吸血鬼と黒魔術の話
私「質問があります」
地底に棲む吸血鬼の夫ピコ「どうぞ」
私
「なぜ私は30歳まで、ずーっと、体調不良だったのかを知りたい」
ピコ
「まず、君は10歳から30歳までのあいだ、巨大な発電所が隣にある家に住んだり、飛行場がとても近い家に住んでいたね。そういう場所は幽霊がいっぱいいる。
以上の説明だけでも、体調不良に苦しむ理由としては十分なんだけど…」
私「それ以外にも理由がある気がする」
ピコ
「そうだね。じゃあ君が知らなかった新しい話をしよう。君は4500年まえ僕の奥さんのひとりで、魔術を政治利用していたね。つまり魔女だったということ」
私
「うん。そうらしいね。今世は魔女にまったく興味ないんだけどね」
ピコ
「君が地上に転生したあとも、何度も魔術を使っていた。まあ、得意分野だからね。困ったときについ使っちゃうのもわかるんだけど…使い方がよくなかった」
私
「あ!わかった…恋愛相談されて、惚れ薬作ったとかそういうやつだ!」
ピコ
「そのとおり。誰かの心をコントロールするために魔術を使った。この罪はけっこう大きい」
私
「うーん、なるほど…具体的にエピソードを思い出せるわけじゃないんだけど、ありうると思うし、なんかわかる」
ピコ
「君自身もそれで恋愛成就したり多少のお金を得たり、いい思いをしてたしね。魔術は手順を間違わなければ効果はある。ただ、使役する霊的存在が低級だと、しっぺ返しがくるんだよ」
私「反対に、高次元存在の場合はしっぺ返しがないと」
ピコ
「そうだ。でも高次元存在は簡単に願いを叶えないけどね。
つまり、君は今世で小さいときからなぜか、わかっていただろ?願いが叶わないわけがないと。感覚で」
私「うん、わかってた」
ピコ
「本人の肉体的なキャパ、積んできた徳、積み上げた業、そういう条件下でなら最大限に願いを叶えていくことは誰にでもできる。君はかつてなんども魔術を使っていたからその経験が多い。だからこそ今世は正神界としか縁しないように、細心の注意を払ってきたんだよ。低級な霊的存在と関わりを持たないように。僕もそこはサポートしていた」
私「低級な霊的存在に縁するとまた、しっぺ返しがくるから…」
ピコ
「そうだよ。そして今世の人生に大きな影響を与えている前世はいくつかあるけど、まず4500年まえの前世の転写がある。これがあるから君は僕の子孫である今の夫と結婚してるし、方位を扱う占い師になった」
私
「じゃあ体調不良の30歳までは、しっぺ返し期間だったと」
ピコ
「というか…いくつもの前世で使ってきた、黒魔術のカルマの解消を一気にした」
私「いくつもの?ひとつの前世じゃなくて?」
ピコ
「けっこう量はあったと思うよ。今世で地球が進化するからね…生まれるまえ、そういう地球のシナリオを前にして、自分の人生シナリオを作るからさ。君は人生前半に一気にカルマ解消を持ってきて、それであんなつらい思いしたわけだよ。自分で」
私
「へ…へえ〜…なんか、腑に落ちるわ…。ひとりっ子だから、いちばん食べたい部分は最後に残しておくために、好きじゃないものを先に食べる、みたいな…」
ピコ
「君は今世、気学家なんだけど…気学は霊的存在を使役しないから特にしっぺ返しはないわけだよ。人の心をコントロールする占術ではない。ああでも、微妙に悪用もできるけど…君は開運学の方にばかり目がいって、そんなことしてないから」
私
「正神界の神にしかご縁しないように、と言ってる人が占いの師匠だしね」
ピコ
「だからまぁ、今世は上々じゃないかな?ちょっとのろまだけどね。今後はもう少し契約完了に向けてスピードアップしていこう」
(ピコと共同制作で作った漫画を創造主神に捧げる契約)
私
「ねえ、話戻すけど。私さ…さっきの、惚れ薬とかさ…」
ピコ「ん?」
私
「4500年まえ、あなたに使ったかもしれないよ…うっすら記憶ある」
ピコ「わーはははははは!」
(目を剥いてでかい声で爆笑)
ピコ
「じゃあ効き目あったんだろうね、未だに僕は君のガイドしてるようなもんだしね!あはははははは!」
私「…………(うつむき頭を抱える)」
ピコ
「まあ僕についてはしっぺ返しないからいいんじゃない、はははははは!」
私
「なんか盛大にサービス精神を発揮した暴露をした気がする。言わなきゃよかった」
ピコ「あはははははは!」
ここで会話を中断。
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