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【音楽】映画のエンディングにふさわしい曲

(1060文字)

映画館の椅子に深く腰をかけて、その物語の世界に、どっぷりと浸かる。
そしてラストシーンに心を掴まれ、涙がじわっと滲んでくる。
画面はゆっくりとブラックアウトして、白い文字のテロップが下から上がってくる。
そして流れ出すエンディングテーマ曲。

そこでね、最近の邦画では、なんだこれ?という曲が流れてくることが多い気がする。
何とは言いませんが、最近観た映画はそういうエンディングテーマが目立った。

だいたい、人気のあるアーティストやグループの曲。
その人たちが悪いと言っているわけじゃなくて、合わないんですよね。
最近のボーカルはホラ、歌い方に癖がある人が多いじゃないですか。
男でもちょっと甘えた声だったり。
余韻が残る映画で、そういう癖のあるボーカルが入ってきちゃうと、一気に現実に引き戻されちゃうのよ。
やっぱりね、あのエンディングロールの時間というのは、映画の世界からゆっくりと現実に連れ戻す時間であって欲しい。
気持ちを整理して、客電がついて席を立つ時には、その映画の余韻が凝縮されて、小さな玉のようなものになって、心のどこかにスッと仕舞えるように。

映画のジャンルによっても違うけど、感動的なヒューマンドラマであれば、こういう曲がエンディングだったら良いのにと思う曲がこれ。

You Are My Sunshineは、作曲者にいくつか説があるくらい古い曲で、初録音は1939年。wikipediaによると、Pine Ridge Boysというグループ。
非常に有名な曲で、カバーしたアーティストは数知れず。

しかし、このグループ、Free designはあまり有名ではない。
1960年代後半から70年代の初めにかけて7枚のアルバムを残したアメリカのボーカルグループ。
メンバーは兄妹三人で、後にもうひとりの兄弟を加えて四人になった。
商業的にはあまり売れなかったらしい。
その後、日本でいわゆる「渋谷系」と言われる人たちに発掘されてCDが発売された。

どの曲もちゃんと作り上げられていて、派手さはないんだけど、コーラスが絡む旋律が心地よい。
このYou Are My Sunshineは、転調を繰り返すんですよね。
Gのキーで始まって、Aになり、またGに戻って、さらにAに上がる。
その過程で盛り上がったり落としたりがあり、最後は一気に盛り上がったと思ったら、スーッと引いていくこの感じ。
まさに映画のエンディングテーマにぴったり。
この曲を聞くと、なぜかいつも良い映画を観たような気分になる。

この曲をエンディング曲にするのにふさわしい小説を書いてみたいなぁ。


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