ちょっと不思議で面白い話
ちょっと不思議なお話って好きなんですが、その中でも特に、人の可能性を広げてくれるような興味深い話を聞きました。
歌舞伎役者の片岡仁左衛門さん(13代目)の話です。
仁左衛門さんは、歌舞伎で毎月毎月舞台をやるそうですが、ある時、風邪をひいて40度ぐらいの熱が出たことがあったそうです。
頭が痛くて鼻が詰まって体がだるくて重くて、もうまともに台詞が出ないような状態だったそうなのですが、そういう時、歌舞伎の場合は、黒子という黒装束で役者の後ろにくっついて次に言うセリフを小声で教えてくれる人がつけられるのだとか。
仁左衛門さんは、なんとか黒子のサポートのおかげでその舞台を無事にこなすことができ、楽屋に戻ってきて付き添いの人にこう尋ねました。
「今日の黒子はセリフを言うのが早すぎず遅すぎず、絶妙なタイミングだった。今までにないほどいいタイミングで言ってくれた。今日ついてくれたのは誰だ?」
そう聞かれた付き添い人は不思議そうに答えます。
「仁左衛門先生、今日は黒子はついていませんよ」
そんな馬鹿な、といろんな人に聞いても確かに誰もついていなかったというのです。
体調が悪くてどうしようもない時、本当に遅すぎず早すぎず絶妙なタイミングでセリフを教えてくれた人が、“実はいなかった”という話です。
……怖い話じゃないですよ😂
その“最高の黒子”は誰だったのでしょうね。
私は、なんだか…極限の状態でサポートしてくれる自分の中の自分だったのかなぁと想像しました。目に見えない、無意識下の可能性がまだまだあるんじゃないかと…。そう考えると、心強いし、何だか面白いなぁと記事にしてみました。
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