インタビューウィズ地底人④
(おさらい)地底で神官をする吸血鬼は「私」の古い伴侶。神殿で契約した内容は①共同制作したものを創造主神に献上。②「私」が転生するたび邪神と繋がらないよう加護。③我々の婚姻)
私
「あなたは昔の私の元夫…」
地底人
「まだ現夫です(婚姻契約を破棄していない)」
私
「うん、つまり、妻の私から血を飲めば、他に被害は出ずに済むと」
地底人「その通り。そういう…家庭内完結型の吸血鬼が僕」
私
「私だけが妻?」
地底人
「………」
(少し首を傾げる、目を見開く)
私
「違うと言ってほしかったのに」
地底人「ごめん」
私
「とても現実的だよね、これ」
地底人
「君だって。僕をおいてさっさと地上に行ってしまって、生まれ変わるたび毎回妻や夫を何百人と娶り家族をつくり、僕はそのさまを横目で見ながら、君を憎たらしく思いながら、契約遂行のために御神事に身をやつしながら今まで生きてきてるんだからね。腹立たしいのはお互い様じゃない?」
私
「仕方ないじゃん、生まれ変わると前世のことなんか記憶にないんだから。あ、あとね、日本語おかしいって言いたかった。夫を娶るとか…」
地底人
「僕はテレパシーで話してるんだから、そんなことはいい。君の脳内変換がそうさせただけだ」
私
「でも未だかつてなく、霊界通信してるけど…こんなに明瞭に霊的存在と交信できたの、初めて」
地底人
「霊的存在…うーん、僕はまだ生きてるんだよ、吸血鬼として。人間とは違う形態だけど」
私
「でも物理的な存在じゃないでしょ?」
地底人
「肉体と意識を持ちながら、同時並行で自分の意識を自由に移動させたり分割させたりできる存在。物理的より、もう少し上」
私「いわゆる4次元存在?」
地底人
「君の認識でのそれだと幽霊になっちゃうから、少し違う。3.5次元くらい」
私
「どれくらい生きてるの?地底で最後に私と会ったのはいつ?」
地底人
「3000…4000…5000はいかない、4500年くらい生きてる」
私「ながっ」
地底人
「君はだから、地上でそれだけ長く転生を繰り返してきたんだよ」
(4500年前、私との感情的トラブルが原因で吸血鬼にされてしまった件。そのとき私は死に、苦しむ夫をおいてさっさと地上に転生しに行った!)
私
「過去生に、あなたと交信できた私はいる?」
地底人
「いたと思う、でもあれは交信とはいえなかった。そのときの君はただ単に僕の存在に気づいただけで、天使様〜とかなんとか、拝まれて終わっちゃったってこと」
私
「うわぁ〜、あるあるな感じがする!」
地底人
「仕方ないよ、人間はみんな霊感閉じてるし」
私
「じゃあ、去年死んだ亀たちが私に残したものは本当に大きかったってことだね。2人がいなかったら私は霊視力を上げようとは思わなかった」
地底人
「霊視力…違うな、死生観を持つことはなかった、だよ。あの2人がまだ生きてたら、君は未だに現実社会のしがらみや世間体、ルールに縛られ、創造主神との契約のための作品に着手しなかっただろう」
私
「たしかに」
地底人
「来年以降の大峠、そんなビッグイベントの時期に生まれてきちゃってさ。どうしてそんなに好奇心旺盛なんだろうね?自分が死ぬかもしれないってのに」
(↑けっこう重要なこと言ってるかも)
私
「そうだね。でも…あなたが指し示してくれるんでしょ?今までみたく」
地底人
「君の伴侶だからね。やれるだけのことはするよ」
私
「実はまだ少し、私はあなたを疑っていてさ。悪魔悪霊じゃないかって」
地底人
「知ってる。でも僕としてはその方がむしろ安心だよ。霊的存在すべてに天使様って言っちゃうよりね」
私
「……。でもさ、あなたが私にしてくれたことを振り返ってみて…暗黒の中学生時代はひたすら前向きな言葉を投げかけてくれ、自信を持たせてくれ、邪神とご縁しないように取り計らってくれ、人間関係だって恵まれてさ…私はうすうすわかっていたよ。なんでこんなに自分は箱入り娘のように育ったんだろう?って。父は宗教者でDV野郎なのに」
地底人
「今回君の本名を大凶名にしたのは正解だった。大凶名を持つ者は一種の知見を得る」
私
「33歳で改名しちゃったけど」
地底人
「まあそれはいいよ。今の夫(人間の方)と出会うには必要なことだったし」
(大凶名の人と大吉名の人は人間関係のご縁を結びにくいという占いの話から)
私
「でね、とにかくね、あなたが今世私にしてくれた励ましや保護や、霊的教育。それらを思えば私は感謝しかない。そしてあなたはここ(地底)で神官をしてるんだよね?祀っているのは創造主神(国常立大神)で」
地底人「うん、今までずっと。これからも」
私
「じゃあ、もう少し婚姻は継続する。だから今の夫にあなたの分霊、入れたままにしといて」
地底人
「君のそういうところを愛してるよ」
私
「こう言うって予想してたでしょ?」
地底人
「いや…3割くらいは、ずっと怒っちゃうんだろうなって思ってたよ」
(少し目が開く地底人)
私
「…あれ、今、ちょっと泣いた?」
地底人
「ふふ、気持ちだけね」
ここで会話を休憩。
文章を読み直します。
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