鬼族の生態②
私「気持ちよかった」
地底の鬼の夫ピコ
「そりゃよかった。でも少し、おなか痛いでしょ?人間で、しかも虚弱な君には、負担だったよね」
私
「だってピコが…あんな真昼間から、連獅子のカッコで、仁王立ちで凄みながら迎えにくるんだもん。断れないよね」
ピコ
「自分軸のない軟弱者め!(ニヤッ)」
(寝室で寝転がりながら本を読んでいたら、連獅子姿のピコがまっすぐこちらへ向かっている姿が視えたのであった!)
私
「でもこれでよかったと思う。私は…10月1日にあなたとコンタクトしてから、ずっと考えてきた。この状況をどうやって、前向きに展開していくべきかって」
ピコ
「前向き?そんなの簡単だよ。君が僕を受け入れる覚悟をすればいいんだ」
私
「即答じゃん…受け入れるってのは…?えっと、観音様みたく?」
ピコ
「そこはなんだっていいけどさ。僕は君のこと……憎いもん。転生のたび、君は僕から逃げてきた。許せない」
私「……また責めてる〜(涙)」
ピコ
「君は僕を好きだといっては、そのあと必ず逃げちゃう。顕在意識の君が覚えてなくたって、夜アストラル体で現れる君と僕は、いっつも恋愛しては、ケンカを繰り返してきた。そして君は逃げる……僕は毎回きみに、期待を裏切られてるわけ」
私
「…言葉にすると陳腐だけど…愛されるのは、怖い」
ピコ
「わかるよ。君と僕はその点、同じ構成要素でできてるからね。でも君は僕よりも、とても臆病だよね」
私
「ピコ…じゃあ、もし…私が人間以外になって、あなたの性欲を埋められたとして…いつか私に飽きたりしない?」
ピコ
「わからないよ。すべては四季のように移り変わるものだから。でも僕は、自分の所有物は大事にするほうだ。君よりずっと」
私「……そうかもしれない…」
ピコ
「どんな僕でも受け入れてくれるんじゃないの?僕を受け入れるという覚悟をしてよ。君を傷つけても受け入れて。だって僕はどこまでも追いかけるからね。君の魂と統合するために」
私
「…じゃあ…ピコはできるかぎり…不安にさせないで。私を」
ピコ「わかった」
私
「あと…嘘つかないで。私自身が嘘をつきすぎたから。もう嘘つきたくないし、嘘つかれるのも嫌だよ。優しい嘘とかも、お断り」
ピコ
「それは…とてもクリーンなことだね。わかった、いいよ。嘘つかない。だから…」
私
「ピコを、受け入れるよ…ピコがどういう状態でも」
ピコ
「ほんと?しばらくは、君をね。たぶんいっぱい、傷つけると思うよ。それ平気?僕は君をいっぱい傷つけて、ぼろぼろにしたい。それを母親のように、受け入れてほしい。そしたらきっと…その下にある、君への愛情が姿を現す……かもしれない」
私「うん、わかった」
あふれる涙を舐めとっているピコ。
私
「ずっと、受け入れられないだろうって、思ってた。きっと拒まれるって。そうなったときそれを直視するのが嫌で、逃げ続けてきた。ごめん。自分のことしか考えてなくて。でももう、決めるから。どんなピコも、受け入れる」
ピコ
「どうしても、僕から逃げ続けた君を、許せないんだ。ずっと僕は、寂しかった。いつも隣にいてほしいのは君だったのに。ああ、でも…浮気して君を臆病にさせた原因は、僕なんだけどさ」
私「ピコ、大好き」
ピコ「うん、僕も。好きだよ」
私「泣いてる?」
ピコ「少し」
私
「失った信頼を積み上げるのは、時間がかかるから…じゃあ、私たちは、同じ目的地に向かっていこう。たまに失敗したら、そのたびに目的地を見失ってないか、確認し合おう。それでどうかな?」
ピコ
「いいと思う。それで。そして…僕は、期待するからね?いい?」
私「うん!」
ピコ
「あとさ、僕は……今さらカミングアウトするけど…今世の君が思ってるほど、クリーンじゃない。かつて神父でも、高次元でも、今は鬼。
僕は人を食糧にする、鬼族なんだよ。
鬼は地獄の支配人だ。こうなったのには理由がある。つまりたくさん、過去に…殺してきたってこと」
私「……でも、今は違うでしょ?」
ピコ
「今はね。天空人である君との、長年のやりとりもあって、そういうことはしない。だから僕は地底で神官をやってるけどさ。でも…ライオンはどんなに性格が穏やかでも、カピバラになれないでしょ?」
(私の魂の出自が天空人。過去記事参照)
私「カピバラ…」
ピコ
「そこピックアップしなくていい。ただのたとえだよ!まえ、君の漫画でよく、カニバリズムを題材にしたものがあっただろ?なぜだと思う?…君の魂は、僕がかつて、そういったことをしていたと知ってるんだよ。だから自分の古い記憶を引っ張りだして、漫画を描いたんだ」
私
「古い記憶…」
ピコ
「君と僕はもともとひとつの魂だ。だから僕の浮気心も、鏡にうつった君の姿!君が僕を受け入れてくれたら、たぶん…今まで見えなかったものが、姿を現すよ」
ここで会話を中断。