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[100冊販売記念] ケース面接の”有名対策本”を比較レビュー [無料記事]

(1)はじめに -本Noteの概要-

初めまして、YUKIと申します。
新卒でメーカー(約3年)→MBB(約3年)→転職というキャリアを歩んで参りました。

以下の2つの視点から、ケース面接の対策をサポートしております

  • 受験者の視点: McK/BCG/Bain/Kearney/S&の5社からオファーを貰った元受験者の立場から、効果的だったと思う対策を解説

  • 面接官の視点: MBBで実際に+200人の面接を担当した経験から、面接官が何を評価しているのか、どんな人を通過させるのかを解説


本Noteのカバー内容


皆様のおかげで、noteの販売冊数が100を突破いたしました!!
いつも暖かい応援、誠にありがとうございます。

記念として、無料note企画第一弾として
ケース面接の対策本を、比較レビューしてみようと思います。

対策し始めなら、みなさん必ず気になるのではないでしょうか。

  • 1冊しか読む時間がないならばどれがいいんだろう?

  • 自分のレベルに合っている本はどれ?

  • 買った本の、良い使い方は

そんな疑問にお応えすべく、代表的なケース面接対策本12冊+αを、
今回は買い添えろえてみたので、中身をしっかり確認しながらレビューしていきたいと思います。


推奨対象者

MBBをはじめとする、戦略コンサルへの就職・転職を目指す方に向けた記事となっております。
もちろん総合コンサルに対しても当てはまる記述は多いかとは思いますが、オーバーキルな部分は若干あるかもしれません。
ただ、本質的な思考力向上に役立つ本という目線で選んでいるので、入社してから、その能力自体は役立つはずだと信じてます。


(2)サマリー: 結論、どの本で対策すべきか?

(2-1)紹介した本の一覧

今回は全部で12冊の本をレビューさせていただきました。
いかにYUKIとしてどのくらい買うべきか、どのレベルの人向けかをまとめて、一覧化しました。

評価基準
★★★★★: 絶対に買うべし
★★★★☆: 買うべし
★★★☆☆: 補完的に使うと◎
★★☆☆☆: 買わないでも損はない
★☆☆☆☆: 買わない方がいいかも

(3-1) ロジカルシンキングを超える戦略思考 フェルミ推定の技術
(★★★★☆、初心者〜上級者向け)

 (3-2)「フェルミ推定」から始まる問題解決の技術
(★★★☆☆、中級者〜上級者向け)

(3-3) 地頭力を鍛える 問題解決に活かす「フェルミ推定」
(★★★☆☆、中級者〜上級者向け)

(3-4) 現役東大生が書いた 地頭を鍛えるフェルミ推定ノート
(★☆☆☆☆、初心者向け)

(4-1) 過去問で鍛える地頭力―外資系コンサルの面接試験問題
(★★★★☆、初心者〜中級者向け)

(4-2) 戦略コンサルティング・ファームの面接試験
(★★★☆☆、初心者〜中級者向け)

(4-3) 東大生が書いた 問題を解く力を鍛えるケース問題ノート
(★★☆☆☆、初心者向け)

(5-1) イシューからはじめよ
(★★★★★、中級者〜上級者向け)

(5-2) 仮説思考 BCG流 問題発見・解決の発想法
(★★★★☆、中級者〜上級者向け)

(5-3) 論点思考 BCG流問題設定の技術
(★★★☆☆、中級者〜上級者向け)

(5-4) 考える技術・書く技術
(★★☆☆☆、上級者向け)

「会社四季報」業界地図 
(★★★★★、初心者〜上級者向け)


(2-2)対策時間別: この本をこの順番に読んでほしい!

明日・明後日に面接入れちゃったけど、ケース面接のこと何も分かってません。そんな方がいたら、推奨はしたくないのですが、東大生シリーズをとりあえず爆速で読みましょう。

基本的に、このNoteを読んでいる方は、もう少し対策時間を取られていると仮定しますね笑

  • 標準的(20~100時間くらい対策に当てようという人)には、以下の順でできるところまで進めることをお勧めします

    • (3-1)  ロジカルシンキングを超える戦略思考 フェルミ推定の技術

    • (4-1) 過去問で鍛える地頭力―外資系コンサルの面接試験問題 ※後半

    • 〜演習を10問以上積んでから〜

    • (5-1) イシューからはじめよ

    • (5-2) 仮説思考 BCG流 問題発見・解決の発想法

    • 〜更に演習を10~20問以上積む〜

    • 常に手元に(6-1) 「会社四季報」業界地図 

  • 長めにしっかり対策(100時間以上)の人は、以下の順が良いと思います

    • (3-1)  ロジカルシンキングを超える戦略思考 フェルミ推定の技術

    • (4-1) 過去問で鍛える地頭力―外資系コンサルの面接試験問題 ※後半

    • (4-2) 戦略コンサルティング・ファームの面接試験

    • 〜演習を10問以上積んでから〜

    • (5-1) イシューからはじめよ

    • (5-2) 仮説思考 BCG流 問題発見・解決の発想法

    • (5-3) 論点思考 BCG流問題設定の技術

    • 〜更に演習を10問以上積む〜

    • (3-3)  地頭力を鍛える 問題解決に活かす「フェルミ推定」

    • (3-2)  「フェルミ推定」から始まる問題解決の技術

    • 更に演習を積む〜

    • 常に手元に(6-1) 「会社四季報」業界地図 

本質的な論点・仮説思考(セクション5)の本を先に読んでから対策するべきですか?と偶に聞かれますが、
まずは「フェルミ推定・ケース面接」がどんなもんなのかを先に理解する方が先で良いかは思います。
その基礎を理解した上で、ちょっとずつ本質に近づけていく・引き出しを更に増やしていく、ということができると非常に良いかと思います。

以下のセクションでそれぞれの本について詳しく解説してみたので、

  • 買う前に、おすすめの理由をしっかり抑えておきたい!

