Google Pixel4をめぐるデザインの冒険のお話
Pixel4を買いました
出たら買おう!と決めていたので、レビュー読み込みもそこそこにポチっちゃいました。
そしたら思いの外爆速で本体が届いてしまい、SIMもケースも準備がなくて、しばし「かわいい石的なオブジェ兼カメラ」として愛でておりました….。
おかげさまで、もう6億年ぶりくらいに「スマホのデザイン」から気付きを得ることができましたので、ここに記します。
ありがとうGoogle!
ファーストインプレッションは「?」
正直、Pixel3のイメージで来ると思ってました。ほかのプロダクトはペールトーンでまとめてるし。
なので、このコントラストの激しい3トーンカラーリングに、最初は「んん?」となりました。
しかしまぁ時間を少し置くうちに、ポップな世界観はありだな、かわいいなと思うに至りました。だって「おにぎりか鮭みたいなスマホ」なんて世界のどこにもないしね。
手に取った瞬間の裏切り(良い意味で)
さて本体が届いてハンズオン…ですが。
重い。
なにこれ、何でできてんのこれ。
ついでにかすかに甘い苺大福の匂い(これは紙箱の匂いと後に判明)。
パッと見のポップな色彩とシンプル形状からは想像もつかないような、しっとりと肉感的な重みと丸さ、手に吸い付くような滑らかな手触り。よく見れば鈍く光るバンパーの謎めいた質感(とてもアルミに見えない)や、目立つ電源スイッチの絶妙なオレンジ色など、しっかりと質感の高さが伝わってきます。
ポップ可愛い顔してしっとり上品だし色っぽい、なんなのよキミ…と、しばし混乱が隠せませんでした。
Pixel4にデザインの冒険を感じる
見た目(形状、色彩構成)と、触ったときの触感(質感、重み、断面のミックス)の裏切り方は、今までのプロダクトデザインのお約束をぶっちぎってる感じがしてとても新鮮でした。
こんなコケられないプロダクトで、すごい冒険です。
ふつう、今時のモダンデザインをするときは、材質や質感をストレートに感じさせる表現と、それを予期させる形状にするのが教科書的デザインだと信じてました、わたくし。
Pixel4は、見ても触っても、ガラスとアルミと知っても、まだ何で出来てるのか正直良くわからない。
でも、そこに感じるのは素晴らしい心地よさだし、その材質じゃないと出せない仕上がりと触感にもなっている。
そして、ちゃんと質感が滑り止めなんかにも貢献していて、「デザイン(CMF含む)は機能に従う」の法則に乗っ取ってるという…
これってアイビーデザインの計算通り?
アイビー・ロスはGoogleのデザイン言語を「人(human)」「楽観的(optimistic)」「大胆(daring)」と話していました。
スイッチのワンポイントカラーは確かに大胆ね~くらいにしか思ってなかったんですが、とんでもねぇ。そんな薄っぺらな話じゃねぇ。
人に寄り添うけど溶け込むだけじゃない、浮き立つ気持ちと生活の風景が同時に成り立つ。新しい世界観がいよいよ立ち上がってくるのを感じます。
まぁ、全てただの考えすぎなのかもしれませんが。
次はどうなる?
思えばPixel3は「裏切らない可愛さ」の完成形だったのかもしれません。それらは今回Pixel以外のプロダクトに継承されて、Pixel4は次のステージのデザインの冒険に出てしまったのだとしたら、次が楽しみで仕方ありません。
今度はどんな新しい世界を見つけに行くのかな。
※注記:ハンズオン時に「重っ!」てなったのは、私が「重くなったよ、ガラスとアルミでできてるよ」というレビューをまともに読んでいなかったからです。Pixel3と同じくらいと思い込んでた。レビューはきちんと読みましょう。