見出し画像

吸血鬼の生命形態


「昨日、驚愕の霊夢をみたんですけど…」

地底に棲む吸血鬼の夫ピコ「なんだい(にやにや)」


「昨日はピコの友人宅で、新人吸血鬼の歓迎会やってた?」

ピコ「そうそう。君も連れてったよ」


「いつもと違う風景だった。そこそこ現代的なヨーロッパの家。でも暖炉があって、間接照明で…」

ピコ
吸血鬼の集まりだから、白いLED照明は使わない

私「あ、納得…」

ピコ
「君にはもっといろいろ知ってほしいんだよ。僕と直接的にコンタクトをとっている人間が、視点を拡げていくさまを見たいってのもある」


「視点ねえ。でもあなたが言いたいことを、私という器が正しくキャッチできてるとは思えなくて。あなたは自分の言葉を、私の少ないボキャブラリーに頼るしかないわけじゃない?そういうものじゃない?自動書記って」

ピコ
「まあまあ、頑張ってる方だと思うよ。君は。それについてはこれからでいい。あとほら…もうひとつ、夢みたろ?」


「そうなの。これ言っていいのかなあ…その霊夢とは別に、レディー◯ガとあなたが仕事してる風景をみた」

ピコ「そうだね、彼女は僕自身をコスプレしてる

(↑狂人の戯言と思ってくださいすみません!)

私「すぐにわかった、あのPVだって」

ピコ
「僕は創作の奴隷なわけだけど…この概念。君にうまく伝えられなくてもどかしくて。僕自身のこの、システムを。僕がどういう存在かってことを」


「さっきYouTube開いたら、石井数俊さんの動画がトップにあってね。ピンときて、観てみた。つまり、こういうたとえで合ってる?」

ピコ
「そう、そういうこと。宇宙の存在であるセントジャーメインと違って、僕は地底から血族や契約者に創作のためのインスピレーションを送り、管理する…そこそこ巨大なエネルギー存在なんだよ。4500歳で、そろそろ吸血鬼としては年寄り連中の仲間入りするし」


「大きいエネルギーだから、人間に対し、素早く物理的に影響を及ぼすことができるわけね」

ピコ
「うん。ようやくうまく伝えられたよ。あの動画はわかりやすい。内容は地底ではなく、宇宙についてだけどね」


「ということは…地底にいるあなたのエネルギーから、分岐した存在ってこと?私って」

ピコ
「ええと…つまり…僕の分霊が入ってるってことね。君の肉体に。そして魂にも、食い込んでいる。君が創作をやめて、明確な意志を持ち契約破棄をすると、少し…分霊の量は減るかも。でも僕ら、婚姻契約があるから。あと他にも」


「ああそうか、私はあなたの血族でもあるから、それで長い年月を共同制作に費やしてるんだもんね」

ピコ「うん。だから、縁は深いんだけど、僕らの魂は別のもの同士だよ


「じゃあ、一般的にチャネリングや自動書記って、宇宙人や天使、神仏ばかりだけど…私がチャネリングしたのは吸血鬼というだけで、ぜんぶ構造は同じ、と」

ピコ
「そう。かつて人として生きた時代もあったけど、吸血鬼になったあとは長い、別のターンを生きてる。人間とは生命形態が違うんだ」

私「私、勉強不足だなって思うよ」

ピコ
「わからなくて当然だ。吸血鬼コンタクティは日本にはほとんどいないから」


「スピリチュアルなチャネラーはいっぱいいるけどね」

ピコ
「にやり。僕は血まみれ吸血鬼だから。彼らからしたらお祓いの対象にされる側だよ。吸血鬼なので、塩も酒も悪魔祓いも効かないけど」

(あはははは…とおどけて笑う。吸血鬼特有の開きっぱなしの瞳孔と挙動が加わるのでわりと怖い光景)


「あなたは自分を半霊半物質の吸血鬼といった、それは…」

ピコ
宇宙存在は周波数が軽い。吸血鬼はもう少し、重い。だから僕は君に対し、物理的な影響を与えられる。人間と幽霊のあいだに位置するくらいの物理的密度を発生させられる」


「なるほどねぇ〜。なんかさ…昨日、「21時までに寝れたら新しい風景を見せよう」って、言ってくれたじゃん?結局無理だったんだよ。21時半くらいに寝ちゃってさ。それなのに、いろいろ教えてくれたね」

ピコ
「君が遊び呆けて寝るのが遅くなったわけじゃないからね。それに昨日の霊夢はnoteに書き残す価値があると思うから。よろしくね」

私「たしかに、そうだね」

ここで会話を中断。

いいなと思ったら応援しよう!

五月女夕希/野良漫画家
ご支援いただけると幸いです。 よりよいものを創造していけるよう、取材や制作に使わせていただきます。