  • すでに買ったので、何に注意して読むべきか知りたい!

という方はぜひ参照してみてください。


(3)フェルミ推定の対策本

今対策する人は、ラッキーであり、アンラッキーでもあるかもしれません。

一昔前までは「易しすぎる東大生シリーズ」と「ちょっと難しすぎるかもしれない地頭シリーズ」しかなかったので、ちょうど間がない状態でした。

高松さんの本(3-1)が見事に、その間を埋めたと感じます。
ラッキーなのはそのステップアップを手伝ってくれる本が現れたこと、
アンラッキーなのは、それだけ受験者全体のフェルミ推定のレベルが底上げされてしまったことですね笑

底上げされた受験生の中で、更に差別化しようと思うなら、
本質的な「論点・仮説思考力」を強めて、フェルミ推定の時点から仕込んでいくしか方法はないと思います。

とはいえ、まずは(3-1)1冊で基礎をしっかり固めることを強くお勧めします!!


(3-1)  ロジカルシンキングを超える戦略思考 フェルミ推定の技術

フェルミ推定の、あらゆる考え方の基礎とテクニックが詰まった1冊

特に戦略コンサルレベルを目指す方には、
そうそう!!…このレベルでフェルミ推定を"楽しんでほしい”んだよね。
という共感する考え方がたくさん詰まってます。

高松さんの言語化能力に脱帽です。

【サマリー】
・YUKIのおすすめ度:
★★★★☆
・難易度:
 初心者〜上級者向け
推奨対象者: 
   ーフェルミ推定がそもそも何のためにするのか、どうやればいいのかわからない方
 ー1~2次面接で他の受験生と差がつくレベルのフェルミ推定を目指す方
・ページ数・目安読了時間: 321P / 2~4時間(演習時間を除く)

上級者向けの技まで解説してある一方で、難しいことも噛み砕いて解説しているので、非常に読みやすいです。
そのため、初心者にもお勧めします

「戦コンの面接で目指すべきレベル感」をはじめに掴んでしまうためにも、
1冊読んでみるとすごく良いスタートになると思います。

下記に記載したような幅広いポイントを、網羅的に抑えられているのが、
まずはこの1冊だけで初めても良いと思った所以です。

【推奨ポイント】

①フェルミ推定に対する「姿勢」「意識」を変えるための重要性が、しっかり説かれている
フェルミ推定を”計算すること”にゴールを置く人がとても多いです。
本質的には事業や市場を分解し、解像度を高めて課題解決に繋げるためであることを、ちゃんと理解している人は多くはありません。
…こんなことを言うと抽象的すぎて腑に落ちないと思うのですが、この抽象論を具体例をふんだんに使い解説しているのが、この本の素晴らしい点だと思います。

②実践的な具体例と、深く考えている模範回答がたくさん載っている
東大生シリーズとの違いは、以下だと思ってます
第1に、問題が最近のトレンドに添い実践的なものになっていること
(最近のピアノ調律師みたいなフェルミだけで完結する問題はほぼ出ない)
第2に、なぜそのアプローチをすべきかの深掘りがより深いこと
読めば、ひと通り「フェルミ推定はこう解くべき」という感覚を掴めると思います。

③「練習用問題」に非常に良い問題がピックアップされているので、独学の材料が手に入る
ただし100問全部はやりすぎです笑
王道9問+エースの20問だけでまずは十分以上だと思います。

④解き方だけでなく、コミュニケーションの仕方まで解説されている
これも本当に重要で、初心者はとにかく伝え方が下手な人が非常に多いです。この本で解説されているフォーマットをまず意識できるだけで、非常にコミュニケーションは良くなるでしょう。

以下のページはYUKIも特に大共感してるので、特に注目してほしいです。

【特に重要: ここだけでも読んでほしい!!】
・p.35-37: 最適な因数分解は、ビジネスモデル・社会情勢で変わりうる
・p.83-87: レジ方式よサヨナラ
・p.136-141: 複数因数分解できる時の、最適な式の選ぶ基準
・p.146-156: よくある間違え方(本当に初心者に多い…)
・p.177-178: 数字が変わらない閾値でセグメント分けしない
・p.217-219: 数字は丸めるべき
・p.228-229: 「肌感覚で置きました」「自信はないですが」はNG


絶賛している癖に、なぜ★5じゃないの?と思うかもしれません。
時間の限られた面接本番においては、実践的・本質的ではないやり方も見受けられるからです。

【非推奨ポイント】

肌感覚のある因数まで落とすために細かく分けるべき、という考え方は個人的には同意できない
p.60~67, p.106-110あたりのマッサージチェア・スポーツジムの因数分解はやりすぎ。面接官は数字絶対値自体への興味は薄い(実際のプロジェクトなら調べれば良い)ので、あくまでも打ち手として引いた時にインパクトがあると思う因数レベルまで分解はとどめたい。

②「田: 加重平均」のアプローチも、個人的には推奨しない
p.78-82の炊飯器のアプローチあたりも非推奨です
(ちなみに出題してみると、みんな同じ解き方するな…と思っていたらこの本の模範回答でした)
加重平均をしてしまうと、セグメント別の市場規模が求まりません
セグメント大きさがもとまっていると、狙うべき・狙うべきではないの判断材料になります。
加重平均すると、どのセグメントを狙うべきか?の材料をみすみす捨ててしまうことになります。
計算のためのフェルミ推定であって、打ち手につながるフェルミ推定ではなくなってしまうのです。

