自分の書斎なので、気合いが違います…
写真家の端くれであり、仕事も写真なので、デスクトップパソコンでの作業やプリント、写真集作りのために大きい作業デスクのある部屋が欲しいのです!
ーー今回も動画はYouTubeにアップされていますのでご覧ください
このような和室からスタートです。
今回の流れは…
①床を貼り替える
・床板を、再利用可能なように綺麗に剥ぐ
畳をはぐと、下にはこんな床板がありました。
この板は、のちにどこかで「古材」として再利用できそうなので、破壊して剥がすのではなく、なるべく傷つけずに一枚一枚剥いでいくことにしました。
「古材」はリフォーム時にどこかに使うことによってかっこよくなります。
今回の作業の何年か前に、実家(長野県諏訪市)を建て直すことになりました。やはり100年近い古い家で、昔は2階では養蚕をしていました。そこの板がとてもいい古材で、同市にある「リビルディングセンタージャパン」(リビセン)が、取り壊す前にその板を剥がしてもらっていきたい、と、と言っていることを父から教わりました。そこで初めて、こういった古材が価値があって需要もあることを知りました。主に、ショップなどの床板として人気だそうです。
確かに長い時間と仕様によってできた黒い板は、とてもかっこいいのです。せっかくの愛着のある家の一部なので、いずれどこかで使うことがあるだろうと思い、リビセンの人が剥がす前に自分でできるだけ剥がしして行ったのでした。
なのでこの作業は慣れたものでだったのですが、実家の床板よりは薄かったせいもあり、割れてしまったり。単純に破壊するより、何倍もの時間を要します。
・腐った根太をとって、新しくする
床の下の根太が何本か、すでに腐っていました。適当に新しい木を入れて補強します。
・束を追加して補強
根太を支える束(つか)が少ない気がしたので、追加で入れて補強しました。
大量の写真集や、PC、プリンタ等々、重いものがたくさん乗っかることも想定されたので。
・合板と根太を追加
根太の上に直接フローリング材を打っていっていいのですが、今回は畳の分だけ床が低くなっているので、高さを稼ぐために合板を敷き、その上にさらに根太をつけました。その上、この家は基本的に傾いていて、ここの床もやはりそのままでは水平になっていなかったので、水平にするためにも新しい根太を入れたかったのです。
・断熱材を敷く
冬の寒さを考えると、床下の断熱は何を差し置いても超重要です!スタイロフォームって断熱材としては定番ですが、調べているときに「スタイロフォーム」という名は商品名ってことを今回初めて知りました。物としての名前は「押出発砲ポリスチレン」だそうです。
・フローリング材をつける
ここまで結構長いです…ようやくフローリング材の作業までたどり着きました。
今回は杉の無垢材です。
杉はかなり柔らかい木なので傷つきやすいですが、柔らかいこそ肌触りは気持ちいいです。
また、今回選んだのは「浮造り(うづくり)仕上げ」加工がされているフローリング材です。浮造り仕上げとは、木の柔らかい部分をわざと削ぎ落として、硬い木目部分を浮き上がらせる日本古来の技術です。何年も使用した板は自然と柔らかい部分が削られてこういう状態にるのですが、それを新品時にわざと加工しているんです。
見た目が美しいのもありますが、硬い木目の部分が一番上の表面になりますので、丈夫にもなります。
ボンドとフロアネイルで固定していきます
②隣の部屋との境を壁にする
・障子を取り払う
隣の部屋との境となっていた障子を取り払って、壁を作ります。障子なんてほんと、冬寒くてたまりませんので。
・壁にするために木組みをする(小窓をつける)
・断熱材をつめる
普通は部屋と部屋の間に断熱材は不要です
・合板で壁を作る
③床の間を棚にする
このような床の間があるので、ここを棚にしちゃいます。
・床を剥ぐ
・根太と束を追加
ここにつくろうとしている棚にも重いものが乗りそうなので、根太と束を頑丈にしておきます。
・断熱材を敷く
・フローリングを貼る
別の杉の板を貼ります(コメリで売っている「カフェ板」という商品)。厚さが30mmの結構贅沢な板です。
・棚を作る
ゴツい感じの棚ができました。
④壁の塗装
・砂壁にシーリングする
この部屋の壁は全部砂壁でした。
砂壁に直接漆喰を塗ると、剥がれたり、砂壁の色素が漆喰に移って黄ばんでしまいます。なので下地にシーリングは欠かせません。
・漆喰を塗る
乾いたら漆喰を塗っていきます。
⑤ガラス戸を、壁と小さな障子にする
・障子用のレールを作る
上部に換気用の障子をつけて、あとは壁にします。
障子自体は、もう作業が追いつかなくなってきたので、外注しました。
障子がうまく作用するようにレールをつけます。
・壁の木組みを作る
下部は壁を作っていきます
・断熱材を入れる
・板を貼り壁にする
⑥本棚を作る
写真集がいっぱいあるので、本棚作ります。
材料は杉板です。
⑦デスクを作る
作業デスクも欠かせません
ソーホースブラケットで足を組んで、1825x915mmのシナランバーを天板にします。
⑧ ②の壁に古材の板を貼る
②で作った、隣の部屋との壁に、長野の実家で剥がした床板の古材を貼ろうと思います。
諏訪にいる兄に頼んで、送ってもらいました。
かなり洒落た感じになると思います!
⑨障子にレールをつける
出入り口の障子が、もう歪みすぎて(障子がではなく、家が歪みすぎて…)普通に開閉できない程なので、調整しつつレールをつけて楽に開閉できるようにします。
完成!!
綺麗な書斎にリフォームできました。
これで快適な作業ができそうです。
写真作品がよくなることとは別ですが。笑
床、壁、障子、本棚…など、一部屋まるごとのリフォームはさすがに大変でした。どこを最初にやるかなど順番も重要なので、考えることも多いです。
相変わらず家の傾きが、作業量を2倍くらいにしています。
とにかく今までで一番大変でしたが、できた部屋は相当満足いくものになりました。
長野の実家で剥がしていた床板の古材も、ここで新しい命を吹き込むことができたのでとても満足です。
書斎作りの動画はこちら↓
(了)
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