子ども食堂は「あってはならない存在」である。
みなさんは子ども食堂に対してどんなイメージを持っていますか?
「貧困家庭が行く場所?」
「ご飯が食べられない子どもが行く?」
「子育て支援をしている?」
いろいろ思い浮かぶと思います。
ただ、現実はそんな良いものではない。
子ども食堂を運営している者として、みなさまにお伝えしていきたいことがあります。ぜひお時間をください。
私は今年の3月より子ども食堂の開設しました。
そのきっかけは「夏休み明けは明らかに痩せ細った子どもが登校してくる」と学校関係者から聞いたことからでした。
貧困家庭への子育て支援をしようと食堂をスタートしましたが、現実はなかなかうまくいきません。
まず、そもそも貧困家庭が来ない。
子ども食堂の支援を行っている認定NPO法人のむすびえさんの調査結果にもあるように、全国9,000箇所以上ある子ども食堂のうち3割程度が貧困家庭の参加がゼロ。
これは持論にはなりますが、そもそも子ども食堂に来られるような行動力のある家庭は貧困家庭になっていないのではないかと思います。
私たちの子ども食堂にはちらほらとひとり親家庭が参加してくださっていますが、基本的にはご飯を作るのが大変なお母さん方の子育て支援になっているのが現状です。
私としてはお母さんたちの負担軽減として機能していれば、一定の役割を果たしているとは感じていますが、やはり本来の趣旨からは離れています。
また、助成金は単なる「支援の支援」にすぎません。国や自治体は子ども食堂への助成金として税金を投入していますが、それよりも先にやるべきことがあるのではないでしょうか。
なぜ、子育て世帯が子ども食堂を必要とせざるを得ないこの状況を変えようと思わないのか。
おそらく、国や自治体規模で子育て支援を実施するよりも助成金を出して半分委託のような形で市民に実施してもらったほうがはるかに安く済むという安直な考えだと思います。
子ども食堂にお金を出すだけで、子育て支援をしていると自信満々に言っているように見えます。
2019年の話にはなりますが、某政党の代表が「子ども食堂はなくてはならない存在」だとSNS上で発言しました。
また、以前の総理大臣が子ども食堂についてポエムのように語るメッセージが話題にもなりましたね。
私はそうあるべきではないと思います。
そもそも子ども食堂が必要になっているこの状況を問題視するべきであって、支援の支援は実質的な解決には至りません。
子ども食堂の運営者だからこそ言いますが、私たちの活動の支援をするお金があったら子育て家庭に直接支援をして欲しい。
そのほうがよっぽど貧困家庭に支援が届くと思います。
先進国日本において子ども食堂は本来あってはならない存在です。
9,000箇所以上ある子ども食堂は決して誇れることではありません。
みなさんはどう思いますか?
ぜひご意見をお聞かせください。