2軸思いついちゃって両方どうしても入れたいのであれば、加重平均
ではなく、以下のように4つに分けて全て計算すべきです
・例
 ・40代以下×運動習慣有:人口×保有率×….
 ・40代以下×運動習慣無:人口×保有率×….
 ・50代以上×運動習慣有:人口×保有率×….
 ・50代以上×運動習慣無:人口×保有率×….
そんな4式も計算しきる自信がないよ!となるならば、
年齢と運動習慣のうち、どちらか一方、最も重要だと思う軸を選び取るべきです(それが重要な論点を選び取るということ)

①②も「間違っているわけではない」ので、
やりきってしまえば、本番大きく減点されるということはないですが…

算出が間に合わなくなったり、加点要素をもぎ取る機会が消されてしまう、という目線で個人的には推奨しないとさせていただきました。

ただその「時たま細かすぎる」ことを除けば、
非常に良書だと思っております。


(3-2)  「フェルミ推定」から始まる問題解決の技術

こちらも(3-1)の高松さんが書いた姉妹本になります。
(3-1)の後の2冊目として、お勧めしたいと思います。

【サマリー】
・YUKIのおすすめ度:
★★★☆☆
・難易度:
中級者〜上級者向け
推奨対象者: 
   ー1冊目「ロジカルシンキングを超える戦略思考 フェルミ推定の技術」を既に読み、例題10~30問以上演習を積んだ方
 ーその上で余裕があり、「視野・引き出しを広げたい」「解答方針付きで練習をもっと積みたい」と思った方
・ページ数・目安読了時間: 317P / 2~4時間(練習時間を除く)

Amazonや他の方のレビューを見る限り、
この後から販売された、ピンクの2冊目の方が人気なんですよね。

理由の推測ですが…

  • 「例題ー具体的な解き方」のセット形式が理解しやすい

  • 黄色の1冊目よりも、「抽象的な解説=飲み込みにくい内容」が少ない

わかりやすいんですよね。
でもわかりやすいすぎて、これを1冊目に持ってきてしまうと、
「パターン思考から抜け出せなくなる危険性」を感じました。

「こういう問題が来たら、こう解けばいい!」
ってなってしまっている状態は、面接官からすると思考を放棄しているように感じます。

「この問題の本質はXXなので、このパターンを用いるとXXだから、効果的な可能性が高い」
このXXを自分で言語化できるようになることは、本当は重要です。
XXをより解説しているのが黄色の1冊目で、飛ばしてわかりやすくしているのがピンクの2冊目です。

戦略コンサルレベルを目指すのであれば、サボらず本質を理解しに行きましょう。
この本を買うなら、「教科書」ではなく「問題集」として活用すべきです。

【推奨ポイント】

①問題集として見ると、非常に良問が詰まっている

確かにこの問題出したことある!似た問題とかされたことある!
が、沢山詰まってます。
「問題だけ見て、自分で問題を解いてみる→解答と見比べてみる」
という使い方を推奨します。

理由1: そうした方が、模範回答が優れている場合、”何故優れているのか”がより染み込む
理由2: そもそも模範回答が(3-1)で解説したように、個人的な感想からすると”高松さんの好み・クセな、細かすぎる解答”も多い。全て鵜呑みにはせず、しっかり自分の思考を持ち、時には「自分の解答」の方が今回は優れていると思えることも重要


②特に後半の「 フェルミ推定」×「問題解決」のパートは、非常的な本質的


私もケース面接の実践練習の受講者によく、「後半の打ち手を見据えてフェルミ推定してください」というのですが、これは簡単ではないです。
この本の後半は、後半の考え方が事例付きで解説されているので、
「打ち手に繋げるとはこういうことか!」の理解に役立ちます。
(でもパターン暗記はやめてくださいね)

もうすでに申し上げたのが大部分ですが、改めて非推奨ポイントもまとめると以下になります。

【非推奨ポイント】
①「例題ー解き方」のセットの繰り返しなので、パターン暗記に陥りやすい

②(YUKI個人的な見解)少し細かすぎる、実践的ではない模範回答もある
特に「田のアプローチ」は個人的には推奨していないのですが、この本では多用されています。

③「暗記しちゃってください」というメッセージは、戦略コンサルを目指すレベルの人には適していない

再度、まとめ的にお伝えしますが、「問題集」として活用しましょう
そしてどんなに良い解法だろうが、丸暗記はやめましょう。

なぜなら第1に、本に載っている回答を話す受験生が非常に多く、面接官的にはみんな同じこと言ってくるじゃん…と新鮮味を感じなくなってしまう。
そして第2に、深く考えずに使うフレームは、絶対に面接官の質問でボロが出ます。なんでそのフレームを選んだの?なんでその閾値にしたの?という質問に答えられないと、面接官はあ…暗記したんだな、とがっかりします。

一昔前までは「東大生シリーズ」の回答を丸暗記する受験者に溢れ、
今は徐々に「高松さんの本シリーズ」の回答を丸暗記する受験者が増えてます。

すごーく良い本なのですが、上記の理由もあるので、
解答を覚えようとはせず、
ちゃんと自分で考えて自分の解答を作れる力
をつけましょう。


(3-3)  地頭力を鍛える 問題解決に活かす「フェルミ推定」

有名本として、間違いなくランクインする1冊になると思います。

【サマリー】
・YUKIのおすすめ度:
★★☆☆
・難易度:
中級者〜上級者向け
推奨対象者: 
   ー1冊目「フェルミ推定から始まる問題解決の技術」を既に読んでフェルミ推定の基礎を理解した方
 ー1~2次面接で他の受験生と差がつくレベルのフェルミ推定を目指す方
・ページ数・目安読了時間: 229P / 3~4時間(練習時間を除く)

