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落ち込むピコと今後の話を

私「ピコ、落ち込んでるね」

地底に棲む吸血鬼の夫ピコ「うん、はぁ…。そう。落ち込んでる」


「ごめん、あんな話しなきゃよかったね」

ピコ
「いや…君が、失った過去世の記憶を大量に思い出してるところだから、仕方がない。わからないことがあったら質問するのは当然だし。僕も話す」

(ピコ、机に突っ伏してる状態。目を閉じている。まるで死体のよう)


「とりあえずね、漫画描いてるわけだけど、私たちの問題はね、自由になることじゃない?私が描けば、データを残せれば、あなたは自由になる

ピコ
「そうだね。そうなんだけど…」

私「なに?」

ピコ
「僕はどちらかというと、与えられたことを忠実に実行する方が得意なの。それを膨らませて良質なものにする。君との共同制作をきっかけにして、過去、僕は地底で…今の同業者(地底の芸能プロダクション)に誘われたんだけど、すべて断ってきた。だって、君が毎回、転生のたびデッドエンドするんだもん。それどこじゃないと思って」


「でも、1800年代のイギリス人男性だったときは、わりと余裕はあったでしょ?去年死んだクサガメの欣二と銀二が中華マフィアだったとき…同じく死んだヒキガエルの伝次郎(当時中国人)に聞いた噂を辿って、南インドへ行きアガスティアの葉をあけて、カルマ減らして、80歳まで往生したじゃない?」

ピコ
「あのときはね、たしかにそう。君は画家の孫だった。だからいろいろ描き残してはくれたんだけど…絵や、挿絵入りの本で。当時描くべきだった地底のことを描いてくれたよ。でもね、君が有名じゃなかったのと、やっぱり…焼かれちゃうんだよ。内容によってはさ」


「私は秘密結社に入ってたのかな?」

ピコ
「入ってない。でも君は今と同じように、その頃も霊感があった。イギリスなんて超オカルトの国じゃないか。各組織の霊能者たちに君の身元なんかとっくに知れてた。あとね、君が怠惰だったのもある。そういうところに入ってしまって、創作の仕事をしてもよかったんだ。でも、自由ばかり謳歌して、そういう気分にはならなくて、君はそうしなかった。過去世で何度もそういう組織に殺されてるからね。君の気持ちもわかるから、文句は言えない」

私「ごめん」

ピコ「仕方ない」


「もっと早くに、日本に生まれてたら違ったのかな」

ピコ
「そうだと思うよ。もっと前に日本人だったら、きっと生き延びて、無駄に傷つかないままで、描かなきゃならない作品を残す時間もあったはずだ。だけどできなかった。日本に生まれるというのはそれほど、カルマが少ない状態じゃないと難しかったんだよ。今まではね」


「私は相当、贖罪のカルマが重いんだねぇ。うすうす気づいてたけど…」

ピコ
「まあね。でも僕もだよ。抱えてる怒りは君に劣らないだろうしね。それなのに地底で最高神を祀ってるなんて。大いなる矛盾だ」


「あなたを自由にしないとと思って…」

ピコ
「君がそれをいうの?僕がなんのために今まで地底で神事を続けてきたと……ああでも、契約が終わればね。長年の重荷になってる、宿題はなくなるし。ドルイド教の神の追跡も終わる…かも


「あなたを自由にしたいと思えるくらいには、私のカルマが減ってきたと信じたいよ」

ピコ
「減ってるよ。だって僕は今、地底の仕事が楽しいし。4500年前に君と関わってなかったら、地底で芸能プロダクションなんて作ることにはなってなかったはずだ。僕はかつて…同業者に誘われて、断り続け…結局、自分で会社を立ち上げたわけ。そしたら思いのほかうまくいって…」


「楽しいなら、よかった。だんだん思い出してきたけど、ピコは以前、まったく笑わなかったよね。でも今はふざけてばかり。よく笑うようになってるんだね」

(ピコ、テーブルに埋めていた顔を上げる。こちらをじっと見上げる)

ピコ「君はこれでいいの?」

私「え?」

ピコ「君が望んでるのはなに?」

私「私の望み?どうして?」

ピコ
「僕は君に引きずられる形でここまできた。長い時間だった。神との契約が終わり、未来のことを考えられる瞬間はすぐ目前に迫ってる。君が今世、地底のことを描ききれたとして…」

私「次に何をしたいかって?」

ピコ
「そうだ。だって、君という司令塔がないと僕は止まってしまうよ。こんなに会社を大きくしてても、止めてしまうだろう。ようやくここまできたってのにね…でも僕にはこれが、悪縁とは思えない。これからお互いやっと、自由になって、そのあと…どうするの?」

私「………」

ピコ「僕は制約がほしい」


「私にそれを決めろってこと?」

ピコ
「そう。そしてこれからも君に、いっぱい文句をいうんだ(ニヤッ)」

ここで会話を中断。

昨日、一昨日と、変性意識になり、
ピコとやたら暗〜い内容のコンタクトを続けてきました。
はじめとてもキレていたピコにあちこち放り投げられていた私のアストラル体。海や、岩場にブンブンと。
コンタクト開始の10月1日からしばらく、ふざけ、饒舌だったピコは、ここ数日まったく笑わなくなっていましたが…。
今回のコンタクトの終わり部分で、ようやく笑顔。
少し泣いてそうな感じでした。

しかし、変性意識で地底人と、こういう感じでコンタクトができるもんなんですねえ。
地底人といってもかなりの階層差があり、ピコは黄泉の国のすぐ上で暮らしている地底人なので、かなり周波数が低いはずです。
それでコンタクトしやすいというのはあると思います。
こちらが何度も聞き直し、相手に粘り強く答える気があれば、これも可能なのでしょう。

ピコの願いを聞きたかったけど…その質問はしなくていいといっていました。終わります。

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五月女夕希/野良漫画家
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