頑張るひよこ

渡米9日目、語学学校3日目。
今朝も、エリパパ(ホストファザー)がコーヒーを淹れてくれて、リエママ(ホストマザー)がゴマと梅干のおにぎりを2個持たせてくれた。

シェキーマ先生にイライラしながら、それでも負けるもんかと登校した。
ところがシェキーマ先生はいつまでたっても出勤せず、受付の人が、
教室のホワイトボードに〝シェキーマは来ないから、隣の506の部屋に行け〟という内容文を書きに来た。
そりゃあそうでしょうよ。ここまで低レベルの生徒に何時間も教えるのは、相当大変だと、生徒である私でさえ思うから。嫌気も差すでしょう。
私もその程度なら、シェキーマ先生もその程度なのだと思った。
シェキーマ先生が休んだ理由はわからないが、絶対に次のクラスに行けるように頑張ってやるっ!! 
そう思いながら次のクラスの506の部屋に行った。

506の部屋には、すでにアジア系の女性が2人座っていた。自分でも引きつっていると自覚しながらの笑顔で、コクリと頭を下げ、席に着いた。
私の前の女性が先生とやり取りをしながら「なるほどね」と言った。
日本人だ。
「え? 日本の人?」
と聞くと、もう1人の女性も日本人だと名乗った。
「やだぁ~早く言ってよ。めっちゃ緊張してたのにぃ~」
一気に緊張がほぐれた。

なるほどと言った女性は、私ともう1人の女性も、最初から日本人だと思ったという。なぜなら、鞄を隣の空いている席の椅子の上に置いたから。
日本人以外の多くの人は、荷物を床に置くのだという。
椅子の上に置くのはたいてい日本人だから、すぐにわかるのだそうだ。

安心したところで、2人に、2日間通って疑問に思っていることを聞いてみた。すると、私の予想は大方当たっていた。

この学校は、真剣に英語を学ぶというよりは、他に目的があって渡米し、VISAキープのための学校なのだという事。もしくは英語力をキープするために、時々通う学校なのだという事。
合点がいった。なぜなら、私以外の人たちは、先生とペラペラ話しており、スムーズに会話が成り立っている。シェキーマ先生がため息をつくような初心者はいないのだ。いても、登校して出席だけ取り、ほんの数分で帰ってしまう人が多い。
予測は付いていた。なぜなら他の学校に比べて、学費が安いから。

もう1人の女性が、本気で真剣に英語を学びたかったら、他の学校へ行った方がいいかもしれないという。その人は他の学校で英語を学び、今は英語のビジネススクールに通っている。厳しい語学学校に行ったが、その分、英語力は伸びたという。だが、学費が跳ね上がってしまうのだ。ド貧乏な私には難しい。だったらここで頑張るしかない。自分次第なのだと思う。

いつかシェキーマ先生に、ため息をつかれなくなるように、頑張ればいいのである。階下の上級者クラスには、楽しそうに授業をしている先生もいる。
そこを目指して、ひよこから成長すればいいだけだ。
シェキーマ先生が休んだって、私は絶対に毎日通って、ひよこなりに学んでやると決めた。

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YUKIE
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