今回のレビューのために、初めて読んでみたのですが…
いやー!! 面白いっ!! めっちゃ好きです!!笑

なのに★3としているのは、読み物としては大変面白いけど、
「フェルミ推定」の対策本の1冊目用ではないからです。

フェルミ推定とサブタイトルに入ってますが、タイトルの「地頭力」を鍛えるという方に9割の重きが置かれてますね(だから本質的なのかもしれませんが)。

初心者ではなく、中級者が上級者にステップするために推奨します。

【推奨ポイント(中級者向け)】

①根本的に、「良い思考法」はどうやったら鍛えられるかが解説されている

この本で解説されている「地頭力の三層構造図」を理解し、自在にどの思考法を使おうか意図できたら最強のコンサルタントになれます。
「自在に使う」まで一気に行くのは難しくとも、自分でフェルミ推定・ケース面接を独学した後に、解答をブラッシュアップするために「この思考法で強化したらどうなるか」という目線を持つのは有用です。

②「地頭力のチェックリスト(p.65-71)」は、まさに面接官が見ているポイントを解説している

全部見ている・よくそこ気にして質問しているポイントが、全部上がっててちょっとビビりました。
これを守れるようになれば、本質的なフェルミ推定にかなり近づきます。

とても本質的で良い本ですが、注意点もいくつかあります。

【非推奨ポイント】

①例題が「古いすぎる」

2007年初版の本なので、今のフェルミ推定のトレンドにはあってないです

②抽象度が高く難しい本。初心者が最初に読んでしまうと躓いてしまいそう

1冊目で読んでしまうと折れるかもしれないので(結局フェルミ推定が何かわからずに終わってしまう)、2冊目にとっておきましょう。
2冊目であっても、この本を読んで難なく理解できたなら、
戦略コンサルタントにとても向いていると思います笑

時間がある方は、以下の流れで勉強するのが1番良いかと思います。

  • (3-1) : 基礎をわかりやすく学ぶ

  • (3-3): 本質的に気をつけるべきことを学ぶ

  • (3-2): (3-1)(3-2)で学んだことを実践する


(3-4)  現役東大生が書いた 地頭を鍛えるフェルミ推定ノート

超有名本ではありますが、基本、推奨はしません

【サマリー】
・YUKIのおすすめ度:
☆☆☆☆
・難易度:
 初心者向け
推奨対象者: 
   ー1冊目「フェルミ推定から始まる問題解決の技術」を既に読んでみたけど、難しすぎると感じた方
ー数日後に面接を控えていて、その場しのぎをなんとかするしかない方
・ページ数・目安読了時間: 141P / 1~2時間(練習時間を除く)

唯一おすすめするシチュエーションは、
「明日面接があるのに、ケース面接対策を全くしていない時」です。

冗談に聞こえるかもしれませんが、YUKIが新卒の時の実体験になります…

  • メーカーが本命だったが、先輩に勧められてコンサルも受けて見ることに

  • 2日後にMBBの1次面接を控え、流石に何か対策した方がいいかもと思う

  • 東大生シリーズを2冊買い、2時間程で読み切る+例題を2~3問解いてみる

  • 1次面接で超定番「新幹線の中のコーヒー売上」を出題される

  • 「本に載っていたぞ!!」と気づきながらも、全く模範回答を覚えてなかったので、その場で自分の解をなんとか捻出する

  • 1次面接をおそらくギリギリ通過

その時に、この本に間違いなく助けられたかとは思います。

【推奨ポイント(初心者向け)】

①ゼロから「フェルミ推定」がどんなものかを掴むのには役立つ

そもそもフェルミ推定が何かすら知らない
そういう人が感覚を掴むには、わかりやすい本かとは思います。

②サクッと1〜2時間で読める
直前の駆け込み用には、頼れる相手です。

ただし、このNoteを読んでいるくらい準備を慎重に勧められている方なら、
以下の観点から、これ以外の本を選ぶべきでしょう。

【非推奨ポイント】

①パターン暗記を助長する

「例題と解き方」を淡々と解説していますが、
なぜその切り口?なぜそのアプローチ?の解説は浅めです。
この本だけで、本質的なフェルミ推定の考え方を身につけるのは難しいでしょう。

②鵜呑みにすると危険な解法がちらほら

「壺型人口ピラミッド」「世代と男女でセグメント分け」「レジの回転率」「実感ベースで置きました」
これを聞いた瞬間に、面接官としては激萎えします
もちろん、有効な使い方をしているときもゼロではないんですが…
本質的でないケースにまで当て嵌めようとする人の、まぁ多いこと…。

③半分以上は、今のトレンドでは出されないタイプのフェルミ推定
いくつある系は今はかなり出されづらくなってます。

この本を解法を覚えるまでやり込む、というのは絶対にやめてください
実は自分のように、ざっくりとケース面接・フェルミ推定がなんたるかを理解したけど、模範回答は覚えてないので、目的意識を持ってその場で考える方が、使い方的には良いのかもしれません。


(4)ケース面接の対策本


(フェルミ推定もケース面接に含まれると思いますが、ここではそれ以外をそう呼ばせてください)

1冊目は「過去問で鍛える地頭力」をお勧めしてますが、
もう1冊読む余裕があれば「戦略コンサルティング・ファームの面接試験」をペアで読むと良いでしょう。
この2冊はお互いの欠けているところを補完している印象があります。

ケース面接の基礎を押さえてくれるのに役立つと思います。
しかし、どちらの本も「フレームワークに振り回されるなよ?」と注意されているのに、そうなってしまう受験生が後を立ちません。

この本の内容を本当に理解するには、後述のセクション5の論点思考・仮説思考もぜひ身につけると良いと考えております。
合格解答の再現を読むのもおすすめです(わかりやすい本に出てくるフレームをそのまま使っている人が少ないことを体感できるはずです)


(4-1) 過去問で鍛える地頭力―外資系コンサルの面接試験問題

1冊目として適切な本かと思います。
が、注意点も多いので、その辺りを理解して読むべきでしょう。
(前半のフェルミ推定はトレンドに合わないので読み飛ばしてOKです)

