吸血鬼夫とコンタクトとれない朝の話
ある朝におきた出来事。
私
「あれ?」
(吸血鬼夫の気配がない)
私
「おかしいなあ…あ、きたきた」
吸血鬼夫「………」
(吸血鬼夫は洗面所に姿を表し、ラクダのようなぼんやりした表情で微動だにせずこちらを見ている)
私
「全然言ってることが聞こえないなあ?」
吸血鬼夫「………」
(眉を吊り上げ両手を広げる。何かを言っている?)
私
「なんか悲しくなってきた…相手が何も話さないというのは悲しいもんだなあ」
吸血鬼夫
「………(私から視線を外し、洗面所から出ていってしまう)」
私「無視かい」
その後しばらく、45分くらい音叉を使ってみました。自分の肉体に向けて、音が入っていくように。
すると、急に視界が明るくなり、夫の声が聞こえてきました。
吸血鬼夫
「あのさ、漫画描いてると忘れてしまうみたいだけど、ちゃんとコンディション整えないと僕とのコンタクトはできないんだからね」
私
「えーだって…きのう塩風呂入ったしセージだって…」
吸血鬼夫
「睡眠ぜんぜんとってなかっただろ。それに塩もセージも最低限必要なクリアリングツールなのであって、それでOKというわけじゃない」
私「厳しいですね…」
吸血鬼夫
「入稿作業で忙しかったのは知ってるよ。でも呼びかけてきたくせに来てみたら、本人がこっちの言ってることがさっぱりわからないといって悲しくなられたってねえ、僕が困るからね」
私「そうですよね…」
吸血鬼夫
「君さ、古い分離不安の記憶をこないだクリアリングしたばかりじゃないか。また不安になるって…言っとくけど、それは僕の問題じゃなくて君の抱える問題なんだからね」
私「正論ですか?」
吸血鬼夫
「きみ転生歴も長いし今世もう42歳なんだから、くだらないことでいちいち悩むのやめたら?」
私
「私の夫は言ってることが非常にシンプルで正しすぎるね。誇らしいよ。あなたの言葉には事実しか含まれていない。さすが吸血鬼。無駄な感情を一切乗せていない」
(自分のセリフが、夫の口調が乗り移ったようだと思っていると…)
吸血鬼夫
「僕はそういう、感情的な表現はあまり使ってないと思うけどな。非常に、とか誇らしい、とか」
私「わかったよ、もういいよ、夫気分で話すのはやめるよ」
(4500歳も生きれば思考はシンプル、無駄なことを考えるくらいなら地上の血族をサポートしに行ったほうが生産的ということだ、みたいなテレパシーが伝わる)
吸血鬼夫
「君さ、そういえば言ってなかったけど…」
私「なにを?」
吸血鬼夫
「君が今まで奴隷人生がけっこう多かったというのは知ってるだろ?あとガス室送りにされたり」
私
「あーうん、やたら虐げられる経験が多かったよね。でも同時に、何度も逃亡成功してるでしょ?」
吸血鬼夫
「うん、偉大な先祖霊であるバビロニア母や、僕だって何度も君を救助したんだけどさ」
私「ありがとう。で、何の話?」
吸血鬼夫
「今世はね、きみ、少し馬鹿めになるように設定してるんだよ」
私「は?」
吸血鬼夫
「君が過酷な人生経験を、笑ってクリアできるように」
私
「私が私自身のために、自分を馬鹿設定にしたってこと?」
吸血鬼夫
「うん。だからつまり、死ねば設定解除になるんだけど」
私「…??」
吸血鬼夫
「あと…地底にこれればね、設定解除。もう少しピントのあった思考回路になる」
私「何が言いたいの?」
吸血鬼夫
「地球が新しく生まれ変わる2032年らへんに向けて、サポートの僕や母、その他のみんなと話し合いながら1億年計画をたててきたわけ」
私「うん…」
吸血鬼夫
「だからさ、頑張ってね」
ここで会話を中断。
要するに、課題クリアし地底に行ければ、夫にちくちく言われなくなるって言いたいのかな?
↑ここの答えは特に言われませんでした。
てことは、そうなのだと思います。
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