
インタビューウィズ地底人⑩

(おさらい)地底で暮らす吸血鬼は4500年間「私」の夫。この地底人との別の会話)
地底人
「君はずっと僕を、おしゃべりなガイド、だと思ってきただろう」
私
「ああ、うん、そうかも。ここ数年は特に」
地底人
「僕をガイドだという認識を持つ前は、漫画の持ち込みの時にひたすらベラベラしゃべる自分の別人格、だと思っていただろう?」
私
「あ…!わかるよそれ。いつのまにか自分の中で形成された、社会的な性格だと思ってた。おしゃべりなペルソナってやつ」
地底人
「でも違うんだ。僕は僕。君は君。だってそうだろ?」
(2012年の頃の自分の姿が浮かび上がる。お金がなくて不健康で、漫画を描いていた姿が)
地底人
「12年前、君が漫画アシスタントにはもう戻れず、かといってアルバイトするだけの健康な体でもない。
どうしようもなくて布団で寝ながら漫画を描くしかなかった時期があるだろう。あの時これは危険だと思って、僕は君の体を乗っ取り、代わりに馬鹿みたいにベラベラ喋りまくったんだ」
私「私の代わりにしゃべるって?」
地底人
「君の代わりに、持ち込み先の編集者に対して」
ここから先は
1,035字
¥ 100

ご支援いただけると幸いです。 よりよいものを創造していけるよう、取材や制作に使わせていただきます。