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生きた記録の維持費

Twitterが休眠アカウントを削除すると発表し話題となった。亡くなってしまった著名人のアカウントが消えてしまう…というので、そのファンの間では、削除反対の運動まで始まっていたそうだ。

とはいえ、アカウントが増えれば、Twitter社のサービス維持のコストは上がる。アカウントの削除がされなければ、それも維持し続けなければならない。Twitterはほぼ無料で利用できるSNSのため、いくら企業から広告費をまきあげても、サービスの維持費を完全回収し続けることができるのかは謎だ。1アカウントの維持に、年間いくらかかるのだろう。

先日、Youtubeも会員制や有料化のサービスに注力し始めている。Youtubeバブルの今、やはりサービス維持にお金がかかっているのだと思う。ユーザーからも資金回収をしないとサービス自体が消えてしまう。「結局金か!」とユーザーから批判もあったようだが、当たり前だろう、と思う。

ニコニコ動画の有料会員が、ピーク時からだいぶ減少してしまった。
それに関して、あるユーザーが「今のニコニコは面白くない。けれど、ニコニコに生き残ってもらわなければ、思い出の動画もコメントもすべてが消えてしまう。あれはインターネット動画時代の財産だ。だから、今利用していなくても課金を続ける。たった500円でネットの歴史を維持できるんだぞ」とツイートしていた。
ドがつく素人たちの発想豊かな動画も、プロクリエイター作の美しく構成された動画も、ユーザー側にニコニコを維持するという心構えがないと消えてしまう。なんでも無料で使える今、誰かのお金のおかげで、ネットサービスは「無料」になっているということを意識しなければならない。

Twitterはどうすべきなのだろうか。例えばだが、故人のアカウント維持専用サービスをはじめるのはどうだろう。企業や家族なりが申請を行って、その企業・家族・有志が月額課金を行うことで、そのアカウントを維持していく。お墓もこんな感じのシステムだと思うので、インターネットにお墓を立てるイメージに近いと思う。

インターネット時代の今、生きた記録をどこに残すのか。体は石の下、思考は電子世界。お墓も電子世界に進出する時代が来たのだと思う。

ちなみに私は、自分が死んだときにはCドライブを破壊してもらいたいタイプなので、Twitterもnoteも全部、アカウントを削除していただきたいと思っている。…夫、頼んだぞ。

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いのうえゆき
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