【サマリー】
・YUKIのおすすめ度:
★★★★☆
・難易度:
 初心者〜中級者向け
推奨対象者: 
 ー「ケース面接」がどんなものかを理解したい方
 ーコンサルの思考のプロセスを追って理解してみたい方
・ページ数・目安読了時間:
195P / 2~3時間
(ただ後半のケース面接パートだけであれば1時間程度)

「とっかかりやすさ」と「本質的な思考」のバランスに優れた1冊だとは感じております。

【推奨ポイント】
①読みやすく、わかりやすい
例題10題を通じて、「論理的に課題を解く」とはどういうことかを具体的に解説しています。論理的がゆえに、内容もするする頭に入ってくるかと。

②よくある受験者の失敗を説明し、なぜダメなのかを解説
全体議論をせずに、具体施策を話し始める人がいかに多いか。
そうすべきではない理由、全体構造から入る重要性を説明してます。

「分解方法(フレーム)とそこに至る思考プロセス」を様々紹介
分解の方法は一意ではなく、その問題に依存すること。
最終的には綺麗なフレームで整理しているが、そこまでの思考プロセスも記載している。

④各問題の「HINT」に地味に良い、着眼点がのっている
(本番でもこういうことを機にすべき)

ただし、冒頭でも言った通り、注意点もあります。

【非推奨ポイント】
①本の内容としては薄めなので、これ1冊だけでOK!とは言えない

ここでカバーできていない、ケース面接の思考方法やコミュニケーション方法については、特に別の本で補うべきかと思います。

②整理のフレームが”キャッチー”かつ”わかりやすい”ので、本質を理解していないのに使いたくなってしまう

これはこの本というよりは読者の責任なのですが…
本ではあくまでも「問題設定を深く理解し、それに合わせて構造化しよう」と主張しているにもかかわらず、後段で使われているフレームだけを持ち出して目の前の問題に当て嵌めようとする人が非常に多いです。

「新規顧客・既存顧客 × 新規ビジネス・既存ビジネス」
・この本は、”斜陽産業”だから成長しなくちゃいけないよね”、”コンテンツ・顧客基盤ビジネスだから”という理由でこのフレームを持ち出してます
・全然条件が違うのに、とりあえずこのフレームを使おうとしてませんか?

「マーケティングの4P」
・この本では、先にターゲットを決めてから、そこに向けてのマーケティング施策として4Pを持ち出してます
・ターゲットも決まってないのに、いきなり4Pの施策を話していませんか?

この本にあるフレームを使う時には、なぜ今そのフレームを使うのが有効なのか?を自分でちゃんと考えるようにしましょう
(非推奨ポイントというよりは、これができないなら本の意義が薄れるというポイントです)

内容自体は非常に本質的ではあるので、
その本質を理解するために、他の本を補完的に使うようにしましょう。


(4-2) 戦略コンサルティング・ファームの面接試験

グローバルではNo.1の売れ行きを誇る中、なんとなく日本における知名度は落ちる印象。
YUKIもこの本を使って対策しましたが、読んで損はしないと思います。
特にマッキンゼーを受けるなら、マストバイです。

【サマリー】
・YUKIのおすすめ度:
★★★☆☆
・難易度:
 初心者〜中級者向け
推奨対象者: 
 ー(must)マッキンゼーを受ける方
 ー基礎的なフレームワーク(3C, 利益, M&A)に対する理解度が低い方
 ー面接官とどう”会話”すべきかわからない方
・ページ数・目安読了時間:
366P / 4~6時間

何より良いのは「こう受験者に挑んできてほしい」「こういう会話がなされたら嬉しい」というのが解説されていることかと思います。
とても、面接官目線な1冊になってます。

【推奨ポイント】
面接官の視点で、どう受験生に振る舞ってほしいかが解説されている

(共感ポイント)
・プロフェッショナルに振る舞うべき
・安定して問題解決するための素地があるか(正しい答えよりも、求めるべきは”正しい答えを出すためのプロセス”)
・CEOの立場に立って、重要な経営分岐を考える
・フレームを固定せず、カスタマイズする気持ちで挑む
・仮説更新に躊躇すべきではない

厳選したフレーム・ワークと、それをどう有効に使うかを解説

フレームを"表面的”に知っている人は、理解のために読むべきです。
特にマッキンゼーの面接とは相性抜群です。
(マッキンゼーの面接の直前には、いつも「ビジネス環境フレームワーク」を特に自分は復習してました)

他のファームでももちろん使えるのですが、やや原理主義すぎるかもしれません。面接中にこれをずっと使うより、要所で使うイメージを他ファームでは持つべきかと思います。

面接官と受験者の「会話事例」がわかりやすい
 
会話形式で紹介している本は少なく、この本をお勧めする1番の理由です。
この本を読むと、面接官から情報を引っ張り出すこと、一緒に議論して仮説を作り上げていくことということがどういうことかの理解が進みます

読んだ人も持つ感想かとは思うのですが…

【非推奨ポイント】
①想定されているケース面接の形式がTHEマッキンゼーすぎて、
他のファームだと全く同じ形式で出されることはない

これ1冊だけだと想定していた形式と違う!となりかねません。
他の本や、ネットに転がっている過去問・合格解答をしっかり見て、
どのようにこの本で学んでいたことを転用できるかの目線は持つべきです。

②ちょっと原理・フレームワーク主義すぎる傾向
もちろんフレームワークはパワフルなのですが、実際の面接では「何が論点、何が仮説か」を疑い考える思考力も重要です。
この本に載っていることは1つの武器として身につけるべきですが、これだけで全てのケースがなんとかなる!と思わない方がいいです。

