Emma / 英国上流階級の恋愛事情
Pearson English Readers の level 4 の Emma.
図書館でこの本の裏表紙にある簡単な紹介文を読んだとき、奥深く興味深い人間ドラマが繰り広げられそうと思って手に取ってみた本でした。どうやら映画化にもされたようで、本の中にその写真が使用されています。
しかし実際に読んでみると、想像とはまったく異なっていました。
英国上流階級の、まだ人生経験の浅い若い男女間の恋愛事情がほとんどで、彼らの行動の多くが、誰が主催するどのようなパーティに誰が呼ばれて誰と行くか、どのようなおしゃべりをするかということに夢中となっていること、ときには彼らが貧しい人たちに対して何となくどこか一線を引いているように感じる部分もあり、残念に思いながら読み進めました。
また、裕福な家庭で育ち聡明で美しいと評判の主人公が、彼女が良かれと思いながら周りの人々の恋愛感情を彼女の若さゆえの思い込みで操っているようにも感じたり、しかもそれが思うように行かずに失敗したり。そんな彼女のことが、無理にお見合いの仲人役を買って出る昭和時代の田舎のおばさんのような行動にしか感じなくて、そのことも残念で、少しも感情移入することはできませんでした。
しばらく読んでところで、読むのを途中でやめようかなとも思いましたが、ひょっとしたら自分の英語力が無いためにそのように感じるのかもしれない、読み進めたら何か変化を感じるかもしれないと思いました。前回の読者記録の冒頭に、興味がなかったり苦手な内容の本には手を伸ばしたくはないと書きましたが、そのような本でもそこから得られることや学ぶことがあるかなと、少々不快な気持ちになっていたところでしたがその気持ちに蓋をしながら読み進めました。しかしこの本やこの主人公に対しての感じ方がなかなか変わらないままで、もしかしたら最後まで読むと感じ方が変わるのかもしれないと思いましたが、ついに半分ほど読んだところで、続きを読むことができなくなってしまいました。
200年ほど前に発表されたという原作の評価を少し見てみると、
英国では大変高く評価されている作家さんの作品のようです。
そして、ロマンス好きの方などにはとても評価が高いようです。
わたしも決して嫌いではなくこれまで数々の似たような経験を重ねてきたつもりですが、なぜか .. 楽しめませんでした。
この感想を読んで不快に思われるかたがいましたら、申し訳なく思います。当然のことですが、どのようなものやことでも、人の好みは人それぞれ。人が良いと思うものは決して自分も良いと思うとは限らないということが、本に対する感じ方にも、あるのだと思います。