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『口コミ伝染病』:コピー研究会Week4

「コピー研究会」をはじめました。コピー・本のタイトル・見出しなどを見たり、書店やコンビニに入ったときの、「心の動き研究会」です。

Week4は、ベストセラー編集者の柿内芳文さんにおすすめいただいた書籍『口コミ伝染病』(神田昌典)から、自分が新聞広告を打つときに活かせそうなエッセンスを2つ選んで紹介したいと思います。

なんせ明日、新聞広告をつくらなくてはいけない。

① 期待と現実のギャップで噂が起こる

口コミは、経験する前の期待を裏切って起きる。
100ある期待を120%超えてくればたしかに感動する。
それが、期待される部分を磨き込むのではなく、期待されていない部分だったら? そのギャップはもっと大きくなる。

歯医者から、「明日お待ちしています」とリマインド電話をもらったら感動する。そんなサービス、期待していないから。

お客が最も期待しないのは、どの部分か?そこで、どんな劇的な瞬間をお客に体験させることができるか? 

新聞は、まじめな固い情報が並んでいる。その広告に、エモさ、アツさ、あたたかみ、反骨心などを盛り込んだら、きっと目を引くんじゃないかなと思った。

② しゃべりたくなる5つの引き金

「口コミを起こす引き金」、本当は7つあるんですが、特におもしろかった5つ(全然絞れてない)を紹介します。

1. 崖っぷちから、逆転ホームラン!

「人は物語を覚えやすい。そして物語は、人に伝えやすい」(p.105)

『水戸黄門』しかり、ハリウッド映画しかり、人を惹きつける物語の展開は、「ピンチでピンチ、またピンチ」。
スポーツでも平凡なゲームよりも、野球の逆転満塁ホームランや、見事などんでん返しを決めたオリンピック選手などのほうが、涙の感動を生む。誰かにしゃべらざるをえなくなる。

ソニーのブラウン管の開発苦労話。ホンダの開発チームと創業者の情熱的なストーリー。ブランドを持つ企業には、物語が語り継がれている。なるほど。

「うちの会社には、そういう語るに値する物語っていうのは、ないんですけど……」と言われるかもしれない。(中略)
良い商品を開発するには、必ず苦労話がある。その苦労話を語ればいいのである。(中略)
商品のスペック・仕様には、人は感動しない(オタク以外はね)。

『口コミ伝染病』(p.107)

物語は、語り始める人がいて、初めて生まれる。試練のあとの成功物語が、会社の求心力になるのだそうだ。これは対顧客でなくとも、社員のロイヤルティにも言えることだと思う。

3. 私のことを、わかってくれる

人は、表の欲求より「裏の欲求」で反応してしまう。

あるお寿司屋さんの七夕の日のチラシが、お客からの共感を得た。
「今日は特別の日で、お姫様はお休みです。お姫様とは、お母さん、あなたのことです」
「おいしいお寿司を食べたい」が表の欲求だとすると、裏の欲求は「家事をしたくない」

「この会社は、私のことを、分かってくれている」
この感想が、自然に口から洩れるものになっているだろうか? それとも、自分の商品自慢のオンパレードになっているだろうか?

『口コミ伝染病』(p.122)

商品が本であれば、裏の欲求は「かっこよく見られたい」「この言葉や現象について語れる自分でいたい」。そんなとこだろうか。

4. ヒーローになる

お客をヒーローにしてあげると、お客があなたの会社をヒーローにしてくれる。
ある写真店では、噂話をされるように広告を仕掛けた。プロのモデルではなく、実際のお客さんを七五三の広告に使ったのだ。

「あぁ、たかちゃんがチラシに載っている!」
「この写真屋さん良さそうね。たかちゃんのお母さんに聞いてみようかな」

『口コミ伝染病』(p.128)

実際に広告に、「読者の感想」を載せればきっとこんな効果が得られるかもしれない。また「読者の感想」は、「人が人を呼ぶ」効果も得られるのではないかと思っている。

5. 行列に並ぶ

「行列はできるものではない。作るものなのだ」。

『口コミ伝染病』(p.133)

ポイントは「供給を絞る」ことだそうだ。毎日2組しか予約をとらないフレンチが、半年先まで予約が埋まるように。10席のカウンターしかないラーメン屋に、行列ができるように。

人材募集の広告では、「誰でも、働きやすい会社です」というコピーでは集まらなかった。そこで、「滅多に募集しない当社ですが、優秀な人材を若干名募集いたします」としたとたんに、応募が相次いだ。

『口コミ伝染病』(p.133)

そしてこの苦労して手に入れた希少な商品や体験について、話したがるのだそうだ。

6. コミュニティに参加する

格闘技好きのための床屋。店員とお客が合宿をしたり、大会に参加したりするくらい濃いコミュニティになる床屋が北海道にある。人間は、自分が属するコミュニティに愛着を感じるほど、周りにしゃべりたくなるのだそうだ。

どうすればよいのか?属性や統計的に絞り込むわけではない。
答えは、付き合いたい客にしぼる
全てのお客を愛そうとするから、誰も愛せない。逆に、この会社に選ばれたお客は、自分のコミュニティを外に発信するようになるのだそうだ。

まとめ

わざわざ、休日の時間を使って本のまとめ(口コミ)を書いている。
まんまと、やられたぜ。

なぜ自分がこの「口コミ」を書いてるか?
第一に言葉がわかりやすい。口語に近い。その友達の文章を読んでいるような親しみやすさ。

第二に、自分がこの情報が必要であり、必要な相手に届いてほしいから。
情報を受け取ったから、情報を与えたくなったのでした。

情報がほしければ、情報を与えよ。
お客がほしければ、お客を与えよ。

これがこの本のメインメッセージなのでした。

追記

この本で学んだことを参考に、記事風の広告をつくってみた。
評判は良かったけど、ボツにしてノーマルな感じにした。

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