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フラット貸主への愚痴が止まらない話

今、一時的に住んでいるフラットは、お世辞にもキレイとはいえない状態だった。香港人でかなり潔癖の女子ジェリーと、同じく香港人のおじさんエディが、私より2日ほど早く到着した際その有様に絶句し、掃除してくれたらしい。彼らによると、冷蔵庫もカビだらけ、冷凍庫はそもそも霜だらけで閉じない状態。洗濯機や乾燥機もほこりだらけで汚い、などなど。私が到着した日には、ある程度キレになっていたが、それでもトイレは見たことのない黒ずみだし、(水が溜まっている部分の全てが黒い)お風呂場もあまり掃除されていないような雰囲気だった。

掃除の手間があったことで、ジェリー&エディは相当頭にきていたらしく、賃料を値引きしてもらおうと貸主に交渉するメッセージを送っていた。そう、この貸主、ビラージュが事の発端である。私もとりあえず便乗し、安くなったらラッキーくらいで交渉を待っていた。だが、交渉は決裂。「もともと正規料金よりも安く借りに出しているから厳しいし、そもそも掃除してくれとかはお願いしていないから、その分で値引きとかはできない。」と。え、めっちゃむかつく言い方してくるやん。そっちが使える状態で引き渡していないのに、なんて言い方だよ。

私も、これでむかついたのと、貸主ビラージュの人間性を疑い始めたので、£100のデポジットの支払いを拒否。だって、こんなに破損と汚損がひどい家で、うちらが出た後に大家に修理代を請求されたから、と£100を取られたのならたまったもんじゃない。こうして、賃料の値引きは無理だったが、取られる可能性のある£100は死守した。

とはいえ、この様子を見ていると最初から住んでいるインド人カップルも相当汚く使ってきたように思えて、あまりこの人たちと深く関わらないようにしよう・・・なんて気持ちにもなったものだが、話はちがった。

インド女子ガウリーの話は、こうだ。

半年前、ガウリーとツシャールはカップルで入居していいというからここに入ってきた。ビラージュ含め他の同居人もすべてインド人だったのだが、その人たちが信じられない人々だった。

「同じインド人として恥ずかしい!私が人生で住んだ中でここが一番Dirtiest(一番汚い)な場所なの、奴らトイレすら流さないのよ、信じられる?」

と、嘆くガウリー。ひどすぎて毎日泣いてお母さんに電話していたというほどの有様。いくら自分たちが掃除しても汚く使う人たちなので、こまめに掃除するのもあきらめたという。

そもそも、このフラットが貸しに出された理由も、彼女の話でようやく理解した。私は勝手に、1ヶ月くらい実家に帰るからその間に住んで良いよ、みたいな人が貸し出しているのだと思い込んでいたが、実際は全く違った。

まず、ここにはカップル含む5人のインド人が住んでいたらしい。みんな学生で、カップル以外はこの8月に卒業し国に帰ったそうだ。しかし、部屋の家賃は9月末まで発生している。そこで、残りの1ヶ月は誰かに又貸ししよう、ということで他の3人が各部屋を借りに出してビラージュが取りまとめをしていた。しかも信じられないことに、そのことをカップルは全く知らなかったということだ。ガウリーは言う。

「奴ら全員が出て行った日、私は誰かの足音を聞いたのね。みんないなくなったのに何でかな?と思ってたら翌朝、彼(エディ)がキッチンにいて、びっくりしたの!!」

さすがにそれはない。報連相できてなさすぎる。ビラージュは絶対仕事できない奴だ。せめて「違う人くるからね」くらい言ってほしい。そもそも、大家さんとの契約上では又貸しは禁止されているのに、人を住まわせようとさせている時点でやばい。それなので、不動産会社が新しく借りる人を連れてくるフラットビューイングやメンテナンスチェックがあるときは、又借り組みは部屋から出て隠れている必要があった。不便極まりない。せめて、こういう理由だから少し安くするので、多少不都合があっても我慢してね、みたいなことを言われていたのならまだしも。

こんな事前の説明もなく汚いフラットに住まわされた中、唯一の救いは一緒に入居した香港人と、インド人カップルがいい人たちだったこと。この人たちだったから、汚いフラットでも乗り越えられた。私の日記からも、一緒にディナーを作ったり、散歩に行ったり、充実していたことがわかるだろう。その点に関してだけ、だけは、ビラージュに感謝してやる。

そして、約3週間がたったころ、またビラージュからメッセージが。「今月の光熱費の支払いは£42です。入金してください。」はい?なんですと?私は、光熱費込みというポストを見て契約をしたのだが。証拠になると思ってすぐさま部屋探しアプリのページをスクショ。確かに、光熱費込みになっている。その話をすると、「その後僕たちはチャットして、この部分で光熱費を払うのに合意している」みたいな感じでスクショが送られてくる。

その会話の内容は、私から「余談なんだけど、このおうちで一か月いくらくらい払っているの?」というトピックを持ち込み、その中で「家賃は全体で£〇〇で、大体光熱費は一人一か月£40くらいかかるよ。」という内容へ。その後が問題。

「へーそうなのね。これ私が払うの?」

という質問に対して返事は、

「That’s fine=大丈夫」

これは、たしかに「払ってくれればOK」ともとれるし、「払わなくてもOK」ともとれる、曖昧な会話をしていた。当然、私は光熱費込みという考えのもと聞いているから、「払わないでいいのね」と思うわけで、相手は光熱費払ってほしいから「払ってね」という意図で言っていたのだとようやく理解。でも、私は払いたくないぞ。いろいろ説明しても、なかなか通じないので、一旦無視。

そして退去の時。またグループにメッセージが。「明日借主のガウリーとツシャールが退去するので、他の人も明日までしかいられません。クリーニング費をとられないようにきちんと掃除していらないものを捨てて帰って。そして最後に空になった部屋をビデオに撮って送って。」とのこと。

まずインド人カップルがいなくなる日は19日。私は20日まで住めるという条件のもと入居した。幸い新しい家が早く見つかっていたからよかったが、そもそも20日まで住めるって言っていたのが彼らの予定に合わせて出ないといけないのは話が違う。そして、何年も住んで汚くなったフラットの掃除をたった1か月しか住んでいない人に任せて自分たちはトンズラなのも、ちゃんちゃらおかしい。そもそも出ていくときにさえ、まともに掃除していなかったくせに、何を言い出すか貴様。黙れ小僧。

ただ、私たちはガウリーとツシャールと良いお友達になっていたので、私たち関係ないから~と、彼らだけに任せるなんてこともできない。ちゃんとキッチンやバスルームを綺麗にするのも手伝ったし、最後に荷物を持って駅まで送るところまで手伝った。

こんな一連の騒動もあり、絶対に光熱費を払いたくない気持ちが固まる。私はビラージュを未読無視の上ブロックした。幸い£100のデポジットも支払っていないことだし、損することは何もない。最初に払わなかったのは英断だった。さらばビラージュ。そしてありがとうマイフレンズ。


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