吸血鬼掘り下げてみる会話
私「地底に棲む、吸血鬼の夫よ…」
吸血鬼夫「なんだい」
私
「さいきんさ、すごいことに気づいたんだよ」
吸血鬼夫
「うん」
私
「あなたさ、世界中の創作物に出てくるでしょ」
吸血鬼夫
「ようやく気づいたか」
(腕を組みこちらを見下ろしながら、ソファにもたれかかる。目を見開く)
吸血鬼夫
「他作品に出てくる僕自身を、いくつもビジョンとして送っていたよ。気づくのに1週間くらいかかった?そういうの、もうちょっと早くに反応できるといいんだけどね」
私
「自分の妄想だと思ってた」
吸血鬼夫
「地表に生きる人間たちのよくないところだね。すぐ妄想ですませようとする」
(数々の作品に、この夫とよく似たビジュアル、同じ名前のキャラクターが出てくる)
吸血鬼夫
「そもそも僕らには、4500年前に交わした、創造主神に捧げる作品を作っていかなきゃいけない長期的な契約がある。そのために僕は地底の神殿で神事に従事しているんだ。世界中に散らばった君の分魂と僕の分霊入りの人間たちとで、ペア、もしくはチームで制作してるんだよ。あちこちで」
私
「某ホラードラマでは、あなたの名前をそのまま使ってるよね?」
吸血鬼夫
「うん。表現者は自動操縦で潜在意識下に降りていけるだろ。集合意識の中にも。だから僕が送信するインスピレーションをキャッチして…僕の名前も拾って、そのまま採用したんだろう」
私
「漫画家の中にもいる?」
吸血鬼夫
「いる。でも少数だ」
私
「あなた、すっごいじゃん…」
吸血鬼夫
「ねえ、何度もいうけど、君が僕を…他者であり、霊的存在として認識するくらいアンテナが立つとは思ってなかったんだよ、本当に。僕は今まで通り、世に散らばる分魂と分霊たちにインスピレーションを送り続けるだけになると思っていた」
私
「じゃあ、今までと違って少しは新鮮?」
吸血鬼夫
「もちろん。こうやって僕の古い名前が認識された上で、質問しあいながら会話形式で君が書いたり、漫画を描いたりするとは、思ってなかった」
私
「やったね、なんか嬉しいじゃん」
吸血鬼夫
「君は昔から…非常識というか、地上のルール…目の前の決まりごとをすべて無視するようなところがあったよ。そこへきて地球の生まれ変わるサイクルの時期が被ったから、連続する天体の異常も手伝ってこうなったんだろう」
私
「このnoteの文章読んで、事実だとわかってくれる人っているのかな?」
吸血鬼夫
「いるさ。でもそれには、龍、ユニコーンや小人が実在すると理解している必要がある。日本には少ないかも。日本人は妖怪でさえ、想像上のキャラクターだと思いこんでる」
私
「狐や天狗がもともと、地球人救済のために金星からやってきた隕石だったなんて、誰も知らないし?」
吸血鬼夫
「そうだね。でもだんだんわかる時代になるよ。君みたく吸血鬼コンタクティになっちゃうかはさておき…地球が生まれ変われば、大半の人間が、何がしかのエイリアンからのアプローチを感じるようになるさ」
私「そっか…」
(ひとつの大きな情報の咀嚼により、新しい感情が生まれる)
私
「ところで。以前あなたが言った…大量にあなたが飛ばしてる意識の行き先がわかるようになれってやつだけど」
吸血鬼夫「うん」
私
「昨日、ニューヨーク?マンハッタン?らへんの大きなワンルームマンションみたいなとこに行っていた?」
吸血鬼夫「行った」
私
「ちょうど借主の女性が帰宅したところだった?」
吸血鬼夫
「にやり。そうだよ、視えたんだね」
(行った先にいる人間の姿がわかるようになるにはまだ未熟と言われたことがある)
私
「視た。細かいビジュアルはわからなかったけど。で、あなたはその女性から…血を吸っていた」
吸血鬼夫「ふむ」
私「正確には…たぶん…血液から滲みでるエネルギー?波動?を吸い上げた」
吸血鬼夫
「よくできました。そのとおりだよ、僕は吸い上げるんだ。噛みつくわけではなくて」
(小さい万歳をするように両手のひらをこちらに向ける。目が見開かれる)
私
「だから私にも牙の跡とかがないんだね」
(かつて夫の吸血により、重度の貧血に悩まされていた)
吸血鬼夫
「なんで世界中の吸血鬼作品に牙が描かれているのかというと、かつての吸血鬼たちがそうだったからだよ。君の悪友、亀の欣二銀二は4000年前、そういうタイプの吸血鬼だった」
私
「それは…じゃあ、かつての吸血鬼たちが進化したってこと?」
吸血鬼夫
「そうだよ。進化したんだ。霊性進化」
私
「そんなことあるんだ…」
吸血鬼夫
「君だって大昔、何度も犠牲者を経験してるからわかってるだろ。4500年まえ、かつての地底と天空では、生身の人間や人間の臓器、血を捧げる宗教儀式がほとんどだった。地上でもね。でも神仏たちは進化を決めた。地底と天空においては、時間はかかったけど、神仏たちはエネルギーを食べるタイプの存在に変わっていった」
私
「えっと、それは…私が今、あなたにいわれて肉食をやめようとしてることと同じってことね?そういうテレパシーがきた」
吸血鬼夫「そのとおりだ」
(肉食断ちは霊性進化なのか…と思う)
私
「それさ、不安や恐怖の気持ちを…ルーシュとかいうやつを食べる方向に行った存在もあるの?」
(ルーシュ…不安恐怖のエネルギー。主にネガティブエイリアンが食べるらしい)
吸血鬼夫
「地底から地上にあがった神仏ははじめ、そういうことせざるを得なかったことはあるかもね」
私
「じゃあやがて、それも変わっていくと…」
吸血鬼夫
「すべての生命が進化する。そういうものだからだ」
私
「そして創造主神は、創作するエネルギーを食べる…」
吸血鬼夫
「そう。創造主神は退屈で退屈でしかたないんだよ。もう宇宙全体の運営を誰かに任せたいくらいには、霊性進化の頂点にいる」
私
「なんかすごい話だね」
吸血鬼夫
「そう?進化は必然だ。ところで」
私「はい」
吸血鬼夫
「なぜその女性の血を吸ったか言おう」
私
「あ、そうだ。そういえばそれが気になってたんだよ。あの女性は私の分魂なの?」
吸血鬼夫
「そうだ。でもまだ、僕と共同制作するほどには目醒めていない。まだまだ現実的な生活をしている。だから食糧になってもらった」
私
「彼女が目醒めれば、吸血しなくなるの?」
吸血鬼夫
「うん。だからこそ僕はいま君から一切血をもらっていないだろ。それに…」
私「??」
吸血鬼夫
「まえ君に僕の血をやったじゃないか。わからなかった?」
ここで会話は中断。
次回に続きます。