学ぶところも多いけど、これだけだと危険。
そう意味では数冊目の補完としてお勧めです。


(4-3) 東大生が書いた 問題を解く力を鍛えるケース問題ノート

超有名本ではありますが、フェルミ推定と同じく、推奨はしません

【サマリー】
・YUKIのおすすめ度:
★☆☆
・難易度:
 初心者向け
推奨対象者: 
ー数日後に面接を控えていて、その場しのぎをなんとかするしかない方
・ページ数・目安読了時間: 141P / 1~2時間(練習時間を除く)


「明日面接があるのに、ケース面接対策を全くしていない」なら、
フェルミ推定と2冊を買って、さらっと読みましょう笑

【推奨ポイント(初心者向け)】

①ゼロから「ケース面接」がどんなものかを掴むのには役立つ

②サクッと1〜2時間で読める

③「公共政策系・身近な課題解決系」の解説本は少ないので、ここだけは参考にしても良いかも

ただし、このNoteを読んでいるくらい準備を慎重に勧められている方なら、
以下の観点から、これ以外の本を選ぶべきでしょう。

【非推奨ポイント】

①パターン暗記を助長する

そもそも東大生シリーズ自体が、「パターン化」「暗記」を助長する書き方になってます。絶対にやめましょう。

②因数分解に頼りすぎている
基本的にどんな問題も「因数分解して」、「原因を特定して」、「打ち手に繋げる」ことを推奨してます。因数分解は1つのやり方に過ぎません。
因数分解以外の武器を増やすために、(5-1)(5-2)(5-3)あたりの論点思考・仮説思考をベースから身につけましょう

これもさらっと読み物にするのは良いかもしれませんが、
ここに載っている解法を暗記するのはやめましょう。 


(5)論点・仮説思考の解説本


本セクションでは、所謂「ケース面接対策本」とは銘打っていない、
むしろコンサルの本質的な考え方を解説している本をレビューしていきたいと思います。

初心者をに抜け、中級者に来たがそこで止まってしまう…
そう言う受験者は対策本で覚えたフレームに囚われ、本質的な思考ができていないことが非常に多いです。

特にMBBをはじめとする戦略コンサルでは、
受験生に論点・仮説思考の素養があるかを測ろうとしてきます。

ぜひ戦略コンサルレベルを目指している方は、こちらのセクションの本を手に取ってみることを推奨します。

お勧め度は、以下の順です。
イシューからはじめよ
・仮説思考
・論点思考
・考える技術・書く技術

特に時間がある方には上位2冊を読むことを、強くおすすめしてます。
その理由についても解説させていただきますね。


(5-1) イシューからはじめよ

言わず知れた銘書
コンサルならば1度はきっと読んだことがあるはずどころか、
バイブルとして数ヶ月置きに読み返すという人も多い。

実際のプロジェクトになってより役立つ考え方が多く載っておりますが、
ケース面接にも適用できる部分(というか本質的に知っておいてほしい部分)が細かに、けれどもわかりやすく解説されてます。

【サマリー】
・YUKIのおすすめ度:
★★★★★
・難易度:
中級者〜上級者向け
推奨対象者: 
 ー総合コンサルから、戦略コンサルへの転職を目指している方
 ー3ヶ月以上対策に時間が取れ、本質的なケース面接対策がしたい方
 ー入社してからコンサルとして活躍していきたい方
・ページ数・目安読了時間:
243P / 5~6時間

そもそも論点って何?仮説って何?
なんとなくわかっているつもりだけど、説明しろと言われると言語化できない…
そういう方に噛み砕いて、わかりやすく説明がなされています。

タイトルはイシューからはじめよ、ですが…
実は論点思考の1番良い解説本だと思ってます。
また、相手にどう伝えたら面白いと感じてもらえるか、メッセージングも理解できるようになります。

【推奨ポイント】
「本質的な・面白い論点」とは何かを掴めるようになる
②なぜコンサルは「スタンスを取るべき」かが理解できる
「ストーリーラインの組み立て方」がわかるようになる
(基本のwhyを並列で並べる、McKの型: 空・雨・傘)

良書すぎて、非推奨ポイントは正直ないのですが、
強いてあげるならば…

【非推奨ポイント】
実プロジェクトを念頭に置いてあるため、特に後半のページは
ケース面接にはそのままでは当てはまらない

時間がない方は以下の重要なページだけでもしっかり理解しておくと、
ケース面接に大いに役立つかと思います。
(もちろん時間がある場合は、全体を読んで、その上でこの重要な部分を反芻することをお勧めします)

【時間がない方向け: ここだけでも読んでほしい!!】
①p48-56: 仮説を立てる
②p57-74: よいイシューの3条件
③p133-137: ストーリーラインの2つの型

あと面接までに1~2週間しかない!!であれば、
流石にこの一冊を読み込むのはハード過ぎますが…

もし何ヶ月間か対策に時間を取れるようであれば、
ぜひ1冊買われることをお勧めします。


(5-2) 仮説思考 BCG流 問題発見・解決の発想法


元BCG日本代表の著者が書き上げた、これまた名著

(このセクションには名著しかないです)

同一作者が「論点思考」という本を出していますが、
こちらの仮説の本の方を先に読むべきと思ってます。

その理由も解説いたしますね。

【サマリー】
・YUKIのおすすめ度:
★★★
・難易度:
中級者〜上級者向け
推奨対象者: 
 ーケース面接の基礎は一通り理解し、「仮説」の精度をあげていきたい方   
 ー2ヶ月以上対策に時間が取れ、本質的なケース面接対策がしたい方 
 ー総合コンサルから、戦略コンサルへの転職を目指している方
 ー戦コンのインターンに参加し、「仮説構築・更新」のループを回す体験をする予定がある方
 ー合格後を見据えて対策をしたい方
・ページ数・目安読了時間:
240P / 5~6時間

コンサルのいう、仮説ってそもそも何?
どうやったら安定して良い仮説を埋めるようになる?

