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David Bowie is @ 寺田倉庫③

個人的にコアであったベルリンルームの隣は日本限定戦メリ部屋。
ここでは沢山の若い人たちが熱心に映像に見入っていた。
考えてみればこの映画も上映からかれこれ34年になるのだ。
現在の若者たちにとっては初見であったり、新鮮に映るのかも知れない。

その次の部屋が展示としては最後の部屋になっていた。
真正面の壁沿いに、寛斎の鮮やかなニットスーツを着たマネキンが両手と右ひざを床に着き、左足をまっすぐに後ろに伸ばしたポーズをとっている。

壁の三面がプロジェクションマッピングになっており、往年のステージの模様が映し出され、部屋の右端には、おもに90年代以降の各年代の衣装がまとめて展示してあった。

ティンマシーン来日公演で着ていたカエル色のスーツ、
87年のグラスパツアーの真紅のスーツ。
グラスパ時代というともうダサいの極致のような思い込みがあるが、この真紅の衣装は意外にも?とても凝ったデザインでシルエットも非常に美しく、しばし見入ってしまった。

それから96年の「アウトサイドツアー」のゴシック調のグレー系衣装、
光沢のある紺のシルクサテンのスーツ、
2003~2004年の「リアリティツアー」の衣装もあった。

「リアリティツアー」で来日したのは2004年の3月。
さすがにこの頃にはもうおっさん体型になっているだろう、と思いきや…
マネキンサイズは若い頃と同じまま、つまり少年体型のままだったのだ。
バケモンかこのおっさん(笑)


すこし離れたところに展示されていた「ダイアモンド・ドッグスツアー」の紺のニットとサスペンダーパンツの衣装はとてもお洒落で可愛らしく、チャーミングなものだった。

紺のニットは白いドットが可愛らしく普段着のようにカジュアルで、当時のロンドン女子たちはみんなこぞって手編みしておそろいを作ってたとか、そんな可愛い話もある。
思わず「阿部寛のセーターブック」とか思い出すわ(笑)

その右隣の秋色のセット、茶系の丈の短いジャケットにベージュのゆったりしたパンツもこの当時の中性的な容姿にはさぞやよく映えたことだろう。

ルックス的に宇宙人からシン・ホワイト・デュークへの移行期で髪はやや長髪でまだ眉毛がなく、宇宙人から人間に半ば羽化しかけているような、何とも曰く言い難い不思議な魅力を持った時代だ。
時期的にはおそらく短かったのだろうが、あの頃がもっとも中性的で妖精的なイメージだったかも知れない。

この時代は映像もあまり残っておらず、相当貴重な衣装だろうに、その割に展示の仕方が些か雑な気がした。

それから、映像を映し出す半透明のスクリーンの向こう側に、よく見るとジギー時代の寛斎衣装が多数展示してあった。
これはスクリーンごしである上に、かなり上部に展示してあるものもあり
じっくりと鑑賞出来ないのが非常に勿体ない。

白地に日本画のような模様を施したテロリとした絹のスーツや、TOKYO POPの丸いフォルムを鋭角的にしたようなボディスーツを間近に見られなかったのは本当に残念だ。

この部屋で流れるライヴ映像は、映画ジギー・スターダストのものだったり、グラスパだったり、リアリティツアーだったり、特に年代順ということもなくランダムだった。
貴重な「ダイヤモンドドッグスツアー」のものは完全な映像が現存しておらずいろんな映像を切ったり貼ったりつぎはぎしたような苦労の後が偲ばれた(^_^;

あれ映像と音が合ってへんやん、と思ったら、どうやら見かたにコツがあったようでヘッドフォンが受信する音とは反対側の映像を見なければいけなかったらしい。

運営側はこの部屋を「ライヴ会場」という設定にしたかったらしく、
「ここで好きなだけ踊ったり泣いたりしちゃってください!」とかツイッターに書いてあったがもうひとつの映像室以外で唯一座れる場所があるのはここだけなので、わしら年寄りはもれなく座ります(笑)

だって一度入館したら最低でも3、4時間は普通に滞在するし、トイレがないために朝から飲まず食わずで水すら飲んでないんですよ。
そして館内の寒さのために(衣装のコンディション保全のためか?暖房は切られている)さらに体力を奪われる。せめて座るぐらい許してくれ。

最後の部屋を出ると、最初にヘッドフォンを受け取った場所に戻る。
そこでヘッドフォンを返却し、暗いので迷いそうになりながらエレベーターホールへ向かう。

その途中の通路にも、まだ見逃してはならない展示が沢山あった。
展示室に入りきらなかったのかどうか、まずプライベート衣装を含むジギーから50歳までの衣装が4~5点展示してある(ここではもうメモ帳をしまってしまい、メモを取らなかったので不確か(^_^;)

特に一番右端にある「ジギーの普段着」がものすごく可愛らしかった。
薄紫のベロア風生地のキルトジャケット、黒い薄手のシャツ、紺色のキュロットパンツはデビュー間もないイッセイミヤケの作品で、折り返し部分に赤の差し色のアクセントが効いている。そして黒の膝丈ロンドンブーツ。

ロンドンの最先端の、お洒落で中性的な男の子!というイメージがリアルに伝わってきて当時の彼が今自分の目の前にいるように錯覚してドキドキしてしまった(笑)

それから「ダイヤモンドドッグス」時代のからし色のスーツ。

確かその隣には同時代のブルーグレーのシルクスーツ。
これは後年手直しを加えて何かのイヴェント時に再び着用されたらしい。

で、スーツの右襟部分とズボンのファスナー部分をチクチク手縫いで修正してあるんですがこのチク縫いの縫い目がだいぶと大きくて目立つんですよ(笑)
でも、こうして古いものを捨てずに大切にするボウイさんが何とも素敵で、大きな縫い目にもほのぼのしてしまいます(もちろん本人が縫ったんじゃないでしょうが)。

あと何点か飾ってあった気がしますがもう忘れました(^_^;

そして左端には50歳の誕生日記念ライブ?で着用した本人デザインによるスーツ。
どっしりとした重量感があり、ロングコートの裾の部分をボロボロに加工してあり、背面向きでアースリング衣装と似た感じだった。

衣装を右手側に見ながら進むと今度は数多くの写真が展示してあり、ここもさらにじっくりと時間をかけて見たくなる。

そこから右に曲がるとボウイさんが動画で話しかけてくる。
これが噂の「デイブおじさんからのお誕生日メッセージ」だ。

私も「お誕生日おめでとう」言ってもらったよ♪
全然お誕生日ちゃうけどな、山羊座やけどな!(笑)

この項で終わらすつもりだったけどあと一回続く。

★内容があまりにミーハーすぎて誰にも読んでもらえなくなるんじゃないかと不安になってきましたが…
次回こそがこの感想文のキモとなりますので是非読んでねっ!