ドレッサー・・・New York留学準備・・・74

子どもたちの手が離れ、一人暮らしになってからも、引っ越しのたびに、
思い出の詰まったものを少しずつ少しずつ処分してきた。
団らんに大活躍したこたつ、学習机、ロッカー。
それでも、何度引っ越しても、狭い部屋でも、階段5階部屋でも、
1年に2回の引っ越しでも、手放さなかったドレッサー。
 
37年前に、婚礼家具として両親が贈ってくれた。
三面鏡なので、両側の鏡を内側に寄せると、後頭部までもしっかり確認できたし、それなりに収納もあって、お化粧以外にも非常に便利だった。
そして、この37年間の私の人生の紆余曲折を、常に身近にあって見守ってくれていた。
けれど、今回ばかりは、本当にお別れだ。
 
買取業者が鏡や引き出しを丁寧に外し、2人がかりで運び出していく。
鼻の奥がツーンとして、悲しくなってしまった。
 
どこかに引き取られるのだろうか。それとも解体されてしまうのだろうか。
いずれにしても、もう2度と会うことはない。

その様子を見ながら、37年の感謝を込めて見送った。


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YUKIE
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