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【虎吉の交流部屋プチ企画】何気ない一言から
お題:最近ちょっとうれしかったこと
先日、登山の帰りに温泉で汗を流し、近くにあったそば屋に寄った。
初めて入る店。
メニューはそばとおかわりのみ。
50〜60代くらいのご夫婦2人で経営しているようだ。
まだ新しい店で、脱サラしたか、リタイア後に開店したのかもしれない。
昼食時で、ひと組み、またひと組とやってきて、少々慌てている感じにも見えた。
やがてボクの前にもそばが運ばれてきた。
なかなかオシャレな感じの和風の器にトレイは楕円の板一枚。
カットして角のあるそばじゃなくて、丸い。どうやって作っているんだろう?
上には二枚薄い蕎麦がきが乗って、蕨が添えられているのが山形らしい。
ツルッと入っていく、普通のそばとはちょっと違う食感。
でもちゃんとそばの香りがしっかりと。
劇的に、とまではいかないけど、美味い。
完食して、おかわりしようか悩んだけど、お腹を撫でながら我慢。
そば湯を飲み干してお会計にレジへ。
これで700円は良心的。
ふっくらとした店員の女性に、
「ごちそうさまでした。美味しかったです」
と言うと、にこやかな笑顔がさらに弾けて、張りのある声で、
「ありがとうございました!」
と頭を下げてくれた。
美味しかったので、たった一言「美味しかったです」と添えただけだけど、店員の女性もボクも少し嬉しい気持ちになれたと思う。
お互いにこういう気持ちになれるから、「美味しかった」と一言を添えるのは全く惜しくない。
まぁ、恥ずかしいとか、媚びているみたいで嫌だという人もいるでしょう。
でも、そんなちょっとしたプライドの向こうに、柔らかなプラスの感情が現れる。
そういう感情が日常的に増えていく世の中って良くないですか?
車を運転していて道を譲られたら頭を下げて礼を示すとか、毎日のご飯を作ってくれる人に、ちゃんと「美味しかった」って言うとかね。
もしかしたら、そんな何気ない言葉が世の中を変えていくのかもしれませんね。
虎吉さんの交流部屋企画のお題が「最近ちょっとうれしかったこと」。
このお題に、なんとなく受動的な感じがしたので、この話は違うかなーとも思ったんだけど、うれしかったことにには違いないかなと思い、参加してみました。