その疑問を解消してくれる一冊です。

【推奨ポイント】
①手元情報で「スタンス=仮説を立てる」重要性が理解できる
「仮説をひらめくコツ=視点を変える」が紹介されている
「仮説で失敗すること」を恐れてはいけない理由を解説
(結構怖がっている受験者が多い)

考える材料の少ないケース面接で、なんとか”良い仮説”を出すための、有用なアドバイスが沢山なされています。

この本に書いてある仮説思考の重要性が真に理解できると、
面接官とのQAが「詰められている」から「一緒に仮説を立証・棄却している」に意識が変わるはずです。

【非推奨ポイント】
①時間をかけて普段から仮説思考を磨く方法を解説しているので、付け焼き刃で直前に読むと却って混乱しかねない
(ので、しっかりベースが整っており、時間がある方向け)

実質的な非推奨点はなく、
時間の猶予がある方はぜひ読むことをお勧めしてます。

面接の思考の順番は、論点→仮説が王道ではあるのですが、
YUKI所感としては、本の読み進めるべき順番は(4-4)仮説→(4-3)論点です。

初心者〜中級者にとっては、こちらの仮説の本の方が、
論点の本よりも理解し、すぐに実践しやすいかと思っております。


(5-3) 論点思考 BCG流問題設定の技術


(4-2)の作者が書いた、今度は論点思考にフォーカスを置いた本になります。

仮説を立てる前に、
そもそもどの領域で仮説を立てるべきか?
すならち、論点設計について深く解説した1冊になります

【サマリー】
・YUKIのおすすめ度:
★★★
・難易度:
中級者〜上級者向け
推奨対象者: 
 ーケース面接の基礎は一通り理解し、「論点」の精度をあげていきたい方   
 ー2ヶ月以上対策に時間が取れ、本質的なケース面接対策がしたい方 
 ー総合コンサルから、戦略コンサルへの転職を目指している方
 ー戦コンのインターンに参加し、「動く論点」と接する機会がある方
 ー合格後を見据えて対策をしたい方
・ページ数・目安読了時間:
235P / 5~6時間

そもそも論点って何?なんでそれが重要なの?
というのが腑に落ちていない方に向けになります。

実践的な論点設計に焦点が当てられております。
いかに論点というのが動いて暴れてしまうか、
1つ選んでフォーカスしないと相手に何も伝わらなくなってしまうか、
どういうコンサルが日々、大事にしている心構えを解説してます。

【推奨ポイント】
①そもそも「なぜ論点思考が重要か」が腑に落ちる
「論点は動的なものである」ことが理解できる
「論点は思い切って1個選ぶべき」重要性が理解できる

考える技術・書く技術とは異なり、
読みやすく噛み砕いて書いてあるため、
するするーと読むこと自体はできると思います。

ただ実践向けなので、ケース面接になると言われているアドバイスを全部実践することは中々難しいでしょう。

【非推奨ポイント】
実践に有用な4STEPは非常に実用的だが、ケース面接でそこまで頭を動かそうとすると時間が足りなくなりかねない
(1: 論点候補を拾い出す、2:論点を絞り込む、3:論点を確定する、4:全体像で確認する)

ケース面接で与えられる考える時間を、これに全部使ってしまわないように調整できるくらい
土台ができているのであれば、ブラッシュアップに読むと良いかと思います。

面接だと考える時間が足りませんが、
インターンに参加する新卒は読んでおくと良い一冊にはなります。
(ただイシューとどちらか一冊と言われると、イシューの方がお勧めです)


(5-4) 考える技術・書く技術

こちらもコンサルの定番すぎる一冊ですね。
特にグローバルでみたら、1番有名かも知れません。

もちろん、ものすごーく良い本なんですが…
YUKI個人としては、実はケース面接対策としては優先度は低めだと思ってます。

定番本のくせに、こちらは今回紹介する本の中でも、最も上級者向けです。

【サマリー】
・YUKIのおすすめ度:
★★☆☆☆
・難易度:
 上級者向け
推奨対象者: 
 ーケース面接のレベルが、すでにMBB合格レベルに達した方
 ーケース面接というより、入社後を見据えて力を磨きたい方
 ー対策期間が5~6ヶ月以上ある方
    ー戦コンのインターンに参加し、資料作成をする機会がある方
・ページ数・目安読了時間:
289P / 8~10時間

もちろん、世界的に有名な本なだけあって、
学ぶことは本当に沢山あります。

【推奨ポイント】
「メッセージをサポートする」とは如何なるかを、いろんなパターンで理解できる
②コンサルがこだわる「サブ論点や主張を”綺麗”に設計」できるようになる(粒度の添え方・関係性によるグルーピング・物事を述べる順序など、
細かい部分の所作がわかる)

こんなに良書なのに、なぜケース面接の対策としてはお勧めしないかというと…

【非推奨ポイント】
①熟思できるときには、適用すべき重要な考え方が詰まっているが、
考える時間が短いケース面接で、このルールを守り切るのは正直難しい

「書く技術」とタイトルにある通り、
それこそコンサルの最終プレゼンで準拠すべきルールが網羅的に解説されている、そんな一冊になっています。

逆にいうと初心者〜中級者が、下手にこの本に書いてあることを、
ケース面接中に全て実践しようとすると、
フレームワークにとらわれ本質的な思考ができなくなったり

言葉に詰まってしまったり、しかねません。

もうある程度のレベルに達した自信がある方、
読んでもこのフレームに釣られ過ぎずケース面接で柔軟な応対ができる自信がある方、
そういう方が最後のブラッシュアップで読むような1冊として、YUKI個人としてはお勧めします。

