怒りの原因を見つけてみる

私が学んだCHhomでは、ホメオパスを目指す学生は、インナーチャイルド癒しが必須だと言われます。それは、自分でも気づかない感情の壁があると、時に、冷静に相手を見ることができなくなることがあり、本当にその人に必要なレメディーを選択することができなくなってしまうからです。
学生時代、私がインナーチャイルド癒しを始めて最初にぶつかった壁は、怒りに関することでした。

最初は、自分の感情に向き合うことがとても難しかったことを覚えています。
感情が動いた時に、自分がどう思っているのかを見つめることから始めるのですが、そもそも感情が動いたということがわかりませんでした。
それでも観察を続けていくと、だんだんと感情が見えてくるようになり、そのうちあることに気づきました。

それは、嬉しいとか楽しいというポジティブな感情にはすぐに反応できるのですが、怒りや悲しみといったネガティブな感情は見ないようにしていたことです。
当時の私には、ネガティブな感情を持つこと自体が良くないこと、という先入観がありました。そのため、例えそれを感じたとしても、なかったことにしようとする自分がいたのです。
また、それと同時に、ネガティブな感情をなかったことにしているせいで、喜びや楽しみという感情自体も感じにくくなっていることにも気付きました。

そうなっていた私は、今の私から見ると、灰色の世界を生きているかのようでした。

そこから、少しずつ自分の感情を観察していくようになると、それまでは動じなかった出来事でも、やたらと心が動いていることがわかりました。
しかもその感情は、主に怒りでした。

気づいたら、私はいつも怒っていました。
それは主に、当時まだとても幼かった娘に対して。
娘はまだ1歳をすぎたくらいで、大人の思うようにできることなんてほとんどないということは頭ではわかっているつもりなのに、許せない。
そんなことが繰り返し起こっていました。

ある休日の朝、早起きだった娘と一緒に起きた私は、娘に朝ごはんを食べさせていました。
夫は、休みの日は昼近くまで寝ているのが習慣になっていたので、当然起きてきません。
当時は、精神的にも肉体的にも疲れ切っており、その日も朝ごはんを準備する気にもならず、家にあったロールパンをそのままあげていたと記憶しています。
ため息まじりで娘が食べる様子を眺めていました。
すると、娘が食べていたパンをテーブルの下に落としました。

落ちたパンを拾って、娘に渡してあげるだけでよかったのです。
でも、その時の私にはそれができなかったのです。
私は怒り狂い、不注意だからパンを落とすのだと娘に対して怒鳴り始めました。
娘は驚いて泣き叫びます。それを見て、私の怒りの感情がさらに高まりました。

その時ふと、どうしてこんなことで私は怒っているのだろうと思いました。
娘は悪くない。なのに私はこんなに感情が乱れている。この怒りの感情はどこから出てくるのだろう・・・。

怒りの原因は夫でした。
仕事が休みだからと言っていつまでも寝ていて起きてこない。
私だって毎日疲れているのに、娘が起きたら一緒に起きるのは私だと決まっている。
私は、休みの日でも、夫にいつも通りに起きて、娘を見ていて欲しいいと思っていたのでした。

それに気づいた時、涙が溢れ出しました。
娘に申し訳なくて、泣きながら謝りました。
そしてそのまま夫の寝ている部屋へ行き、お願いだから起きて欲しい。あなたが疲れているように私も疲れている。休みの日もいつもどおりに起きて、娘を見ることだけはやって欲しいと、泣きながら訴えました。
夫は驚いたようでしたが理解してくれ、その日以降、昼まで寝ていることはなくなりました。

私の場合、目の前の怒りの原因は、今起きていることに対するの感情の動きではなく、別の物への怒りが抑圧された結果別の出口を求めて溢れ出たものであることがほとんどでした。

今でも、怒りは私が一番悩まされている感情です。
でも、その怒りの原因は、本当に目の前の出来事なのか?ということを考える視点ができたことは、私が怒りの感情と向き合う上で、大きな進展になったことは間違いありません。
泣いて悩んでようやく腑に落ちる形で手に入れたこの視点は、他の感情を観察するときにもとても役に立っています。







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