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創作全般の覚え書き

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自分の、あるいは社会の創作の話題で反応してしまったことの覚え書き
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2018年9月の記事一覧

モノに必要な余白

明治から現代の「作家ものの工芸品の」多くは、私はあまり好きではないのです。一部を除いて・・・ なぜなら「他者が入る余白が無いから」です。 (柄の込み具合や技法の複雑さの話ではありません) 明治から現代の「特に大手の美術団体に出品するために作られた作家ものの工芸作品」の多くは、その作品の個体だけで完結してしまい、それが自己表現になってしまっているものが多いように感じます。 作家作家していて、作品作品している。そういう独自の臭いがあります。 それを創作性や個性として愛好

少し崩れた時に最も美しくなるようなものを好みます

流行もありますが、個人的には、和装はフォーマルであろうと、カジュアルであろうと 「少し崩れた時に、最も魅力、色気が漂うもの」 が最上、としております。 この「少し崩れた」というのは、わざと崩したものではなく、自然に起こる崩れのことです。 例えば着付けやヘアスタイルが、自然に崩れて来たり、着ている人が少し疲れた雰囲気を持った時、あるいは緊張が解けた時、など。 「少し緩んだ時」とも言えますね。 私は和装の布をつくりますので 「キチンとしている時はもちろん良いけども、

古典の資料から文様を起こす時に気をつけること

古典の資料を使って文様を起こす場合、現代的な視点を古典文様のどこにフォーカスしてその古典文様の魅力の本質を汲み取り形にするか、ということが大切だと思います。 そこに気をつけないと、形式だけ似ている(しかもその形式も同じというわけではない)ヘンにこじんまりとした「間違ってはいないけども面白くもない仕事」になります。 それは「似て非なるもの」亜種のようなものになってしまいます。 古典の現物は良い意味でガサツであったり、良い意味で異様に細かい部分があり、素材や加工のメリハリが