(本Noteでは「ケース面接対策本」としてはお勧めはあまりできないと書きましたが、コンサルのバイブルとしては読まない手はないです)


(6)業界・ビジネス理解のための本やサービス

(6-1) 「会社四季報」業界地図 

最新版の1冊、絶対に買ってください。
これについては、強く言い切ります。

よくある勘違いとして、
「コンサルはポテンシャル採用だから、知識は問わない、思考力があれば通るよね?」と思っていらっしゃる方がいます。

あなたが突きつけた天才ならいいのですが…
昨今の戦略コンサルは「見識も、思考も両方備えてきた秀才との勝負」になることを念頭においた方がいいです。

同じレベルの思考力の受験生が横にいるのであれば、
差を分けるのは「どれだけ考えるための材料を既に持っているか、これまでに思考を積み重ねてきたか」です。

見劣りせず、なんなら「お…業界のこともちょっとわかってるじゃん?」と思わせられる。
そのレベルの基礎的な業界知識を身につけるのに、
この業界地図が良い出発地点
になります。

【サマリー】
・YUKIのおすすめ度:
★★★★★
・難易度:
 初心者〜上級者向け
推奨対象者: 
 ー全てのレベルの方
(ビジネスがわからない〜総合コンサルで働いている人まで)
・ページ数・目安読了時間:
319P / 100~200時間
(ただし全ページを読み込まなくても問題はない。推奨する使い方は後述)

業界地図の構成としては、基本的には見開き1ページで、
各業界の「トレンド」や「主要プレイヤーとその動向」に関する情報が、
きゅっと詰められています。

特にケース面接に活かす目線であれば、次の3点は押さえておくべきです。

【推奨ポイント】
業界のトレンド・キーワードがまとめられている
→面接官はここを論点にしたがる。予め知っていれば面接官とすりあう論点を設計しやすくなる。
キーワードも知っていると、良い仮説を生みやすくなる。

主要プレイヤーと、業界の寡占状況を抑えることができる
→より受験生の差を見るために、「特定の企業に向けてアドバイスして」とするケースが増加している。そのプレイヤーのポジションや、競合の状況を押さえていると非常に有利。
特定企業を指定されていない場合でも、自分で指定し・面接官と握り、戦略を練った方がよりディープな議論になりやすい。
質問例: 「業界何番手かによって取りべき戦略も変わってくるかと思いますが、今回のクライアントとして業界xx番手のxx企業のようなプレイヤーを想定しても良いでしょうか?」

②売上高が載っているので、フェルミ推定で算出すべき数字感覚が身につく
→ふーん、と眺めておくと自然と市場規模に対する感覚が身につきます。

自分は、以下のような読み進め方を各業界にしてました。
・まず概要・トレンド解説欄をしっかり読む
・プレイヤーの名前・売上・上位5番手くらいまでの戦略を読み、「どういう戦い」になっているかを自分なりの言葉でまとめてみる。

ただし、購入してみてわかるのですが、
この業界地図1冊にはとんでもない量の情報量が詰まっており、
気合いを入れないと、とても全ページは読めません
(自分は2ヶ月ほどかけて、1日3~5業界分、読むのを習慣化してました)

時間がない方は、「特に出題されやすい」「業界知識が全くないと的外れになりやすい」業界に絞って対策すると良いでしょう。

【時間がない方向け: ここだけでも読んでほしい!!】
最優先:
出やすいのに業界知識ないと太刀打ちしずらい
・自動車・自動車部品
・半導体・半導体製造装置・半導体材料
・電力・ガス
・生命保険・損害保険
・医薬品

優先: 出やすいかつ馴染みがあるので、全体像を理解しているか・差別化できる洞察を盛り込めるかが差になりやすい
・カメラ・スマホ
・白物家電
・飲料・酒類
・広告・動画配信・放送局
・プロスポーツ
・コンビニ・スーパー・百貨店・ドラッグストア

ぜひ買って、上記の業界だけでもパラパラ毎日眺めてみる+
ケースの復習の際に読み込むことを習慣化することをお勧めします。

入社してからも、プロジェクトDay1に最初に取り出す本です。
それだけ最初に知るべき有用なことが詰まってます。


(6-2) 日経新聞・Podcast

ビジネスに全く詳しくないんだけど!!
って方も多いと思います。

ぜひ対策期間中、毎日日経新聞を読む or Podcastを聞いてください
ビジネス知見がちょっとずつ貯まっていくはずです。
(結構毎日読むのは辛い&高いので、Spotifyとかで聴ける無料のPodcastはかなりおすすめです)

面接で最近気になるニュースは?と聞かれても、
最近話題になっている「XX」について話そうか、と言われても狼狽えなくなります。


(6-3) Webの活用

問題を解いて復習する際には、Web検索して情報収集することを癖づけてください。
おすすめは「業界のトレンドについてまとめた記事」や「業界トップ・新興プレイヤーのIR記事」を読むことです。

この蓄積が地味にビジネス常識力とセンスに寄与していきます。
ぜひわかりやすい”対策本”だけでなく、こういった情報種集でベースの力をつけていきましょう!!


(7) 終わりに 

本Noteでは、ケース面接の対策本に迷われている方に向けて、
有名な本を比較レビューさせていただきました。

いかがだったでしょうか。
少しでも、これからの対策指針に役立ったのであれば嬉しいです。

ぜひ「この本も有名じゃない?気になる」があれば、コメント等いただければ加筆修正を検討いたします。

対策本に限らない、「対策の全体像」や「効率的な演習方法」などについて知りたい方は、ぜひ下記のNoteを参照してみてください。

もし少しでも内容を気に入っていただけましたら、
最後に「スキ」ボタンを押していただけると非常に励みになります。

改めまして、この度は本Noteをご覧いただき、誠にありがとうございました。

YUKIより

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