生まれる前の設定
私
「あんたさあ、ふざけすぎ」
地底に棲む吸血鬼の夫ピコ
「夫をあんたって呼ぶんじゃない(怒)前にも注意したろ」
私
「わざわざ夢に出てきて一文字ずつ…「僕の地底での本名はガブリエル・ケツァルニコフです」とかね…夢の無駄使いよ!」
ピコ
「ププ。真に受けたでしょ?付箋に書いて机に貼ってたもんね?ププ」
私
「いや…貼ったけどさ…貼ったけど…そんな、
ダッセー名前!!」
ピコ
「おい、世界のケツァルニコフさんに謝れ!実在するんだぞ!」
私「うっそだぁ!」
(しばしgoogle検索。ケツァルニコフ実在)
私「すいませんでした」
ピコ
「バッカだなー!ほんと。バーカ!バーカ!」
私
「なんなのよあんた!なんだかもう、いろいろわかってきたじゃんよ!ピコは黄泉の国の神(地底の創造主神)を祀るくらいだから、ゴーストなんかへっちゃらだもんね?超不真面目だし!邪気いっぱい!」
ピコ
「なにいってんの、君だってもともと僕と暮らしてたんだから、ほんとは全然オバケも悪霊も平気なはずなんだよ?生まれる前の設定で、「超怖がり」にしちゃったから憑依体質になっちゃったけどさ」
私
「えっ…そう…なの?うーん…でもそうかも。いつもお世話になってる霊能者が「五月女さんの視てる世界はこんなにホラーだったんですね」って戦慄してた。あれって…そういうこと?」
ピコ
「そうだよ。僕らはご神事だけじゃなく、不成仏霊の死体回収も仕事のうちなんだからね。君も一緒に拾ってたのに」
私「………」
ピコ
「生まれたときに霊感制限しちゃってるから、すっかり忘れちゃってるね。そろそろフィルターはずせば?そしたら僕とのコンタクトももっと…楽しくなるかもよ!ケンカもさらに増えるだろうけどね」
私「そう…だったのか…」
ここで会話を中断。
ピコと話せば話すほど、ケンカをすればするほど、
今までとはまったく違う自分が、世界が姿を現わします。
ご支援いただけると幸いです。 よりよいものを創造していけるよう、取材や制作に使わせていただきます。