わんにゃん動物病院の魔法使い
わんにゃん動物病院には、様々な犬猫がやって来る。
ある日、わんにゃん動物病院に1人のお姉さんが助手に加わったようだ
犬のポンちゃん
先生、うちのポンの足が!と駆け込んで来たマダム
足をピッコ引いている
では1日お預かりいたしますね、とポンちゃんを奥へ連れて行く
この動物病院は助手のお姉さんが来てから訳あって1日預かって診るようになった。
愛莉ちゃん(助手のお姉さん)このポンちゃん、どうやら打撲してるようなんだけど、とりあえず処置はしたからあとはポンちゃんに聞いてくれる?
愛莉「は〜ぃ、了解〜」
ポン「痛いよぉ、今回もひどくやられたなぁ」
愛莉「今回も、って誰かに何かやられたの?」
ポン「えっ?」
愛莉「えっ?」
ポン「お姉さん僕の言葉がわかるの?」
愛莉「え〜っと、そうなの。聞こえちゃうの」
ポン「実は飼い主に虐待受けててさ・・・」
、と話してくれたポン
マダムはお金持ちで、見栄張りで、ポンの身なりや食事は豪華。お散歩中もご近所さんからは評判がいい。
けど、家の中に入ると豹変するらしい。
愛莉「つらかったね、よく我慢してたね。お姉さんが魔法をかけてあげる」
ポン「え?そんなこと出来るの」
愛莉「リラックスしててね。今からバリア張ってあげるね」
愛莉はポンの身体のまわりに、エネルギーを入れ始めた
ポンは眠りについた
愛莉「もぅ大丈夫、今夜はゆっくり眠りなさいな」
数日後、またもやポンの飼い主のマダムが駆け込んで来た
先生!この子の足は治ったんですけど、私が触ろうとしたら電気が走って、抱っこも出来ないのよ!手が火傷したように熱くなるのよ!
んー、私は普通に抱っこ出来ますよ?診たところどこも悪くないですよ?と、先生
何なの!この子!そんなに私が嫌なの!だったらあんたなんていらないわ!と激怒するマダム。
それならうちで引き受けますよ、と先生
どーぞ、そーしてちょうだい!タダでくれてやるわ!と罵声を浴びて帰っていった
愛莉ちゃん、このポンちゃん、今日からうちの看板犬ねー、と先生が言う
ポン「お姉さん、ありがとう、あの飼い主から解放されたよ」
愛莉「良かったね、今日から私と一緒に働きましょ」
猫のミケちゃん
先生、ミケの皮膚がただれておかしいんです
特に変わったことしてないし、原因がわからなくて!、と林さんが駆け込んで来た
愛莉がミケにアイコンタクトでミケと話す
横からポンもミケにこの人は大丈夫だから話してごらん、と促す
ミケ「最近、林さんに拾われたんだけど、この林さんちの洗剤のニオイキツくて息苦しくて、、、そしたら痒くてかいたらこうなっちゃって」
愛莉は先生にコッソリミケから聞いたことを話した
先生「林さん、1日預かりますので明日引き取りに来てください」
林さん「わかりました、よろしくお願いします」
愛莉は洗面器に張った重曹風呂にミケを入れてやさしくミケの身体に染み込ませる
先生に頼んでいたマグネシウムを粉砕したものを水に入れてミケに飲ませる
その後の処置は先生に任せた
翌日、先生は林さんに言った
洗剤や柔軟剤は動物だけではなく人間にも良くないことを資料を見せて告げた
林さんは驚きを隠せなかった
今では無添加のものもありますし、と適正なものを紹介した
林さんは快諾してくれてミケを抱いて帰っていった
帰り際にミケは、愛莉とポンにありがとう、と伝えた
猫の政宗くん
わんにゃん動物病院では犬猫のワクチンはやってない
ある日、市の犬猫の集団接種があった
翌日
先生、昨日集団接種があったんですけど政宗が昨夜からグッタリしてて、と加藤さんが駆け込んで来た
1日預かりますので明日来てください
先生「愛莉ちゃん、政宗くん解毒してあげてくれるー?」
愛莉「先生、なんでもかんでも私にやらせないで下さいよ〜」
先生「だって僕この子たちの声聞こえないもん、わからないでしょ」
愛莉「どっちが先生だかわからないじゃないの!はぃはぃ、やりますよ」
愛莉「政宗くん、どういう状態かな」
ポン「このお姉さんに任せたら大丈夫だからね」
政宗「気持ち悪いし身体が熱っぽいしダルいし、そもそもなんで注射なんてするんだよ!必要ないのに!」
愛莉「そうね、人間にも必要ないものね、私も子供の頃からやってないわよ。親が色々知ってたらしく、注射の日は、熱が出て、とか体調悪くて、って私を休ませて逃げてたみたいよ」
愛莉はポンの時と同様に、政宗の身体にエネルギーを流した
先生が重曹水とマグネシウム粉砕を水に入れたものを交互に飲ませる
後は栄養剤の点滴をした
政宗はスヤスヤと眠りについた
先生「これで良くなってくれるといいんだけどな」
愛莉「政宗くんの生命力に賭けるしかないわね」
翌朝政宗は元気になって、寝ているポンを起こして、ワンワンと話をしていたようだ
愛莉が出勤すると、政宗は愛莉に飛びついた
政宗「お姉さんありがとう、僕元気だよ!」
愛莉「おぉ〜政宗〜!元気になって良かったねー」
加藤さんが迎えに来た
先生は加藤さんに、政宗君が今回こうなってしまった為今後の接種は控えた方がいいです、合う子と合わない子がいるようですし、とそれとなく懇願
加藤さんは快諾してくれた
政宗は愛莉とポンに、これで注射とはサヨナラだぜ!ありがとな!って言って加藤さんに連れられて帰っていった
後日、先生と愛莉は結婚しました
もちろんポンも式に参列
わんにゃん動物病院は、今日もどこかの犬猫を助けるため奮闘しています
短編小説、読んでいただき、ありがとうございました